2011年10月22日土曜日

絶滅危惧種:Black-throated Finch(キンセイチョウ)

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● キンセイチョウBlack-throated Finch:Wikipediaより 



 今朝のNICHIGO PRESSで発見した昨日の記事。


NICHIGO PRESS 2011年10月21日
http://nichigopress.jp/ausnews/businessnews/29409/

QLD、州中央部で絶滅危惧種の鳥発見

大炭鉱主の炭鉱開発に「待った」

 QLD州最大の炭鉱主クライブ・パーマー氏が州中央部に開発を計画している炭鉱予定地近くで絶滅危惧種で一時は完全に絶滅が囁かれていた鳥の目撃例が現れ、鉱山開発そのものが大幅に変更される可能性も出てきた。
 州北部ロックハンプトンの西400kmほどのところにあるアルファの町ではパーマー氏のワラタ・コール社が露天掘り炭鉱を計画している地域に近いビンブルボックス自然保護地では、
この5月に15羽のBlack-throated Finches(キンセイチョウ)
が目撃されており、連邦政府のトニー・バーク環境相が、このプロジェクトを許可するかどうかを決めなければならなくなる。

 連邦科学産業研究機構(CSIRO)の動物学者エリック・バンダーデュイス氏は、
キンセイチョウが最後に目撃されたのは7年前だ。
絶滅が危惧されているキンセイチョウの南部亜種は、NSW州北部とQLD州南部の山岳地帯から姿を消してしまった
2004年にロックハンプトンで目撃例が1件あるだけ
だから、これほどの南部でこのような発見がされたとすれば素晴らしいことだ」
と語っている。

 QLD州内で絶滅危惧種や希少種の生物が発見されたために、連邦環境相が鉱山開発の運命を決めなければならなくなる事態は2009年以来で、当時、トラベストン・ダム建設予定の川で肺魚、Mary River cod、Mary River Turtleなどが発見されたため、ピーター・ギャレット連邦環境相がダム建設中止命令を出した。


 キンセイチョウというのは北部地域ではよく目撃されているようである。
 どんな鳥かというと、サイトから援用させていただきます。


その283:キンセイチョウ(Black-throated Finch) Sat, August 20, 2011
http://ameblo.jp/pittas/entry-10991963235.html

日本ではジュウシマツに代表されるようにペットのイメージが強いハタオリドリの仲間ですが、オーストラリアには何種もこの仲間が分布しています。

環境に応じて分化を遂げており、内陸部でしか見られない種も数多くいます。


これはキンセイチョウBlack-throated Finch


オーストラリア北部に局所的に分布しています。比較的乾いた場所を好むようですが、朝夕には水場にやってくる様子を観察することができます。


オーストラリアの鳥は、水場や餌を求めて群れで放浪している種も少なくありません。そのため、今年見られたポイントで、来年も同じように見られるかというと、そんな保障はないのです。


 「Black-throated Finch」を和訳すると「喉黒ヒンチ:ノドグロヒンチ」となり、「ヒンチ:Finch」とは日本語では「ヒワ(鶸)」という鳥になるという。
 ヒワとは小さな弱々しい鳥という意味だという。
 単に小鳥で概要を現していると思うが、強いていうと「ノドグロヒワ」になる。
 「キンセイチョウ」の「キンセイ」にはどんな漢字が当てられるのだろうかと思い調べてみた。
 「錦静鳥」である。
 羽の部分が幾分「静かな錦色」といえなくもない。
 また「throated 」を動物学的だと思うが、「ムシクイ」と訳すこともある。
 Wikipediaではそれを採用している[黒虫食いヒンチ」。

 google画像にはたくさんの写真がのっており、さほどにマレな鳥ではないようです。
 ビデオもあります。


black-throated finches
http://ibc.lynxeds.com/video/black-throated-finch-poephila-cincta/bird-feather-bill-moving-branches
http://ibc.lynxeds.com/video/black-throated-finch-poephila-cincta/frontal-dorsal-view-bird-branch


 問題となっているのはキンセイチョウの中でも「南部亜種」という主に属するものである。
 手持ちの図鑑ではこうなっている。
 地図のモザイク部分に生息するのが南部亜種である。




● 左が南部亜種、右が北部亜種


 北部亜種はポピラーで飼育すらされているが、対する南部亜種は「possible extinct:絶滅危惧」だとある。
 違いはというと南部亜種は「「white-rumped」で、北部亜種は「blacke-rumped」だとある。
 「rump」とは「尻」ということだが、黒尻か白尻かということになるようだが、写真でみるかぎりどちらも白だが。
 画像データで出てくるのはほとんどすべて北部亜種でwhite-rumped:黒尻ということだが、違いがよくわからないというのが感想。
 北部亜種の資料が少なすぎるということもあるのだろうが。

 Wipipediaからみてみます。

 キンセイチョウは2つの亜種がある。
①.Poephila cincta cincta:白いrumped形式
②.Poephila cincta atropygialis:黒rumped形態で、ケアンズから南に広がっている

 大きさは10センチほど。黒い短いクチバシで喉は黒色である。
 頭部は薄い灰色で喉の周り部分にかけて広がっている。
 翼、胸、腹の羽はうすいピンク系の茶色で、尻尾は短く黒である。
 尻は北部亜種では黒、南部亜種では白である。

 キンセイチョウはヨーク岬で発見され、東南部クーンズランドから東部ニューサウスウエールスまで広がっている。
 しかし1994年から以降はニュースサウスウエールズ州での発見は記録されていない。
 過去数十年間にわたって、この種の個体数は減少を続けている。
 南部亜種の絶滅危惧が出ているニュースサウスウエールズ州とクイーンズランド州では、以前の生息領域の80%では消滅されたと言われている。
 この現象は、山火事の影響、サバンナにおける原生樹木や雑草の密度の増加、あるいは牧畜の普及によるものとみられる。
 残っているのはタウンズビル近くであるが、ここも適した生息地への開発が問題視されている。
 しかし、種自体は繁殖しており、飼育されたりして容易に見ることができます。
 エサは主に草の様々な種子であり、またクモやアリを食べる。
 雨季ではシロアリを摂ることもある。


 ゴールドコーストでこのキンセイチョウを見るなんてことはないだろう。
 でも過去に、鎌倉の材木座海岸でアメリカムシクイが発見されて大騒ぎになったことがある。
 まして陸続きの北部と南部。
 じわじわと南下した北部種に出会うことはないとはいえない。
 もし出会ったとき、北部種か南部種かの判断ができるだろうか。





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