2011年11月30日水曜日

鎖骨のコブ

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● 鎖骨のコブ



 「恥ずかしながら、我が肉体である」
 こむら返りの写真でも撮ろうと思ったが、どうみたところで筋肉が硬直した姿を写真にしたところで、普段とどう違うかは伝わってこない。
 それに代わる面白そうな体部はないかと思って考えて出てきたのが、これである。
 左の鎖骨の下のコブ。

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 鎖骨というのは肩に平行な骨。
 その下あたりにばかでかい瘤がある。
 写真でわかるように結構な大きさである。
 触るとグリグリする。
 痛くはない。
 回虫博士なら、ここにたくさんのサナダムシが冬眠しているとか何とかいいそうであるが。
 なんでこんなところに瘤があるのか?
 
 そこでインターネットで調べてみた。
 痛風のときもこむら返りのときも簡単に検索できた。
 が、今回ばかりは何もみあたらない。
 「鎖骨のコブ」とか「鎖骨のマメ」とかで調べているがナシ。
 分かりやすのは画像だろうと思ってオープンしてにたが、それらしいものはまるで載っていない。
 さて、これは何でしょう?

 いにしえのメモリーです。
 20年弱ほど昔のこと、日本にいたときにいっとき弓打ちに凝ったことがある。
 右腕は矢を引き、左腕は弓を押し出す。
 矢を引いた腕はそこで止める。
 でも押し出す左腕は止まることを知らずにさらにさらに押し出される。
 矢が放たれるまでこの押し出しが続く。
 よって、弓というのは左腕の絶えることのないストレスのスポーツといえる。
 結果として、このプレッシャーを支える肩下の筋肉がどんどん発達して、こんな形になってしまったというわけである。
 言い換えればこれ力瘤である。
 まあ、仕方がないことなのだが。

 が、である。
 あれから20年弱。
 ここで弓を引くことはなくなってしまったが、このコブは消えない。
 ここの筋肉を使うことはまったくない。
 でも消えない。
 肉体は骨ガラに近くなっているのに、どういうわけかこのコブだけはしつこく残っている。



 ここで先生はアッサリこう言っている。
 「会に入ったなら、弓手はそのまま的に向かって押してゆくだけ
 いとも簡単に言うが、既に押し切っているのに更に押していくとはどういうことか。
 こいつが、とてつもなく大変。
 そこで鎖骨に力瘤ができるというわけなのだが。 
 この先生の左腕肘は下に下がっているように見える。
 私には押し切っていないように思えるのだが。

 ビデオの先生は鎖骨の下に瘤はあるのだろうか。
 もしないとしたら、おそらくないだろうが、私は
 押す力で弓を引いていた

ことになる。
 そうだから左腕はまっすぐに伸び切ってしまう。



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 <<おまけ>>を追加
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 2004年にフジテレビ系列で「ヤングシナリオ大賞」と銘打って脚本を募集し、大賞に選ばれた作品を映像化。
 2012年1月にアップロードされました。

冬空に月は輝く

http://www.youtube.com/watch?v=iYxLuSU8x2E&feature=relmfu
http://www.youtube.com/watch?v=znxgrx7tEZA&feature=relmfu
http://www.youtube.com/watch?v=kSgc6W3wfDU&feature=relmfu





 <まぐろの目玉> 



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2011年11月29日火曜日

いまそこにある危機

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● 7%が危機ラインだという



NICHIGO PRESS 2011年11月28日
http://nichigopress.jp/ausnews/world/31318/

OECD、経済刺激策発動の再準備を予告
ヨーロッパ財政危機が再び深まれば

 日本は膨大な財政赤字で経済刺激策も難しく、すでに金利ゼロに近い状態では通貨政策も発動できないが、11月28日には、経済協力開発機構(OECD)が、
 「もし、ヨーロッパの国家負債危機が悪化するようなことがあれば、政府が経済刺激策を講じなければならない」
と警告した。

 今週中にもウエイン・スワン財相が中期予算展望を国会に提出する予定になっている時期にこの警告が出されており、最悪シナリオでは政策金利を引き下げなければならなくなるとしている。
 ただし、11月28日付で発表されたOECDの経済見通しでは、オーストラリア経済は比較的明るい見通しで描かれており、
 2011年には自然災害のため成長率が下がったがそれでも1.8%あり、その後、2012年には成長率4.0%、2013年には3.2%と予想されている。

 経済見通しで、オーストラリアは、
 「鉱業ブームの波に乗り、活発な投資と輸出、さらに交易条件が高止まりしている影響で所得効果が強く、豪ドルが依然として強いことや財政再建などのネガティブな影響を打ち消すものと思われる。
 また、連邦政府が2012年度までに財政黒字を回復することに努力しており、将来、経済刺激政策が必要な場合にも動く余裕ができると思われる。
 今後2年間は失業率が5.25%前後を維持し、一方、インフレーションは中銀(RBA)の目標値である2%から3%という幅の中央2.5%あたりで安定すると思われる。
 ただし、2012年7月から実施される炭素税のため、一時的に0.7%前後増加する可能性がある。
 また、11月にRBAが政策金利を0.25%引き下げたことで、国際経済を取り巻く引き下げのリスクが株式市況に及ぼす鬱効果を相殺することにもなる」
としている。

 OECDは、
 「ヨーロッパ経済をすでに軽度の不況に入り込んでいると判断しており、
 そのリスクは比較的良性ともきわめて破壊的な結果を及ぼすとも言われている。
 しかし、とめどない国家債務不履行、銀行の倒産、過剰な財政政策引き締めなどは避けられると見ている。
 それでも悲観的な見通しが的中した場合、
 オーストラリアは、政策金利を大幅に引き下げ、内需を刺激することでインフレを緩和しなければならなくなる。
 ただし、その場合、財政黒字復活は少し先に延びることになる」
と述べている。(AAP)


 オーストラリアはアジア地域に位置している関係で中国という親ガメに乗っている。
 ヨーロッパはアメリカという親ガメに乗っていた。
 これがコケそうになっている。
 よってふるい落されないように、必死にしがみついているのがヨーロッパの姿。
 あっちに振られコッチに振られている。
 振られるたびに青息吐息。
 EUが成立した動機は、日本という小さな島国に世界経済ナンバー2をうばわれ、危機感を感じた諸国が大同団結して生まれたということになっている。
 つまり元をただせば日本の存在が悪い、ということにもなりかねない。

 日本は先の東日本大震災で向こう10年は見通しは立たない。
 いまは小手先で何かをやる時期ではない。
 ただひたすら「じっとガマン」を決め込むしか道はない。
 これは動物的生存本能。
 傷ついた動物は決して動かない。
 ただジットうずくまって回復を待つだけ。
 それが今の日本。
 外に目をやる余裕はない。
 ただ、チョッカイだす連中には断固としてキバを向くだけ。
 外に出ていくときはキバをむいてはならない。
 そうして日本はこれまでやってきた。
 今は守りに入っている。
 よって、守りを犯すもののはキバをむく。
 それが守りの本道。
 




 <まぐろの目玉> 



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2011年11月28日月曜日

世界最大の海洋保護区計画、

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● サンゴ海のサンゴ礁=ピュー環境グループの提供写真



CNNニュース 2011.11.26 Sat posted at: 12:00 JST
http://www.cnn.co.jp/fringe/30004707.html

豪州がサンゴ海に世界最大の海洋保護区計画、範囲に批判も

(CNN) オーストラリア政府は26日までに、同国北東部に広がるサンゴ海に世界最大の海洋保護区を設定する計画を明らかにした。
広さは98万9842平方キロで、米国本土の約10分の1に相当する。

90日間にわたって一般から意見を募った後、「サンゴ海連邦海洋保護区」の設定計画を最終的に詰める。

バーク環境相は、豪州が抱える広大な海洋は、食糧、資源やレジャーの源となっているが、自然環境の持続を自明と受け止めてはならないとし、人間の一生の期間中に自然環境は悪化しえると指摘した。

サンゴ海はサンゴの宝庫とされるグレートバリアリーフを抱え、北にはパプアニューギニア、東にはソロモン諸島が位置する。
同環境相によると、サンゴ海は多様なサンゴ礁(しょう)、砂州の島、深海の海底平野や峡谷に富み、島も存在する。

各種のサンゴ、海綿動物、藻(そう)類、魚、貝やヒトデが豊富で、島は無人島が大半でアオウミガメや海鳥の産卵の場所ともなっている。

複数の環境保護団体が参加するサンゴ海の保護団体は豪州政府の今回の発表を歓迎しながらも、同海の東側半分だけを対象にするのはサンゴや海洋環境の全面保護にはつながらないと批判。
西側半分には種類が豊富なサンゴ礁が広がり、クロカジキや生態が脅かされているマグロの貴重な産卵海域になっているとも指摘した。



「私、泳げないんです」
よって、海の底は苦手。
モグリに魅せられる人は多い。
親戚の娘もその一人。
ケアンズに潜りにきて、オーストラリアンにつかまってしまった。
つかまえたのかもしれない。
家人が東京で会ったことがあるが、さすが***チャン好みのイケメンのお兄ちゃんだったのこと。
マンションの貸家住まいであった我が家はおせちを作らなかったので、正月になると近くにあるこの親戚の家にチャリンコをこいで一家総出で出かけていっておせちをごちそうになり、ニューイヤー駅伝を鑑賞して帰ってきたものである。

さて、父親は気に入らない。
なぜ、ガイジンでなければならないのか。
それが家人との話の節々に出てくるという。
母親はというと、あきらめてしまっている。
そして通称「府中のオッヤン」ことおじいさんは、
「そうか、青い目の子どもができるのか、見てみたいな」
と結構喜んでいるとか。
8月に生まれるとかいっていたが、オッチャンはもう青い目の赤ん坊に会っただろうか。
これまで、ケアンズに行くことを拒否していた父親だが、赤ん坊が生まれるとなると、イケメンの両親に挨拶にいかないといけないなと、気の重い風だったという。
さて、どうなったのだろう。

 
● NICHIGO PRESS 2012年1月号





 <まぐろの目玉> 



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2011年11月27日日曜日

アトムの足音が聞こえる:たった6人の観客

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● WIRED JAPANESE EDITION から


 ちゃんと映画館へいった。
 いつも思うのだが、この映画館には時計がない。
 映画場は8つくらいあり、その上演時間が電光掲示されるのだが、肝心の
 「今、何時?」
という時計がない。
 この地で時のことをいうのがタブーになっているかと思うほどに、時計の数は少ない。
 なにしろ個人店にも掛けられていないのである。
 普段は腕時計をしているので不便はないが今回はなにしろデジタル時計なので郵送してもらえないので、持っていないのである。
 なんともこうなると不便である。


NEWS | 映画『アトムの足音が聞こえる』公式HP » 2011 » 10月
http://atom-ashioto.jp/news/?m=201110

海外映画祭でも続々上映されています!
『アトムの足音が聞こえる』海外の映画祭でも続々上映が決まっています!

【Raindance Film Festival レインダンス映画祭】(アメリカ)
 2011/9/24-10/7(終了)
 公式HP:http://www.raindance.co.uk/site/

【Hot Springs Documentary Film Festival ホット・スプリング・ドキュメンタリー映画祭】(イギリス)
 2011/10/14-23 
 公式HP:http://www.hsdfi.org/
 上映時間:現地時間 10/18 18:00~/10/20 13:05~

【Gold Coast Film Festival ゴールドコースト映画祭】(オーストラリア)
 2011/11/2-27 
 公式HP:http://www.gcfilmfestival.com/
 上映時間:現地時間 11/27 14:00~

“アトムの足音”は海外の人には、どんなふうに聞こえるのでしょうか?
11/10/18 [火] | カテゴリー:【最新情報】


 さて、映画場に入る。
 二人座っていた。
 一人が席を探していた。
 そして私は四人目のお客である。
 その後、上映されるまでに入場したのは記憶ではニ人。
 つまり、観客総数六人である。
 これは唸るよな。
 たった、6人。
 確かにそうかもしれない。
 劇映画なら人を呼べるが、日本というローカルな地におけるドキメンタリーとなると、お客さんとしても理解の範囲を超えてしまうだろうし、最初からわからない、といったほうがいいかもしれないのだ。
 外国で、日本のドキメンターをやるということはこういうことなのかもしれない。


 まずは、オープニングから。


 そしてエンデイングを。



 効果音というのを意識することはないし、意識しないように作られている。
 よって、巷の話題になることはない。
 だが何にでも、例外というものがある。
 効果音もそうだ。
 その例外とは。
 昔、東映のチャンバラは剣戟の響きかろやかで「チャリンチャリン」と鳴っていた。
 そして、刀が振り下ろされたとき、相手の侍がドドーと倒れたのである。
 これによって切った切られたということが分かった。
 これが突如変わった。
 「バサー」というか「ズバー」というか、人斬り音、つまり肉の切り裂ける音が入ったのである。
 これは衝撃を与えた。
 切られた相手が映らなくても切ったということがわかるようになった。
 それよりも、この効果音、つまり「人斬り音」が非常に話題になったのである。
 あまりハッキリした記憶ではないが、確かこれをはじめて使ったのは五社英雄であったと思う。
 この音、ひどくリアルであった。
 もちろん、人を切ったとき、そんな音がするはずはない。
 だがイメージとして、人肉が裂ける音とはこういうものかもしれないと、はじめて聞いたとき背筋がゾクーとした。
 その後、血の噴き出る音、噴きでた血が真っ白い障子に跳ねる音、など凝った音が作られるようになった。
 今の時代劇もおなじように昔ほどハデではないが人斬り音はちゃんと使われている。
 もちろん、これは電子音ではなく擬音である。



大野松雄の公式ページ
http://www.ohno-matsuo.com/







WIRED JAPANESE EDITION 2011年6月29日
http://wired.jp/2011/06/29/%E5%A4%A7%E9%87%8E%E6%9D%BE%E9%9B%84-%E9%89%84%E8%85%95%E3%82%A2%E3%83%88%E3%83%A0%E3%81%AE%E9%9F%B3%E3%82%92%E3%81%A4%E3%81%8F%E3%81%A3%E3%81%9F%E9%9B%BB%E5%AD%90%E9%9F%B3%E3%81%AE%E6%80%AA%E4%BA%BA/

大野松雄 – 『鉄腕アトム』の音をつくった電子音の怪人

 天才・手塚治虫のヴィジョンを、シンセサイザーなき時代に具現化したもうひとりの天才、大野松雄。
 この"音響の魔術師"をとらえたドキュメンタリー映画『アトムの足音が聞こえる』のなかで、大野は、自身をあざ笑うかのようにこう洩らす。「いろいろやったけど、ほとんど適当だった」。
 この言葉の意味するところは何だったのか、監督・冨永昌敬は思いを巡らせる……。

 4月30日17時、成田空港発のコリアンエアKE2便でソウル・仁川空港へ。
 機内にて、日韓のあいだに時差のないことを思い出した。
 それによって両国間の距離の短さにあらためて思いを巡らせつつ、いまだからこそ気になる事柄に突き当たった。
 東日本大震災の二次災害として起こった福島原発事故は、さらに大気中に放射性物質を放出したことで世界の耳目を騒がせている。
 そのさなか日本在住の日本人監督が隣国の映画祭に参加するというのは、たとえ「アトム」(そして妹ウラン)という厄介な名前に目をつぶってもらったとしても、やはり居心地のよいものではない。
 きっといろいろ訊かれるだろうと憂鬱な気分でたどり着いた全州市はすでに深夜であり、空腹に抗えず繰り出した夜の食堂街では、読める文字の一切ないメニューを前にして、なんだか無性に心細くなった。
 ところが意外にも、懸案の一件に関しては、ホテルのエレベーターで現地青年から恐る恐る「東京はデンジャラスですか?」と訊かれ、笑顔で「ノー」と答えたその一度きりであった。
 これには大変ほっとしたものであった。

 翌5月1日、全州国際映画祭での公式上映は満席となったが、観客は予想外に若かった。
 『鉄腕アトム』はこの国でもよく知られていると聞いていたが、わが国における「アトム」世代は50代の中年層であって、たとえば35歳のぼくなど、手塚治虫×大野松雄の「アトム」ではなく、むしろ、それぞれの弟子である藤子・F・不二雄(原作)×柏原満(音響効果)による『ドラえもん』を見て育った世代である。
 監督のぼくですらこの次第だから、この日の若い観客たちが「Astro Boy」の「Foot Steps」の物語にどこまで興味を抱いてくれるものか、正直なところ不安ではあった。

 白状しておくが、このぼくにしてからも、この映画を撮るまで「アトム」についてまるで関心がなかった。
 テレビ放映時(1963〜66年)にぼくは生まれておらず、現在まで特段アニメファンであったこともないので、ビデオ等で後追いに見るなどもしていなかったのだ。
 しかし、あのスタンリー・キューブリックが『2001年宇宙の旅』を撮る際、美術監督として手塚を呼ぼうとしたという逸話は素敵である。
 キューブリックは漫画ではなく、アニメ版「アトム」を見て手塚を知ったのだという。
 ということは、キューブリックは大野松雄が作り出した未来の音を聞いていたということになるではないか。
 大野が音響で表現した「未来」と「宇宙」が、『2001年〜』に何らかの影響を与えたかもしれないという憶測は僕を大変わくわくさせたし、またこれは、「アトム」を知らないぼくが「アトムの足音を作った男」にキャメラを向けるのに十分な動機となったのだ。

 大野松雄は日本の、とりわけ映像分野における音響効果に大きな足跡を刻んだ人である。
 齢81を数えるいまも現役の「音響デザイナー」であり、一昨年には初のコンサートを開いて、あらためてぼくたちの耳に音のゆらぎの可能性を教えてくれた。
 映画『アトムの足音が聞こえる』が、大野松雄という異能の表現者がもたらした未来と宇宙のイメージの源泉を探すドキュメンタリーであるからには、それは20世紀の人類の繁栄志向の向かう先が宇宙であったことにも、いずれ結びつくかもしれない。
 宇宙とは、未来とは、ぼくらの知らない世界であって、そこで聞こえるのは、きっとぼくらの知らない音であるはずだ。
 大野は、その誰も知らない音を探求した。
 そして彼は、彼自身の追い求める音を「この世ならざる音」と呼んだことで、図らずもその後半生をぼんやりながら規定してしまった。
 この世ならざる音を、いかにこの世で表現するか。しかしこの語義矛盾を、大野は驚くべき発想で乗り越えてきたのである。

 といっても、大野は決して愚直な求道者などではない。
 種を明かせばなんてことのないユーモア溢れる手段で、ある意味、人を騙すようにして未来と宇宙のイメージを提起した。
 世に名高い「アトムの足音」さえ、マリンバの音をテープレコーダーでスクラッチして生み出したというから、方法そのものは珍しくもなんともない。
 それらは当時としても、ありふれた楽器と録音機材だったわけだし、単にその音を出すだけなら誰にでも可能だったろう。
 しかし、そんな音を大野は、ぬけぬけと「未来のロボットの足音」に見立て、番組視聴者の全員に信じ込ませてしまったのである。
 実に、あの足音を聞いて「マリンバの音だ」と見抜いた人など皆無だったのではないか。
 ぼくは大野松雄の、こういう大胆不敵な仕事ぶりのなかにのぞかせる「軽さ」というものに強く共鳴する。

 さて、この日の全州での上映は、事前の心配をよそに盛況であった。
 とりわけ大和定次さんの登場シーンでは予想外の笑いが起こった。
 大和さんはNHK東京放送効果団における大野の同期生であり、以来50年余にわたって同局の、主として『太閤伝』『独眼竜政宗』といった大河ドラマに携わってきた音響効果の重鎮である。
 ひとつの鳥笛を巧みに使いこなし、さまざまな鳥の鳴き声を表現するその歌舞伎伝来の技術はまさに職人芸であり、若い観客たちは彼の生み出す愛らしい鳥のさえずりに頬を緩ませ、挙げ句、思わず声をあげて笑い出したというわけだ。
 大和さんは昨年末に亡くなられた。
 すでに感想を述べる体力は残っていなかったそうだが、病床でこの映画の初号版DVDを楽しんでいただけたというのは、奥様の談である。

 質疑応答では、熱心な観客からいくつかの興味深い質問を受けた。
 ひとつ目は若い女性から、なぜドキュメンタリーを撮ったのか、というものだった。
 理由なんかどうでもいいじゃないかと答えたい質問だ。
 とにかくぼくはドキュメンタリーというものを撮りたかっただけなので、これには膝がカクンと折れそうになった。
 しかしその女性は、どうもぼくの『パビリオン山椒魚』などを見てくれており、冨永というのは、ああいう虚構の度合いの強い劇映画を好んで撮る監督だと思っていたので、事実を取材する映像作品を撮ったことが意外なのだという。
 つまりぼくというやつは、でたらめな表現を映画に投入して憚らない監督と思われており、これまでシュールだとか、でたらめだとか、散々なお言葉を浴びつつ映画界の末席にしがみついて生きてきたわけだが、べつにぼく自身は好んで「でたらめ」をやったわけではなく、映画の面白さの充実のために構造や形式に拘泥するうちに、よくも悪くも、それが結果的に作風であるかのように見なされてしまっただけなのだ。
 まあ、よくぞ臆面もなく自己評価したものだが、だいたいこんな感じだろう。
 3代前の首相が
 「私は自分のことを客観的に見られるんです。
 あなたとは違うんです」
と記者に吠えて顰蹙を買ったが、ぼくは彼の言葉に心から同情したものだ。


● 映画『アトムの足音が聞こえる』のハイライトのひとつといえる、2009年に草月ホールで催された大野のライブパフォーマンス。
 公演のタイトルは、「大野松雄〜宇宙の音を創造した男」であった。

 次に教師だという若い男性が、この映画を生徒に見せたいと言ってくれた。
 ともかく、何らかの教材的な価値を見出してくれたのは願ってもない幸甚であった。
 この映画の主たるターゲットはアトム世代のお父さんたちかもしれないが、むしろぼくは、彼らの子どもたちにこそ見てほしいと思っている。
 そしてナレーターに野宮真貴さんを起用したというのは、要するに彼女の役どころを「女性教師」と仮定し、噛んで含めるがごとき平易な言葉で少年少女をナビゲートしてもらいたかったからだ。
 それに加えて、年配の男性ばかりが登場するこの映画において、野宮さんのような秀麗な女性がたとえ声だけでも出演してくれた意味は大きい。
 何しろぼくは、本来が劇映画の監督なのだ。
 女優さんのいない映画など、撮るに堪えられなかったのだ。
 もし野宮さんが出演してくれなかったら、ぼくは病気になっていただろう。

 最後に、アニメの音響について勉強しているという男子学生からの質問。
 そのものズバリな若者がいったいどんな感想を述べるのかと期待したら、かなり丁寧に思うところを披露してくれた。
 仔細は省略するが、要するに、「あの音」を新しいとは思えない、と彼は言うのだ。
 これは貴重な指摘だった。
 なぜなら大野松雄は、決して新しいことをやった人物などではないからだ。
 やったもん勝ちの時代に、確実に「やった」のが大野なのであって、そのすごみとは、そういった思考、発想の柔軟さのことなのである。
 例えば彼に関して「未来を知る先見の明をもった賢人」みたいに説明しても、面白くもなんともない。
 いや、ある種の賢人なのかもしれないが、それは彼が、彼自身の人生の何事にも拘泥せず、ひたすら「プロフェッショナル」であることに唯一の居心地のよさを見出してきた人であることを知って、ようやくそう呼ぶことができる。
 自意識と客観的評価のあいだに生まれるギャップをあざ笑うかのように大野は言う。
 「いろいろやったけど、ほとんど適当だった」
……なるほど、これは「アトム」のことを指しているのかもしれない。
 彼にとって「アトム」は、単なる一個の仕事にすぎなかった。
 しかし適当にやった仕事が思わぬ評価を呼び、大野松雄は伝説化してしまったのだ。

 完成したこの映画を見た大野は、「これでまたぼくは伝説になっちゃったな」とだけ嘯いたらしい。
 あまりに彼らしくて、ぼくは笑ってしまった。
 いつだったか今後の予定を聞いてみたとき、「まあ、神様との1年契約だから」と彼は答えた。
 先は長くないから、まあ、やりたいようにやるよ、という意味だろうか(しかしお元気な人なのである)。
 そしてぼくは取材時を振り返るほどに、ますます彼に共鳴していくのを感じる。
 プロとは何か、仕事とは何か、大野は饒舌に答えるが、しかし「音」については、「何だかよく分からない」らしい。
 なにしろ彼は、不要と知れば音を捨てることも辞さないのだ。
 大野自身が制作したいくつかのドキュメンタリー映画を見れば、その音響の、気抜けするほどの質朴さに気づくだろう。
 ぼくが最も驚き、最も彼を尊敬した点というのは、それなのであった。

大野松雄:
 音響デザイナー。1930年東京都生まれ。
 文学座、NHKを経て、53年からフリーランスの音響クリエイターに。
 TVアニメ『鉄腕アトム』の音響デザインを手がけたほか、『惑星大戦争』(77)、つくば’85など多数の映像・空間音響に携わる。

TEXT BY 冨永昌敬:
 映画監督。1975年愛媛県生まれ。
 主な監督作品に『パビリオン山椒魚』(2006)、『パンドラの匣』(09)、『乱暴と待機』(10)など。
 初のドキュメンタリー作品『アトムの足音が聞こえる』は、先日までユーロスペースにて公開された。


 この作品をどのような動機で見るかは観客の問題だが、私は技術としての「音」の出し方を見にいったつもりである。
 擬音だとか電子音だとかのテクニックというものに惹かれてのことである。
 オープニングはそういう方向で動いていく。
 が、大野松雄が登場するにいたってそれは現在の彼の活動、社会福祉の場での彼のコミットメントへと変わっていく。
 見る方は中だるみになる。
 社会問題のドキメンタリーを見に来たわけではない。
 何か逃げがなかったか。
 最後の最後まで「音」にこだわってほしかったという不満が渦巻く。
 なんとなく、中途半端で終わってしまった、そんな気分がしている。


 これで「Cool Japan Gold Coast」も終わった。
 買ったチケット7枚。
 鑑賞した映画4本。
 楽しませてもらった一週間であった。
 
 最後に「2011 ゴールドコースト映画祭」の宣伝フィルムを。


スマートフォンは「白物」:誰でもが簡単に作れるシロモノ

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● アップルとサムスン



 いま世界各地でくりひろげられている訴訟合戦。
 スマートフォンはサムスンの稼ぎ頭。
 これが販売できないとなると、屋台骨にヒビが入ってくる。
 サムスンは必死だろう。
 韓国製の製品はベースがパクリになっていると言われている。
 アップルが出すと、それをすぐにコピーして安価な製品を作り、アップルの販売ブームに乗って売りまくるという手法。
 今回はあんあまり早くパクったので、外観がほぼそっくりになったためデザイン盗用で訴えられてしまった。
 それがきっかけで、あれもこれもの、あちらでもこちらでもと世界各地での訴訟合戦に発展していった。


NICHIGO PRESS 2011年11月26日
http://nichigopress.jp/ausnews/businessnews/31287/

アップル対サムスン、タブレット携帯前哨戦
サムソン、販売禁止命令撤回の訴え

 アップル社は、各国でサムソンのタブレット型携帯端末新製品を特許権侵害として販売差し止め請求を出して認められているが、これに対してサムスン社も差し止め命令破棄の訴えを出した。

 アップル社は、オーストラリアでも10月にサムスン社のタブレット型携帯端末ギャラクシー・タブ10.1に対して販売差し止め請求が認められている。
 アップル社弁護士、スティーブン・バーリー氏は、3人の判事で構成される連邦裁判所法廷で、サムスン社の製品は、アップル社のiPad2に関連する技術特許を侵害していると陳述、サムスン社のギャラクシー・タブ発売により、アップル社は損害を受けるとしている。

 ギャラクシー・タブは、販売禁止になる前には全国600店で発売する予定になっていたが、オーストラリア国内でのギャラクシー・タブ10.1販売に対して、アナベル・ベネット判事は、サムスン社は、アップル社のタッチ・スクリーン特許を侵害しているとの証言から、同社の請求を認めていた。

 これに対して、連邦裁のドウセット、フォスター、イエーツの3判事が販売禁止命令撤回を支持した場合、その決定をベネット判事に差し戻すか、新たに判決を下すかのどちらかになる。
 バーリー弁護士は、
 「金曜日たった1日で証言聴取を済ませるというのは、証拠資料の膨大さを考えれば、『美術館を駆け足で見て回る』ようなものだ。
 3判事は、ベネット判事が、サムスン社の製品がアップル社の特許を侵害していると認めた根拠を脇に追いやることはできない」
と発言している。
 一方、サムスン社のニール・ヤング弁護士は、サムスン社の製品とアップル社の製品の違いを概説し、タッチ・スクリーンが指の動きを処理する方法さえ両者に違いがある。
 アップル社の製品は、動きの角度を基準にして不完全な指の接触を処理しているが、サムスン社の製品は、縦横各1チャンネルを使って処理している。
 つまり、両社の製品では同じ指のアクションで異なるコマンドを呼び出す。
 サムスン社の製品は、どのコマンドが指示されているかを判断するのに角度を用いていない。
 また、タブレット型携帯端末は、エーサー、東芝、モトローラなど数社が競合しており、急成長市場で、サムスン社は製品の革新を進め、市場を推進しているが、現在は差し止め命令のため立ち往生している、と語った。

 連邦裁の判断は来週早くに出る予定。


 韓国はまだこれだという手持ちの技術をもつにいたっていない。
 そのため、どうしてもパクリに走る。
 パクられたほうは長い間、基礎研究に資金投入してやっとものになったと思ったらパクラレたとなると怒り心頭になる。

 でも思うに、あんな小物にああでもないこうでもないと権利を主張してもしかたがない。
 誰でもが簡単に作れるもの、それがスマートフォンであってもいいはずだと思う。
 昔、IBMはパソコンの仕様を公開して、それにより誰でもが部品を買って組み立てることができるようになった。
 それで一気にパソコンが普及した。
 そしてそれがインターネットの隆盛へと導いた
 日本では完成品としてメーカーのパソコンを買うことが当たり前だと思うが、ここではパソコン屋があって半値ほどで組み立てたパソコンを買うことができる。
 私も、いちどそこでエラク安い組み立てパソコンを作ってもらったことがある。
 手持ちのパソコンが壊れたので、こことここの部品は古いのを転用して、他はオニューでと注文をつけて作ってもらった。
 この最初のパソコンも組み立てパソコンだったのであるが。

 そういう流れを観ていると、スマートフォンも同じではないかと思う。
 個人が組み立てるというわけにはちょっといかないが、ある仕様であれば、どのメーカーが作ってもいいというシロモノだと思う。
 アップルを持ち上げる人もいるが、確かに先進的な商品を作りはしたが、独占化するほどのシロモノではない。
 ハッキリ言えば、家庭電化製品と同じ「白物」ということである。

 世界各地で繰り広げられているこの訴訟合戦。
 「シラーッツ」と冷静にみると、いっときの時代経過の足あとかもしれない。
 まあ、勝手におやりなさい、大勢に影響なし、といったところのものになるような気がする。



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 あれから5日
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 「誰でもが簡単に作れるもの、それがスマートフォン」などと書いたが、実際シャープはそれ用の部品を作って売り始めた。
 誰でもが簡単に作れる時代はすぐそこに来ている。


ファイル・ウェブ編集部 2011年12月01日
http://www.phileweb.com/news/d-av/201112/01/29906.html

スマホなどモバイル機器向け
シャープ、業界最薄5.47mmのスマホ向けCMOSカメラモジュール - 光学手ブレ補正も搭載

 シャープは、スマートフォンなどのモバイル機器向けに、業界最薄5.47mmのCMOSカメラモジュール「RJ63YC100」を開発、12月2日よりサンプル出荷を開始する。
 サンプル価格は12,600円(税込)。

● RJ63YC100

 「RJ63YC100」はオートフォーカス付の光学式手ブレ補正機能を搭載した1/3.2型・1,210万画素のCMOSカメラモジュール。
 モジュール内部のレンズを制御するレンズシフト方式の採用と、独自の高密度実装技術により、業界最薄サイズを実現したという。
 静止画撮影はもちろん、フルHD動画撮影にも対応している。

【問い合わせ先】
シャープ
電子デバイス事業本部
センシングデバイス事業部
企画部
TEL/084-940-1225


 ケースとタッチパネルと幾つかの部品を買ってきて、アンドロイドをダウンロードすれば、
 自家製スマートホン、一丁あがり
てな時代がすぐそこに来ている。
 誰でも作れるスマートホン、時代は本当に速く動いている。



ウォールストリートジャーナル 2011年 12月 2日 16:24 JST
http://jp.wsj.com/Business-Companies/Technology/node_354112

豪最高裁、サムスン電子のタブレット端末販売差し止め延長

【シドニー】オーストラリア連邦最高裁は2日、韓国のサムスン電子のタブレット端末「ギャラクシータブ10.1」の国内販売差し止め処分を少なくとも1週間延長する判断を下した。


AFP/Getty Images

 サムスンにとってはクリスマス商戦の大事な時期に少なくともあと1週間同端末の販売ができないことは痛手となる。

 サムスンは11月30日、オーストラリアでのタブレット端末の販売差し止め仮処分取り消しを求める控訴審で、仮処分を覆す判決を勝ち取っていた。

 アップルには、今月2日までの判決執行停止が認められた。
 アップルは控訴審での判決に対する上訴、および販売差し止め措置の再導入を求める申し立てを最高裁に提出した。

 キャンベラの最高裁の報道官は、最高裁は今月9日にアップルによる申し立てに関する審理を行う予定だと明らかにした。
 報道官によると、この審理実施まで、ギャラクシータブ10.1の販売差し止め措置が延長される。

 サムスンは2日、アップルの「申し立てには根拠がない」とし、最高裁で激しく反論する意向だとする発表文を出した。

 アップルの広報担当者は、販売差し止めの延長については具体的なコメントを行わない見通し。

 サムスン電子は、アップルのタブレット端末「iPad(アイパッド)」のデザインを模倣したとしてドイツでもタブレット端末の一部機種の販売を禁じられている。
 アップルは今週、ドイツの裁判所に対し、サムスンが欧州連合(EU)全体の禁止条項をすり抜けるために設計を修正した機種についても販売を禁じるよう申し出た。

 アップルはサムスンのギャラクシータブ10.1は13項目で特許違反があると主張している。
 オーストラリアの連邦裁判所での最終審理では当該13項目全部について調査されることになるが、現在科されている一時的販売差し止めは2つの特許に焦点を絞っており、いずれもタッチスクリーン技術に関連するもの。

 最終事情聴取の日程はまだ決まっておらず、数カ月先となる可能性もある。


 やり方が汚く、サムスンがかわいそうに思えるが。
 パクリはパクリだから、そうも言っていられない。
 小手先の技術のみに終始することのむなしさを感じてしまう。


2011年12月09日10時12分 [ⓒ 中央日報日本語版]

豪裁判所、アップルの上告を棄却…サムスンが最終勝利


アップルがサムスン電子のタブレットPC「ギャラクシータブ10.1」の豪州販売を認めた控訴審判決を不服として起こした訴訟で、豪連邦最高裁は9日、アップルの上告を棄却し、サムスンに軍配を上げた。

  裁判所がアップルの上告を棄却したことで
 豪州での「ギャラクシータブ10.1」の販売が可能になった。



 <まぐろの目玉> 



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2011年11月26日土曜日

緑子:大いなるミステイク

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●  「MIDORI-KO」のチケットとCool Japan Screening Program



 「おっつ」と気がついたら3時。
 チケットを取り出して調べてみたら、上映時間はなんと午後1時。
 もう終わっている。
 おおいなるミステイク、であった。
 チケットが死んだ。
 12ドル、日本円だと千円くらいになる。
 人生いろいろある。
 ちょっとオーバーな、たかだか千円で。
 でも日本映画だからな。

 今日は3本立てで、「緑子」のあとは、「ガンツ」と「ガンツ パーフェクトアンサー」の2本が続く。
 ところが、ガンツの2枚はともに人に回していたので、今日は50分の1本立て。
 ゆっくり見てこようと思って気が緩んだのが間違いのもと。
 上映時間の感覚まで緩んでしまった。
 こういうこともあるさ。
 でも「ガンツ」のチケット2枚は無駄にはなっていない。
 不幸中の幸い。






緑子メイキング
http://vimeo.com/28757347




 明日は最後の一本で午後2時開演である。
 まちがえないようにしないといけない。




 <まぐろの目玉> 



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十三人の刺客:昔なつかしモノトーンの時代活劇

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● 十三人の刺客



 次は唯一の時代劇「十三人の刺客」。
 楽しみにしていたチャンバラ。
 暗い、といっても内容ではない。
 前半はロウソクとあんどんの明かりのシーンが多い。
 女性は芸者と村の住人を除けばチラリとたった三人。
 昔、黒澤明の作品だったか女性がまったくでてこないという映画があったが。
 からみのシーンもないのでストーリーがスムースに運ぶ。
 そのかわり派手さがまったくない。
 女性が出ると衣服だかがやたらとハデでカラーが生きてくるが、ほぼ女なしだとモノクロトーンでいい。
 強いて色を探せば、火事と血の色くらい。
 前半はゆっくりと、流れていく。

 そして、戦闘シーンへ。
 ウワー、というほどのすごさ。
 迫力満点。
 次から次へと活劇がくりひろげられる。
 なにしろ「13人対200人」。
 そして「200人みなごろし」をテーマに斬って斬って斬りまくるのである。


● 中央、役所広司が広げている巻紙に「みなごろし」と書いてある

 一人も生かさない、というのが掟。
 斬っても斬っても減らない。
 計算すると一人15人は殺さないといけない。
 これは過重なノルマである。
 相手のトップ一人をやれば終わりという戦闘ではない。
 なにしろトップを含め全部を殺すことが目的。

 論理的には目標はただ一人に過ぎない。
 よっていかにその一人を倒すかが計略の為すところになるはずなのだが。
 通常は「雑魚には目をくれるな目標は唯一人」になる。
 ところが、ストーリーではこのトップを生かし続けて、200人目にはじめてトップがやられるという筋書きになっている。
 知略を用いていかにトップを殺るか、というのもおもしろいが、このように皆殺しをドンーと筋に据えるのもおもしろい。
 なにしろ200人相手の13人だから、次から次へと止まらずに活劇シーンが展開される。
 タイムウオッチで計ったわけではないからなんともいえないが、映画の半分はチャンバラシーンではなかったのか。
 最近は「制作費数十億円 空前のスケールで描く」といったキャッチフレーズが多いが、
 「出演者213人、空前のミニ形式で描く」最高の戦闘シーン
というのもなかなかオツなのもの。
 チャンバラシーンだけ観ても元がとれます。


 さて、このチャンバラロケ地、庄内映画村というところ。

庄内映画村オープンセットについて
http://www.s-eigamura.jp/html/set.html#aboutc



 庄内映画村オープンセットは、映画の撮影のために建てられたセットを、そのまま保存して一般公開している撮影所です。
 月山山麓に位置する88ヘクタール(26万4千坪/東京ドーム20個分)という広大な敷地をもつオープンセットで、数々の映画やTVドラマ等の撮影を行っています。
 この壮大なオープンセットを撮影のためだけではなく、映画の舞台をより多くの方に楽しんでいただきたいと考え、2009年9月12日より一般公開を開始いたしました。

 現在、漁村・農村、宿場町、山間集落などの撮影セットがあり、今後いくつかのセットが出現していきます。
 日本一のオープンセットを目指して、第1フェーズ、第2フェーズ、第3フェーズと段階的に施設の充実をはかり『サムライ・ワールド』プロジェクトとして進めています。

また、支援映画の撮影資料を展示する「庄内映画村資料館」(オープンセットから車で約20分)もございますので、ぜひ併せてご見学ください。




【来村される際の注意事項】
● 大自然の中の施設なので、自然発生する虫や小動物からの被害等については責任をおいかねます。
● スニーカー等歩きやすい足元でおいで下さい。
● オープンセットでの撮影時や修復工事等の場合は入場制限する場合があります。
● 撮影に配慮し舗装はしておりません。足元が悪い箇所が多く、歩行については十分配慮願います。
● 山間部に造作されたセットですので、平地との気温差に予めご配慮願います。
● 悪天候や災害等の諸事情によりクローズする場合もございますので、当社のホームページをご覧いただくか、事前にお問合わせ下さい。
● 指定された場所以外での喫煙はご遠慮願います。
● オープンセット内への食べ物の持ち込みは禁止いたします。
● 村内周遊バスの乗車について、乗車人数に限りがありますので、お待ちいただく場合がございます。
● 映画の撮影中は、村内周遊バスの運行時間を調整する場合がございます。
● ペット同伴での入村は可能ですが、周遊バスや各エリアの施設内へは入場できません。
● 撮影時の俳優等への写真・ビデオの撮影(カメラ付き携帯を含む)はご遠慮願います。
● 立ち入り禁止区内には絶対に進入しないで下さい。
● エージェント・ツアー企画関係者の見学等については事前に相談いただき別対応とします。
● アクセスはこちらへ ⇒ 交通アクセス

● よくあるご質問はこちら
http://www.s-eigamura.jp/html/faq_set.html

 お問い合わせ
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庄内映画村オープンセット
〒997-0131 山形県鶴岡市羽黒町川代字東増川山102
TEL:0235-62-2134 (お問合せ専用ダイヤル)





 <まぐろの目玉> 



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星を追う子ども:筋が二本ある

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● 映画館前の飾り付け


● 「星を追う子ども」は 2011 Gold Coast Film Festival の目玉


● スポンサーリスト


 昨夜は映画にいった。
 ゴールドコースト映画祭のメインフィルムである「星を追う子ども」。
 そして日本人にとってはなんとも楽しいチャンバラ時代劇、「十三人の刺客」の二本立て。
 どちらもお客さんは百人ほど。
 三百人弱くらいは入れる映画館だからガラガラといっていいだろう。
 2つを比べると「十三人の刺客」のほうが少し多いように感じた。
 また、「星を追う子ども」の開始時間は午後7時、それに金曜日である。
 なら子どもたちが多くいていいのだが、ほとんど子どもの姿はなかった。
 端的にいって、アニメにひかれるのは、子どもではなく高校以上の若者のようである。
 アメリカンアニメは興隆している。
 通常、3Dのグラフィックス。
 でも、日本のアニメのようにセル画はあまり子どもには受けないようだ。
 
 まずは、「星を追う子ども」から。


 宮崎駿の「トトロ」風に始まる。
 トトロでは引越しのとき、荷物を運ぶのにオート三輪が出てくる。
 それも昔懐かしいバーハンドル(ヘの字ハンドル)のヤツ。
 この映画でも踏切を渡ってオート三輪がとことこやってくる。
 でもこれ、確か丸ハンドル時代のダイハツのオート三輪だと思う。
 メルフェンチックな物語かなと思う。
 が突然、鉄道橋の上に古代怪獣が出現する。
 なんだ、コリャ。
 さらには、丘の突き出し岩に最新型攻撃アパッチ・ヘリがあらわれ、機関銃をぶっ放す。
 それもこの相手にしているのは怪獣ではない、人だ。
 まるで話がメチャクチャ。
 何なんだ、これは。
 これは果たして見る価値があるのかと逡巡する。
 実際そう思った人も多かったようで、ダメだと思って席を立った人が3人ほどいた。
 この気持わかるような気がする。
 これが前置き。
 物語はこれから入っていく。
 新海さんに悪いが正直いって、この前置きは決してほめられたものではない。
 人を引きつけない。
 
 ストーリーを引っ張るのは学校の先生の意志力。
 なくした妻を生き返らそうという決意で地下へ入っていく。
 古事記のイザナミ・イザナギ物語と同じストーリーをアニメでいく。
 なら、少女はなんで。
 つまり、「なんでこの少女は星を追うのだ
 こうある。



 「私はもういちど、あの人の声が聞きたいんだ
 ただこれだけで黄泉の国へ足を踏み入れようとするのは説得力がない。
 行動するに値するインパクトがない。
 そのため、少女はズルズルと先生に引っ張られるがごとく、ほとんど考えることもなく一緒についていってしまうような感じを与える。
 実際に、ストーリーの中でこの少女はあの人にも会っていないし、声も聞いていない
 「声がききたいんだ」、という行動動機が何か非常に曖昧に終わってしまうのである。

 この物語は冷静に見ると先生が主人公である。
 少女はそれにアニメ的彩りを添える脇役でしかないのだ。
 その脇役のシーンを子供向けを意識しているのだろう、ふんだんに取り入れている。
 ために、筋が二本あるような、変な錯覚に陥ってしまう。
 いったい、この物語の主筋は何だろう。
 何を言いたいのだろう。
 そんな気分を持ちながら要領を得ないままでフィナーレを迎えてしまうことになる。
 
 千と千尋のときの水の映像がスゴクきれいであった。
 「うまいな」と感心した。
 新海さんは空の扱い方が上手。
 そういえばノルウエイの森では空を撮さないと言ったが、このアニメは空でもっている。
 だから「星を追う」。
 映画というのはいろいろ撮り方があるものだと思う。
 アニメの画像はいいですよ。
 これからがもっともっと期待できる。


 私は新海誠の他の作品、『雲のむこう、約束の場所』、『秒速5センチメートル』は見ていない。
 「星を追う子ども」が最初の映画。
 もしチャンスがあったら、この2作品も是非みたいと思う。




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2011年11月25日金曜日

「ポーキー反対派にいじめられている」 ウールワースが主張

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● 独占スーパーマーケット Woolworth



NICHIGO PRESS 2011年11月24日
http://nichigopress.jp/ausnews/politics/31057/

「ポーキー反対派にいじめられている」
株主総会でウールワースが主張

  国内スーパーマーケット独占企業の1社ウールワースは、全国に300近いホテル(パブの意味)を経営しており、11月24日には、連邦政府の「強制ポーキー賭け金制限制度」法案の批判に加わったが、即日、「ポーキー反対派からいやがらせを受けている」と声明を出した。
 
 シドニーで開かれた株主総会で挨拶したジェームズ・ストロング会長は、
 「当社は、よく調査し、賭博中毒者を助ける真の解決策となるなら、
 ポーカー・マシン改革を支持するが、
 強制賭け金制限制度は、何の問題もなく、楽しみで適度にプレーする客の楽しみを妨げるものでしかない。
 しかも、問題を抱えた賭博中毒者を助けることができるという証拠はまったく見つからない。
 労働党政府は、アンドリュー・ウィルキー無所属議員との取引で、賭け金と配当の高いポーカー・マシンで遊ぶ場合にはいくらまで賭けることができるかを予め設定しなければならない制度を実施しようとしている」
と語った。
 ウールワースは、ALHグループの投資を通して294軒のパブを経営しており、そのうち249軒に賭博機械が備えられている。
 ストロング会長は、
 「ALH所有の店は、パブまたはクラブの賭博施設としては約4%を占めるだけで、賭博機械の台数でも全国の約6%を占めるだけ」
と語っている。
 ALHは、政府提案と似た制度だが、政府案の「強制」と違って個人の任意で上限を設定することができる制度を支持している。
 ストロング氏は、
 「当社は、賭博中毒者を助ける様々な取り組みをしてきた
と語っている。

 ポーキー改革派は、ウールワース株主総会を標的にしており、取締役会に62,000人の署名を提出する計画を建てており、連邦議会上院のニック・ゼノフォン無所属議員やオンライン社会政治運動団体GetUpのサイモン・シェイク全国理事長も株主総会に出席している。
 ゼノフォン議員は、AAPのインタビューに答え、
 「ウールワースはその言葉とは裏腹に国内で最大のポーキー機械所有者だ
 皮肉なことに、ウールワースの所有する賭博機械に金を注ぎ込んだために、ウールワースで食料を買うこともできない人達がいる」
と語っている。(AAP)


 ウールワース(Woolworth)といえばオーストラリア・ナンバーワンのスーパーマーケット。
 一時代前の日本のダイエー、あるいはイトーヨーカドー、春日部ならサトーココノカドーみたいなもの。
 それがポーキー反対派にイジメにあっているという。
 理由は「賭博中毒」に手を貸しているというわけ。

 さて、ポーキ-(あるいはポーキー・マシン)とはなんぞや、ということですが、wikipediaから。


 初めてのビデオスロットは、1970年代後半、ちょうどビデオゲームが産業として華々しく発展していた時期に登場し、最先端のハイテクノロジーを駆使したゲーム機として注目を集めた。
 
 2000年前後頃になると、コンピュータ技術も格段に向上し、高度なコンピュータグラフィック表現を用いたボーナスゲームなど、ゲームの魅力を高めるフィーチャーにその能力が発揮されるようになってからは人気が高まり、カジノを席巻するまでになった。  
 ビデオスロットは、また、リールマシンでは無理があるようなペイラインの設定などでも、グラフィックによる自由度の高い表現力で克服できるとして、1回のゲームによりたくさんのお金をかけることが出来るような作りにし易かったという点も、現在の隆盛を見る要因の一つと言える。

 ビデオスロットにおいては、本来は「ポーキーマシン(pokie machine)」と呼ばれるオーストラリアのレギュレーションに沿うための仕様である、トランプのランクを示唆するA(エース)、K(キング)、Q(クィーン)、J(ジャック)、10(テン)の文字シンボルを含む5リールのビデオスロットのスタイルが、オーストラリアの有力なスロットマシンメーカーの台頭とともに、北米などオーストラリア以外の市場でも広まっている。




 遊びとしては日本のパチンコみたいなものですね。
 パチンコに熱中して、車に置き去りにした赤ん坊が熱中症にかかったというようなニュースはたびたびみかけます。
 これはどちらかとおうと若い人。
 ポーキーに熱中するのは年金ぐらしのお年寄り。
 支給された年金をすべてポーキーにつぎ込んで、その日暮し人なる老人があとをたたないのが現状。
 
 街中の大きな酒屋の横にだいたいあるのが「TAB」。
 日本でいうWINS(場外馬券売り場)のようなもので「TAB(ティー・エー・ビー)」といわれています。
 いわゆるオーストラリアの政府公認のブックメーカー(いわゆる賭けの胴元)。
 ここに置かれているのが、ポーキーマシン。



 ワインを買ったつでにTABに入り、丸椅子に座ってちょっとヒマつぶし。
 通りを歩いていて看板に「GAME」と書いてあるところがある。
 テレビゲームかなと思ったら間違い。
 このゲームがポーキーである。

 酒屋だけでなく、ローンボールのクラブハウスやレストランやいろいろなところに置いてある。
 日本ならさしずめ自動販売機みたいなもの。
 壁の片隅に2,3台おいておけば、それだけで店は儲かる仕組みになっている。

 サイトから抜粋で。


ゴールドコースト勝手に配信所 2008/12/31
http://australiagc.blog28.fc2.com/blog-entry-116.html#



 キラキラ輝くスクリーン。
 陽気で賑やかな効果音。
 今回の『雑学帳』は、『ポーキー』 - いわゆる、オーストラリア版スロットについて。
 年末年始およびクリスマスは、結構大当たりが出ると言われています。

 カジノはもちろん、オーストラリアではバーやホテル、ソーシャル・クラブでもお馴染みのお手軽ギャンブルマシン。
 18才になったばかりの子供から、おじいちゃんおばあちゃんにも人気の娯楽ですね。

 日本のパチスロでも馴染み深い『スロットマシン』ですが、元々は1890年代にニューヨークの酒場などでそのプロトタイプ的な娯楽機器が流行ったのが始まりだそうです。
 今ではどの国のカジノでも楽しむ事ができますが、日本を除けば、アメリカ発祥だけあって英語圏の国で特に多く見られるとか。
 ちなみに『ポーキー(Porkie)』というオーストラリアでの愛称は、『ポーカー・マシーン(Poker Machine)』をもじった呼び名です。

 さて今回の質問は、「オーストラリアのポーキーは、世界の主要国にあるスロットマシンの何パーセントを占めているか?」ですw
(A) 1% 未満。
(B) 5% 程度。
(C) 10% 程度。
(D) 20% 以上。
 いきなりこんな事を聞かれても回答しずらいですかね?

 ではオーストラリアの対比人口を参考にしてみて下さい。
 下の表はオーストラリアと、スロットマシンが比較的に多く普及していると言われるアメリカ、イギリス、日本のおおよその人口などをリストアップした物です。
 右の数値は、それらと比較したオーストラリア人口のパセンテージを表しています。



 さあ、世界人口のおよそ 0.003% しか占めないオーストラリア。
 果たしてスロットマシンの台数は世界の何パーセントに及ぶのでしょうか?
 気になる答えは明日水曜の夜、お明かし致します


【答え】
 さあ少し古い資料になりますが、答えはオーストラリア賃金生産委員会(Australian Productivity Commission: 通称APC)が1999年末に発行した『オーストラリアのギャンブル業界(Australia's Gambling Industries)』というレポートから抜粋してきました。

"Australia has about 185 000 gaming machines, over half of which are in New South Wales. Data provided to the Commission since the draft report, together with other information, suggest that this amounts to about 20 per cent of the number of broadly comparable machines in the world."

 "オーストラリアにはおよそ18万5000台のゲーミング・マシン(スロットの事)があり、その大半はニュー・サウス・ウェールズ州に置かれている。
 当レポートの作成に当たり委員会に提供されたデータと、その他の資料を掘り下げると、この数は世界中にある同様のマシンの約20パーセント以上に相当する事を示す。"

 と言うことで正解は、(D)20% 以上でした~☆

 ・・・ってか多すぎだろ、おい、世界人口の0.003%しか居ないんだぞ?(--;)

 まあ、10年前のデータですし、近年ではATMの取り除きをはじめ『ポーキー撲滅政策』が盛んだったので、多少はマシになってる筈ですが・・・。
 未だにオーストラリアのギャンブル破産者の多くがポーキー中毒者だという事も否定できない事実なのです。

 ちなみに今年7月に発表された昨決算期のポーキーによる年間収益額は、ギャンブル中毒者率が最も多いというヴィクトリア州(人口520万人)だけで実に$26億 - 日本円にしておよそ2600億円に達したとか。
 きっとギャンブル税による収入も、政府にとっちゃ馬鹿にならない額になるんでしょうね(^^;)

 兎に角もオーストラリア人は世界有数のギャンブル好き民族。
 もう少しどうにかなって欲しいものです!(><;)




 ウールワースがこのポーキーの出資者である、というのが最初の記事の内容。
 日本風に言うと、ダイエーやイトーヨーカドーがパチンコ店を経営しているようなもの。
 もし、ダイエーが儲かるからといってパチンコ店を経営したらどうなるか。
 品格を疑われ、袋叩きにあって企業としては消えていくだろう。
 パチンコにはダーデイーな影がつきまとう。

 それに対してポーキーはゲームということで、いやに明るい。
 何しろこちらの人は早々にリタイヤする。
 それを楽しみに働いているといってもいい。
 がしかし、リタイヤしたはいいが、そうそうやることがあるわけではない。
 タップリと余分なお金があるわけでもない。
 とすれば、ありあまるヒマをもてあましてしまう。
 こんなハズではなかったが。
 そんな心理に深く食い込んでいるのがGAME。
 若い時からGAMEに熱中するのは、リタイヤしたときに時間にむなしくならないようにという、精神的安全性を確保するためのもの。
 
 日本なら朝からパチンコ店に出入りしていたら、老人といえども後ろ指を指される。
 が、GAMEなら家で密かにできる。
 気がむいたら、出かけていってポーキーでもやればいい。
 少しばかりスルが、安上がりでまあ気晴らしには最高。
 だが、これにのめり込んでしまう老人が後を絶たないとういうことが問題になっているというわけ。
 
 ポーキーが賭博なのかGAMEなのか、解釈で意見が別れてくる。
 なにしろ現代にあってGAMEは世界の大文化。
 これどうやったってやめさせることはできない。
 賭博は、これもだめ。
 何しろGAMEよりはるかに伝統をもつスーパー文化。

 Woolworthがイジメられる ?
 なにしろあそこはガリバーだからな、少しは痛い目にあったほうがいい。
 ここの値付けで物価が決まってくるほどに影響力のある店。
 自社の都合によってやたらと高いものを買わされることがある。
 そして、ふんだくるように儲けている会社。
 
 「イジメられている」、あのwoolworthが泣き言をいうだけで、消費者はスッキリするかも。
 が、woolworthもしたたか、そういうポーズをとっているだけかも。


(注).写真はgooogle画像より



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 その後
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NICHIGO PRESS 2011年12月11日
http://nichigopress.jp/ausnews/news/32072/

NSW、「低所得層の賭博癖を狙え」
スター・カジノ外部報告書が提案

 12月11日付サン・ヘラルド紙は、シドニー市内ダーリング・ハーバー北にあるスター・カジノの外部リサーチ企業が作成した、
 「身分不相応の生活をしたがる低所得階層の射幸心を煽るよう
提案する報告書の内容を報道した。

 24ページの報告書は、
 「Electronic Gaming Machines, Planning for 2011(電子ゲーム機器、2011年計画)」
と題されており、シドニー首都圏の低所得賭博癖の持ち主をターゲットにすることで大幅な収益増が見込めるとしている。

 報告書は、見込み賭博客をいくつかのカテゴリーに分類し、
 「bilingual backgrounds(バイリンガル世帯)」、
 「new wave(新移民)」、
 「eclectic origins(文化折衷)」
などの名前が付けられている。
 その分類説明として、
 「収入は低いが、その収入を超えた生活への野心が強い」とか、
 「収入を超えた生活をするための資金源を賭博に求めるため、賭博傾向は高い
などとされている。

 スター・カジノ側は、
 「この報告書は外部のマーケット・リサーチ企業が作成したもので、スターの考えを代表するものではない。
 スターは、高級な娯楽施設であり、低所得者をターゲットにして、収入を超える賭博をさせることには関心がない」
と発表している。
 ただし、同カジノのウェブサイトによると、スター・エクスプレスと呼ぶ送迎バスを走らさせており、シドニー首都圏周辺の主だった地域に午前7時30分から午前1時まで賭博客の送り迎えをしている。
 その主だった地域にはバンクスタウン、カーリングフォード、キャブラマタ、ハーストビルなど、低所得階層地域やアジア系新移民の多い地域などが含まれている。(AAP)


 つまり、ポーキーマシンというのはパチンコと同じで決してお金持ちはやらない。
 日本ならパチンコというのはヒマツブシに過ぎないが、ここではれっきとした趣味。
 それもどちらかというと低所得者層の。
 リサーチ企業の社会心理学的分析は的を射ていると思える。

 


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 <<後日の追加>>
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NICHIGO PRESS 2012年4月16日
http://nichigopress.jp/ausnews/news/37304/

「クラブの慈善、地域社会貢献は隠れ蓑」
モナシュ大学の調査で「賭博中毒者から利益吸収」


 4月15日付シドニー・モーニング・ヘラルド紙は、クラブ産業の寄付を調べた初の研究で、クラブが、慈善や地域社会への貢献度は、賭博中毒者から利益を吸い上げている実態を見えないようにする隠れ蓑になっているとする大学研究者の調査結果を報道している。

 モナシュ大学の研究では、クラブの得る利益に比べると、慈善団体などへの拠出は「微少」で、地域スポーツ活動への資金拠出方法は非常に効率が悪いばかりか、コストも大きい。
 また、パブやクラブのポーキー(スロットマシン)で金をする賭博常習者が多い地域は、すべて労働党議員選挙区だった。
 研究を指導したチャールズ・リビングストン教授は、
 「ポーカー・マシンの収入が地域社会に役立っているという主張は、ポーカー・マシン運営を正当化することが主目的としか考えられない。
 ポーカー・マシンが相当な社会的害悪になっていることは間違いない。
 地域社会への利益という主張は、地元スポーツ・クラブや慈善団体の支持を得るための目くらましであり、同時に、ポーカー・マシンの害悪から眼をそむけさせる役目も果たしている」
と語っている。

 2010年度のNSWでは、ポーキー・ファンは総額で50億ドルを失っており、州人口で言えば、年間大人一人が$1003を失っている計算になる。
 また、クラブは地域社会団体や慈善に6,350万ドルを寄付しているが、これは賭博客がポーキーに注ぎ込む金額の1.3%にしかならない。
 VIC州では、賭博客は26億ドルすっており、これは大人一人あたり$701に相当する。
 一方、クラブは地域社会団体や慈善に628万ドルを寄付しており、賭博客の失った金のわずか2.4%にしかならない。

 この研究調査は、福祉団体のUnitingCare Australiaがモナシュ大学の研究者に依頼して実施した調査であり、賭博中毒を減らそうとする連邦政府の政策に反対するキャンペーンを実行しているクラブ産業が標的としている選挙区別にポーキー客の失う金額も調査した。
 その結果、ポーキー客の損失額がもっとも大きい選挙区はすべて労働党選挙区という興味深い結果が出た。
 州内で、住民の平均所得額に対してポーキー客の損失額がもっとも大きい選挙区はシドニー首都圏西部のブラックスランド選挙区で、ジェーソン・クレア内務相の地盤では、住民の24%がポーキーで遊んでおり、ポーキー客1人あたりの損失額は$7056で、平均所得額の34.2%に達している。
 また、それに続くのは、ビル・ショーテン労使関係問題担当相の地元、メルボルンのマリビルノング選挙区でポーキー客人口は1人あたり$6699で、平均所得の25.7%をポーカー・マシンに注ぎ込んでいる。
 UnitingCare Australiaのリン・ハットフィールド=ドッズ全国部長は、
 「これで明らかなように、ポーカー・マシンは、低所得地域に集中しており、一銭もムダにできないはずの低所得者や福祉受給者が大金を賭博に注ぎ込んでいることが分かる」
と分析している。
 しかし、ClubsNSWのジョッシュ・ランディス政策担当部長は、この研究結果を否定し、
 「賭博反対ロビーの宣伝。非営利クラブ産業以上に地域社会や慈善に金を出している産業は他にない」
と語っている。(NP)











 <まぐろの目玉> 



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2011年11月24日木曜日

カナダ:プラスチック紙幣の新100ドル札の流通がスタート!

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● 新カナダ紙幣


インターネットをのぞいていたら出てきたのが下の記事。
カナダでプラスチック紙幣が出たと驚いている。
こんなの驚くほどのことかね。
こちらでははるか大昔から紙幣はプラスチックなのだが。
よって、はるか昔から偽造は不可能になっている。
ただ、カナダが遅れていただけではないのだろうか。

日本に行っていつもは思うのは日本のお札の貧相さ
なんて貫禄のない、薄っぺらな、チャチなお札なんだろう、と愕然とする。
 駄菓子屋で売ってそうなシロモノ。
あまりに過度に印刷技術にたより過ぎて、基本的な変革ができない、ということが聞いたことがある。
つまり精巧な絵柄を描くことができるというのが、お札の技術だと大蔵省あたりは思い込んでいるらしい、とのこと。
芸術的図柄を描けることに価値を見出しているようである。
技術進歩の時代に、まだまだ紙にしがみついている
というのは、あまりに知性の貧困。


ロケットニュース24  * 2011年11月24日
http://rocketnews24.com/2011/11/24/155626/

カナダでプラスチック製の新100ドル札の流通がスタート!
見た目だけじゃなく偽造防止技術もスゴイ!


先週、カナダで新100ドル札の流通がスタートした。
その100ドル札、なんとプラスチック製である。
その光沢感あふれるクールな見た目がまず目につくが、すごいのは見た目だけではないらしい! 
ということで、カナダ国外からも注目を浴びている新100ドル札の特徴をまとめてみた。

①..紙に比べて耐久性は2倍以上! リサイクルもできる「エコ紙幣」
合成樹脂を使用したプラスチック紙幣が紙製の紙幣と比べて優れている点として、まず耐久性があげられる。紙製の紙幣よりも2倍以上の期間長持ちするといわれる。
さらにはリサイクルもできる。
まさに時代のニーズを反映した「エコ紙幣」と言えよう。

②..透明窓付きのクールなデザイン
そして、見た目もやっぱりかっこいい。
プラスチックならではの表面の光沢感に加え、2箇所の「透明窓」にはカナダのシンボル、メープルの葉や肖像画、建物の絵が印刷されている。
そしてメインを飾るのはカナダの第9・10代首相サー・ロバート・ボーデン氏の紳士なお顔。
なんともクールなデザインだ。

③..徹底した偽造防止技術
今回の新100ドル札の最も大事なポイントは優れた偽造防止技術にある。
特殊なインクや見る角度によって色が変化するホログラフィー技術、透明窓にはある角度からでしか読み取れない「秘密の番号」が埋め込まれるなど、徹底した偽造防止対策が施されている。
ここまでやれば簡単には偽造できまい!

以上の通り、カナダの新100ドル札の特徴を簡単にまとめてみたが、デザインも技術も優れたクオリティの高さにツッコミどころも見つからない。
「より安全、安価、環境に優しいこの新紙幣は全てのカナダ人が誇るべき21世紀の偉業だ」
とのカナダ銀行総裁による誇らしげなコメントにも納得である。

ちなみに同様技術は来年には50ドル、20ドル紙幣に、2013年末には5ドル、10ドル紙幣に導入される予定だそうだ。
機会があれば、ぜひ実物を見てみたいものだ。


Bank of Canada: The New $100 Note




ちなみに、これが手持ちのオーストラリアの50ドル紙幣だが。
お札のことを「note」という。
「ノート」ですよ、ノート。
あまり100ドル紙幣は出まわっていないので、とりあえず50ドル紙幣を載せてみました。
左の星のある白い部分は透明で向こう側が見える。



その部分に「50」と刻印されていて、盲人でもてざわりでわかるようになっている。

そうとう以前のことだが、あまりに偽造されやすいので新しい紙幣がアメリカで作られた。
そのニュースを聞いたときプラスチックになったかなと思ったら、相変わらずの紙幣だった。
アメリカも日本も紙幣に関しては相当に遅れている。

なにしろ、お金というのは「大事なものにしてひどく汚いもの」。
いろいろな人の手を渡ってくる。
お金の基本的な要求の一つは清潔であること。
 できれば「洗濯できること」。

日本の紙幣は洗濯できない。
なんとも汚いことおびただしい。
記憶があいまいなのだが、中国で「Sars:サーズ」が流行ったときお金が媒介になって病原菌が拡散しているのではないかということで、いっとき紙幣の流通が止まったとか止まらなかったとか言う話を聞いたことがある。
保菌者だってお金は使うのである。
日本は清潔国家だからいいが、途上国や後進国ではお金が十分に病原菌の運び屋になる可能性がある。

プラスチック紙幣の問題点は、紙にくらべてはるかに製造コストがかかること。
つまり、紙は安いが、プラスチックは高いのである。
お金がかかるからいまのままにしているのかもしれない。
このことからも「日本の紙幣は安物」だとわかる。

安物の汚いお札を市中に流通させている日本政府にコスト感覚はあっても、決して衛生観念があるようには思えない。
言い換えると国家の品格が疑われる。 
「いや、あれはお金がかかるので、我が国は貧格国家ですから
ごもっとも。

今日は珍しいことにオーストラリアを褒めました。



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_その後_
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中国の記事が面白かったので載せてみます。


サーチナニュース 2011/12/28(水) 10:03
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=1228&f=national_1228_028.shtml

【中国BBS】日本の紙幣は健康に良い? 中国で流れるうわさ話



中国大手検索サイト百度の掲示板に
「日本の紙幣を触ると体にいいって本当?」
というスレッドが立てられた。
スレ主のこの疑問に対してさまざまな意見が寄せられている。
以下に日本語に翻訳紹介する。
( )は編集部による素朴な感想。
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● スレ主:Vo19oV
ガイドが言うには、日本の紙幣は世界一清潔なんだとか。
磁石粉末でできているから汚くならないけど、コストがかかっていて、でもそれゆえに偽札もなく、安心して紙幣を手にすることができるらしい。
そして、磁石なので手の温度で紙幣は少しずつ曲がるらしい
多くの日本人が紙幣を胸のあたりに置くのは、健康にいいからだそうだ。
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● 北塘紫萱
それって本当?
● 千鶴妹子
キレイなのは日本人の衛生習慣ゆえだろう。
● せんとう
だからみんなお金を数えるのが好きなんだ~。
一つ勉強になった。
● 財法侶地
偽札がない!?
(偽札が普通に横行している中国からしたら信じられないことでしょうね)
● takadanobaba
紙幣はいつだって世界で一番汚いものだ。
しかも各種ウイルス付き。
80%のドル札には薬物の残留物があるんだって。
無数の人が触り、無数の病人が触ったものが清潔なわけないだろ。
頭を使え。
● 伴天涯2
本当にそんな紙幣があるならいいねぇ!
よだれを垂らしても安心だ(笑)
● 阿蒙L
それが本当なら、日本人というのはスゴイな。
● 喜歓桜花馬
日本の紙幣はキレイだ。
しわが全然ない。
(中国の紙幣はよれよれで汚いものが多いですね)


日本のお札が健康によい !
ありえん !!!!!!





 <まぐろの目玉> 



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2011年11月23日水曜日

ノルウエイの森:横圧縮技法の虚構世界?

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● ポスター


● ロケ地


● google画像より:主演者たち



昨夜、「ノルウエイの森」を見にいった。
火曜日というのは、日本での月曜日にあたり最も人出のない曜日。
夕方になるとどんどん店じまいをしてしまう。
ちなみに木曜日は「レイトナイトショッピング」といって夜遅くまでショッピングのできる曜日。
といっても月曜日から水曜日までに沈滞したムードを吹き飛ばそうと無理に作られた感じがしないでもない。
翌金曜日から日曜日にかけての商戦に気合を入れるためにあるのかもしれない。
火曜日は昼間でも映画が割引きになる。
まして夜。
やはりガラガラ。
ざっと数十人ほどの観客しかいない。


● 上映映画館前

さて、本題。
虚構の上に虚構を重ねるのが小説。
いかに読者を作家のイメージする虚構の世界にいざなうかが小説の本領。
そういう虚構にギクシャクを感じる作家は私小説の領域を開拓する。
村上春樹は虚構創作者として最も世界に知られた作家であろう。
だが、時にわからぬ世界を構築してしまうことがある。
『ねじまき鳥クロニクル』、これ読んでいてさっぱりわからなかった。
わからぬ世界がわかる世界の人もいる。
読者の生態的嗜好によるのかもしれない。

映画が始まる。
突然に違和感が起きる。
なんだこれ。
安保闘争時代がバックグランドなのだが。
この闘争を知っている者にとって、明らかに映画との時代差がある。
安保闘争時代はこうだった、という経験からモノを見てしまう。
私小説なら、「ウソだ」となる。
だがこの作品、虚構小説。
文章文体の中に巧みに虚構を創りだすのが小説。
だが、映像でそれをとらえようとすると、映像が限りなく近い現実を表現してしまう。
この記憶としての時代から、いかに虚構の世界にもっていくか、そこが問題。
現実の上に虚構を創り上げるということの難しさ。
この映画の監督はそれをある手法で成し遂げている。
スクリーンの縦長技法である。

昔、テレビで日曜映画劇場などをやっていた。
このとき、シネマスコープの画面をどうして「4:3」のテレビ画面に移すかというと問題があった。
テレビ局はイージーに映画の横を圧縮してテレビに写した。
縦を基準にして、横を締めこんだのだ。
とすると、写っているものがみな細長くなる。
やたらと出演者がスマートになる。
ばあちゃんが言っていた「映画の俳優はみな痩せてカッコいいね」
このころテレビは14インチが主流であったが、その後16インチ、18インチと大きくなるに連れてこの方法では現実とそぐわないアラが見えてきた。
そこで、この方法は終わりをつげた。
次なる方法は横を基準に、そのままテレビにシネマスコープの画面を移した。
どうなったかというと、画面の上下に使われない横縞が真っ黒に発生した。
画面が大きくなりつあったので、こちらのほうがマトモなので、以降これが標準になる。

この映画監督が使ったのが、縦長技法(横圧縮技法)である。
といってもわずかだが。
よって出演者はみなスマートになる。
これにより実体としての人間表現が消えていく。
人間が人間でなくなる。
生身の人間が画面の人間に改変されていく。
そこに虚構の世界が作られていく。
この虚構の世界に入るまで、あるいは画面の形式になじむまでと言ってもいいかもしれないが、
はじめのしばらくはギャップに苦しむことになる。
慣れてくると、これは創作虚構なのだ、小説なのだ、現実とは違うのだということが実感できるようになり、それによって切り離されたスクリーンの中に「小説」を見ることになる。
この作品、つまり「見る小説」なのである

監督はこの横圧縮技法を持ち込むことによって、自在に小説を映像化する。
例えば、ごく見慣れた台所や洋室を遠近感を消して画面に取り込む。
その結果、まるで違った別の世界を創り上げている。
奥行きがない、のである。
通常、窓の向こうは青空が広がるが、この作品のカメラワークに映る向こうには連なる隣の家の窓で、それがあたかも空間の恐怖を打ち消すかのように映るのである。
空は絶対に見えないのである。
遠さを極端に嫌ったカメラになっている。
街を歩いているにしても、大学食堂のシーンにしても。
日本の監督なら絶対に、遠くを大切にするだろう。
いわゆる余韻を取り込むために。
だが、この監督は小説を画面の中で作ろうとする。

ここで疑問が沸く。
本当に横圧縮技法が使われていたのか?
もしかしたら、そう見えただけではなのか。
いえ、普通に撮りましたよ、と言われるかもしれない。
間違っているかもしれないが、私にはそう見えたのである。
演じる人間から生身さが漂ってこないのである。
そう解釈することによって、虚構世界に横滑ることができたのである。

セリフが少なく、画面が次々変わる。
やたらとと長いセリフの映画がある。
セリフで理屈を読者に押し付けようとする。
その間、アップが続く。
「わたしゃ、アンタの能書きなんか聞きたくないよ」
と目をつむり、次のシーンに変わるのを待つのが結構多い。
この映画のセリフ、画面をつなげるだけに役割しか担っていない。
セリフが接着材の役目をしている。
それも僅かな量で。
そして、思い出のように別のシーンが挿入されてくる。
映画的なストーリーではではないのである。
見るほうは、そこから小説的余韻が想起される。
理屈はあってはならないのである。
ストーリーもあってはならないのである。
どこまでも、映画上に小説を作っているのである。

そして、遠さを抑えた画面が一気に解放される
それが「ノルウエイの森」
いかにして、この遠さを近さとして画面に取り込むか。
さて、ノルウエイの森の風景を遠さとしてとらえるか、近さとしてとらえるか、足を運んで鑑賞してみてください。
人それぞれかもしれませんが。
この映画、「映画の中に小説を作っている」というのが私の感想です。


下の写真は先に載せた日豪プレスの映画評である。
ウエブサイトに載っているか調べてみたが見つからない。
よってコピーしてみます。



ノルウエイの森
Norwegian Wood/MA15+
★★★☆(TK)公開中

1987年に刊行された小説「ノルウェイの森」は大ブームとなり、作者の村上春樹は一躍人気作家の一人となった。
そして、同作品は現在一千万部を突破し、国内小説発行部数歴代1位を記録更新中。
さらに海外でも36言語に翻訳され出版されている。
その世界的大ベストセラーを松山ケンイ主演で映画化。
共演は、映画「バベル」でアメリカのアカデミー賞にノミネートされた菊地凛子。

ストーリーは、学生運動が盛んな昭和40年代。
高校時代の親友キズキを自殺でなくしたワタナベは、誰も知らない場所で生活を始めるために、東京の大学へと進学する。
しかし、ある日、キズキの恋人だったナオコと再会する。
いまだにキズキの自殺から立ち直っていないナオコ。
そして、そのナオコとは対照的なミドリと出会い、彼女にも惹かれていくワタナベ…。

多分、多くの人が既に原作を読んでいると思う。
自分も当然のように読んでいたが、正直内容は全く思い出せなかった(文庫本がクリスマス・カラーの装丁だったことは、しっかり記憶にあるのだが…)。

「ノルウエイの森」から始まり、「風の歌を聴け」「羊をめぐる冒険」「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」と、村上春樹に一時期ハマって読みあさっていた時期があったが、かなり昔のことで、読んだことしか記憶にない。
なので、この映画を観ても、小説との比較は全くできなかった。
逆に言えば、原作にイメージにとらわれることなく、純粋に映画として楽しむことができた。

まず感じたのは、時代性。
もろに昭和のファッションだったり、赤電話などの小道具も細部にわたって忠実に再現されていて、これがものすごく新鮮。
タイトで襟の大きな柄シャツとか、縦縞のパンツとか、かなりカッコいい!

そして一番は、やはりベトナム出身の監督トラン・アン・ユンらしい、どこかアジア的で無国籍な感じのする不思議な世界。
アジア方面に旅行に行くと、昔の日本を感じ、子どものころにタイムスリップしたような甘酸っぱい気分になることがあるが、まさに、そのジャパン・ノスタルジーを感じる。

同監督の「夏至」を観た時、ハノイが舞台になっているが"お洒落な昭和"っぽい雰囲気も醸し出していて、同じアジア人として、感性に触れる作品だった。
同時に、野菜をタライで洗うシーンや、髪を洗うシーンなど、水が重要な小道具になっていたけど、今回もやはり、雨のシーンなどは、画面からアジア特有の湿気を強く感じた。
特に乾燥したオーストラリアで生活していると、この湿り気が妙に懐かしい。

また、やたら登場人物が早足で歩きまくるが、不思議とゆっくりとしたトーンで覆われている。
ただ、日本人監督でないためか、セリフ回しは馴染んでいない気がしたのは残念。

大ベストセラーで原作との比較をしてしまいがちだが、原作は一切忘れて、美しい撮影、絶妙な音楽の使い方など、原作との比較をせずにトラン・アン・ユンのお洒落アジアンの世界にどっぷり浸るのが正しい見方かな?
個人的には、一部で大根とか言われているミドリ役の水原希子のツンデレぶりがツボ。



インターネットにこのロケ地の記事がありました。
抜粋で。

毎日.jp 2010年11月10日
http://mainichi.jp/tanokore/column/jojima/004135.html

村上春樹さん原作の映画「ノルウェイの森」が12月11日に公開される。
そのロケ地となった兵庫県中部の神河町を訪ね、晩秋の山野を歩いた。
落ち葉のかすれ合う音に耳を傾け、黄金色に輝くススキの穂波に包まれながら、あの小説が奏でる静ひつな官能に浸る一日となった。



神河町では08年秋から09年夏にかけて何度か撮影が行われ、ベトナム系フランス人のトラン・アン・ユン監督はじめ出演者たちが滞在した。

「ご覧のように、撮影前日なのに雪がありません。
冬の場面の撮影なので困りました」。
山下さんは自分の撮った写真を見せながら苦笑したが、続いて一面の銀世界の写真を映し出し
「前の日の夕方から雪が降り始め、一夜にして積もったんです」
と相好を崩した。

さらに、夏の風景が画面に広がり、草原内の移動撮影用レールが見える。
「もともと40メートルしか用意していなかったのに、監督は明日までに120メートル必要だ、と言い出しました。
驚いたことに、一晩で東京からトラックで取り寄せたんです。
監督は妥協をしないので、風を吹かせたいからと、こんどはヘリコプターを呼び寄せました」





ちょっと思い出したことがある。
この小説の中でヒロインはいつもスラックスをはいていなかっただろうか。
主人公がそれを尋ねると、確か「足にキズがある」とか答えていたように思うのだが。
日本にいれば、ついでに書店によって文庫本でも買って、読み直してみるのだが、ここでは本そのものを見つけることが難しい。
といって、日本から送ってもらうほどのことでもない。
別の本かもしれないし、記憶としてはあいまいである。
まだ「1Q84」も読んでいないし。


ノルーウエイの森:






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2011年11月22日火曜日

QLD、日本人ビジネスマン懲役刑受ける

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● google画像からワンミリオンダラー:ラスベガスでの賞金の展示だそうです
  最近オーストラリアドルとUSドルは同等になってきている
  昔は7割から3/4くらいだったのだが



NICHIGO PRESS 2011年11月22日
http://nichigopress.jp/ausnews/law_news/30714/

QLD、日本人ビジネスマン懲役刑受ける
100万ドル超える脱税で豪華な生活送り

 11月21日、ブリスベン地裁で、112万ドル脱税容疑の日本人被告人が2年の懲役刑を言い渡された。
 ブリスベン地裁での検察側の陳述では、ジョー・タツオ(52)被告人は、巨額の脱税を目的に、会計士とスキームに入り、6年間にわたり、金を海外の口座に送った。
 一旦海外口座に振り込まれた金は複雑な経路をたどって、ジョー被告と妻の名義になっている口座に振り込まれていた。
 マイケル・カール検事は、
 「この犯行は意図的で計算されたもの。
 摘発を逃れるため、巧妙に組み立てられたスキームだ」
と述べている。

 ジョー被告は日本生まれだが、ゴールド・コーストのソレント在住で、8回にわたり虚偽の所得税申告を提出、ごくわずかな税金しか払っていなかった。
 裁判で、陪審団は、同被告の9件の罪状について有罪の評決を下した。
 カール検事は、
 「この犯行の動機は、金に困ってというわけではなく、単に貪欲からだ。
 ビジネスで成功しており、非常に贅沢な生活を送っていた。
 家屋を解体して新築しなおした自宅は、4寝室、4浴室、ホーム・シアターも備えた2階建て。
 その上ガレージにはメルセデスベンツが2台、敷地に沿った水際にはボートももやってあった」
と述べている。

 判決に際して、ケリー・オブライエン判事は、被告人がすでに$955,000の罰金を支払っていることを酌量し、
 「この法廷に提出された証拠によれば、犯行の結果、君にはかなりの額の可処分所得があり、非常に高い質の生活を送ることができた。
 しかし、現実には、君と君の会社は当該期間ほとんど税金を払っていなかった。
 この犯罪行為のため、公金にかなりの損失が生じた。
 このような行為は抑止しなければならない」
と述べ、ジョー被告に懲役4年、最低無保釈期間2年を言い渡した。(AAP)


 「最低無保釈期間」ってなんだろうと思って調べたのだが、出ていない。
 最低2年はシャバに出られないという意味だろうか。
 それとも執行猶予からみだろうか。
 「無保釈期間」も出ていない。
 オーストラリア特有の法律用語なのかもしれない。
 どちらかというと、やはり「2年はクサイ飯を食え」の方が当たっているように思うが。
 こういうのよくある。
 例えばアメリカの制度で「司法取引」というやつ。
 「この罪を認めろ、そうすればこっちの方はチャラにしてやる」たぐいのもの。
 厳正であるべき司法に、利益追求の取引を持ち込むという感覚。
 「司法の尊厳」を著しく踏みにじるものだと思うのだが。

 でもこの人、6年でワンミリオンダラー以上(112万ドルとは約1億円)の利益を隠していたという。
 どんな商売をしていたのだろう。

 団地の借家住まいと腐れビッツ。
 その生活も悪くはないのだが。
 風邪を引いたかな、頭の芯がキリキリと痛む。




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2011年11月21日月曜日

こむら返り:フクラハギが石になる

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● google画像より



人間、齢を重ねるに従っていろいろなことが起こる。
体も少々くたびれてくるからしかたがない。
今年のはじめからなんと「痛風」なるものかかってしまった。
足の親指に付け根が痛むもの。
だいたい30代から50代の男性に多いとある。
でも、アタシャ60代だよ。
日常生活に不便があるほどの痛みではないので、ほっぽってある。
ときどき、びっこもどきで歩かねばならぬときもあるが。
椅子から立ち上がったときとかは「イテー」となることはしばしば。
何でそうなるかは分からない。
そういえばこの間、スシトレインで少々つまんで、さて帰ろうかとして椅子をおりたら、襲ってきた。
悲鳴をあげてズッコケそうになった。
周りのお客さんからの視線がジロリ。
痛いよりも恥ずかしかった。

痛風は最近のこと。
ここ十年ほど多いのが、フクラハギの硬直。
朝がきて目覚めの時、眠気を払うために体をグーと伸ばそうと足の指先に力を入れると一気にくる。
ふくらはぎが石のように固まって触っても痛い。
しかたがないので、じーっと痛みが消えるのをベッドのなかでひたすら待っていた。
数分は痛みと戦わねばならなっかたが、これで何とか治った。
その後、ふくらはぎがつったとわかったら、痛みがひどくなる前、すなわち筋肉が硬直する前に起きて、さすってさすって、もんで揉んで、そして軽く叩いたりした。

ここ数年は朝だけでなく、いつでも起こる。
としだネー。
朝昼関係なくベッドに横になり、グーと足に指先を伸ばせば、すぐにやってくる。
しかたがないので、横になるときは足を伸ばさないで少し曲げるようにして、決して足指に力をかけないように気をつけている。
ときにそれを忘れたり、あるは指先にフトンなどが引っかかって力がかっったりするとテキメンにフクラハギが石になる。
でも、いつでも起こるとなると、人間だんだん対応がイージーになる。
「なぜ横になるとなって、立っているときはならないんだろう」
そういう疑問を持った。
素朴な疑問である。
そうだ、歩けばいいのだ。
筋肉を引っ張るからなる、反対に圧縮させればいいのだ。
これで解決。
「キター」とおもったら、急いでベッドを出て痛みに耐えて歩く。
ものの10秒もせずに正常に戻る
おそらくは年齢相応に筋肉の血液の流れが悪くなっており、フクラハギを伸ばした時、筋肉の断面積が細くなるので十分に血液が回りきれず酸欠になる。
酸欠で筋肉が硬直してしまう。
反対に、歩くときは上下から力がかかるからそれを支えるために筋肉は太くなり、血液が十分通りやすくなるため、筋肉は柔軟になる、はずだ。
という勝手な理屈をつけてみた。

痛風のときは突き指でもしたのかと思って放っておいた。
でも、なかなか治らないのでいったいなぜだろうと思い、「足の親指の付け根の痛み」で検索したら、そのキーワードでビッタンコ「痛風」と出てきた。
そこで先ほど「フクラハギの硬直化」で検索してみた。
結果は「こむら返り」と出てきた。
若返り、里帰り、ではなく「こむら返り」、こむらとは「小村かな」などといい加減なことを考えてみたりした。

Wikipediaで見てみる。

【こむら返り】
==============
こむら返り(腓返り、こむらがえり、方言由来の用法として「こぶら返り」とも言う)とは、
腓(こむら)=ふくらはぎに起こる筋痙攣の総称。

(足が)攣(つ)る」とも言われる。
特に腓腹筋に起こりやすいため、腓腹筋痙攣と同義とみなすこともある。
他にも指・首・肩などもこの症状と類似した状態になる場合がある。

筋肉の意識しない持続的な強直性収縮である筋の攣縮を示し、有痛性である。
こむら返りを生じている筋は硬く収縮しており、局所の筋が硬く膨隆しているのがわかる。
筋攣縮の持続は数秒から数分であることが多く
特に激しい運動の後や、水泳後睡眠中に見られることが多い。

原因は神経でなく、筋肉固有の問題があるといわれ、下位運動神経終末部での過興奮によるのではないかと考えられているが、特定には至っていない。
健常人でも起こる事があるが、さまざまな骨格筋に頻回に繰り返したりする場合は病的なものと考える。
脱水(発汗、下痢、利尿薬の服用)または電解質代謝異常(Ca、Mg)、腎不全、血液透析、甲状腺機能低下症、妊娠、脊髄性筋萎縮症や多発神経炎などの神 経原性筋萎縮をきたす疾患、下肢静脈瘤、特殊な例(McArdle病、里吉病など)などで頻発することが多いので、そのような疾患を鑑別に挙げる必要があ る。

■治療と予防

芍薬甘草湯やダントロレンが有効といわれている。
また、運動前後のストレッチ体操、運動・発汗後の塩分補給などを行うことも予防によい。
基礎疾患や原因となる疾患があれば、その治療も加えておく必要がある。
筋マッサージ、ホットパックなどの理学療法も有効である。
またスポーツでは予防として運動前にクエン酸を摂取することもある。

なんだか全然わからない。
分かったのは、原因不明、対処法適当、ということだけである。



● google画像より

フクラハギの筋肉を「腓腹筋:ひふくきん」というが、この「腓」を「こむら」と呼ぶことから「こむら返し」がきているようである。


もうちょっと調べてみよう。
こういうのが好きなのである。

だが、やはり決定的な原因はないようである。
ある記事にはこうあった。

実は、こむら返りがどのようなメカニズムで起こるのか、よくわかっていない。
しかし、
1.筋肉自体に原因があって起こる場合と、
2.筋肉につながる神経が原因の場合
とに分けられると、慶応義塾大学客員教授で、糖尿病に詳しい、東京都済生会渋谷診療所の松岡健平医師は説明する。


あえて原因をリストしてみる。

●運動不足
●下肢の疲れ
●カルシューム不足
●マグネシューム不足
●ビタミン不足
●水分不足
●その他の病気
あまりにもこむら返りが頻繁に起きる場合は他の病気の可能性があります。
例えば、椎間板ヘルニア、糖尿病、動脈硬化による血液循環不良、肝臓病や脊椎・腰椎の異常による神経疾患など

「運動不足」と「下肢の疲れ」なんていうのは正反対の原因。
「***不足」なんていうのも無意味。
「その他の病気」となれば、付き合っていられない。
よって原因の究明は「なぜ風邪を引くのか」と同じで無意味になる。


ならば次に、こむら返りに襲われたときの処置である。

田中接骨院(ふくらはぎのこむらがえり)応急処置
http://www4.tokai.or.jp/Ta-na-ka/hukurahagi.htm

私が、こむらがえりの応急処置の仕方を覚えたのは、高校に入ってからです。
陸上部に入って走っている時によく、ふくらはぎのこむらがえりになりころんで、のたうちまわっていました。
その時、友人がすぐ来てこむらがえりの応急処置をしてくれたのです。
その時はじめて知ったのです、こむらがえりは治すことができるのだと。


フクラハギは上下でつながれているため、この上と下の付け根を同時に刺激してやれば基本的に治ることになる。
注意すべきことは「上下同時に」であって、一方だけやっても順々にやってもだめだということである。
このサイトがわかりやすい。


こむらがえり(つぼ症状編)
http://www.tubodojo.com/tubo/komura.htm

【こむらがえりを起こしたときは、】
1.足の力を抜いて、片手で痙攣している足の膝を押さえる2.もう一方の手で足の5本指全部を上体に向かってゆっくり曲げます。
3.
ふくらはぎの筋がジワッと伸びていることを確認します。 以上のようにおこなえば、ふくらはぎの痙攣は比較的早くおさまるはずです。

 また筋肉が緊張しやすくて、こむらがえりを頻繁におこしやすい人には、ツボ刺激が効果的です。

【刺激法】
ふくらはぎの中央ライン上に、承筋承山と呼ばれるツボがあります。
また足心は、足裏のちょうど真ん中に位置するツボです。
承筋、承山のツボに重点を置きつつふくらはぎ全体を、指を使ってよくもんでください(朝夕2回)。
足心へは、こぶしで毎日30回ほど叩くとよいでしょう。


片手で膝を押さえ、もう一方の手で足の全指を手前に引きつける。
膝を押さえることによって上の付け根に、
足指を手前に引きつけることによって下の付け根に
刺激を与えるということである。
でもこれちょっと私には不具合。
というのは、親指の付け根が痛風で痛いのである。
平時は何も痛くはないが、付け根をおしてみれば痛みがあることがわかる。
これを手前にグーと引きつけるということは、こむら返しを治すために痛風を呼び出すようなものになる。
やはり、「痛みを感じたら即、体重をできるだけかけて歩く」方法がいいようである。


「つぼ」による治療法についてもう少し。

足がつったときのツボ(こむらがえり)
http://www.kirindo.com/medical/choujin.html

承山(しょうざん)のツボは、ふくらはぎの筋肉の一番下側にあります。
アキレス腱のあたりに指を置き、そのまま上へ滑らせていくと、筋肉の下側にぶつかります。

そこが承山のツボです。
ふくらはぎを山にたとえると、山のふもとのようなところにあるツボです。
押してみて、アキレス腱からかかとまでしびれるような感じがしたら、正しくツボをとらえています。

ふくらはぎがイタタっと足がつる、こむらがえりのときは、すぐにここのツボをおもいっきり押してみてください。
劇的に痛みがひいてくると思います。
よく足がつる人は、前兆を感じるはずです。
前兆を感じた時に強く押しながらマッサージするのが、最も効果的な対処法です。

この承山のツボについては試してみようと思っている。

下の図は上の応用編です。
膝に手を当てていませんが、膝頭が立たないように押し付けていれば、片手の支えはいりません。





● 筋肉のケガ症状


最後に確認。
絶対に足の先はまっすぐのばしてはならない。
見事に「こむら返し」でやられる。
 

 <まぐろの目玉> 




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2011年11月20日日曜日

スクリーズがはじまった

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● スクーリーズ



NICHIGO PRESS 2011年11月20日
http://nichigopress.jp/ausnews/news/30666/

QLD、スクーリーズ18日にすでに逮捕者
公共の場、未成年の飲酒で

 オーストラリアの高校新卒者で経済的に余裕のある者は、1週間ぶっ続けで仲間同士、卒業を祝う。
 これをスクーリーズという。
 土地もゴールド・コーストのような観光地が選ばれる。
 そのために何百ドルかを出費し、予約を請け負った企業が金を持ったままドロンするという詐欺事件も起きているが、そうでなくとも未成年の飲酒、公共の場での飲酒、迷惑行為、公務執行妨害、不法薬物所持などで毎年逮捕者が出る。

 11月18日金曜日、QLD州ゴールド・コーストでは、1日早くすでにスクーリーズ逮捕者が出ている。
 1人は泥酔で逮捕され、3人はアルコール違反通告を受けた。
 ただし、18日の逮捕者は、スクーリーズはほんの一部。
 それ以外に逮捕者29人、起訴容疑合計35件、さらに4件のドラッグ容疑者逮捕もあった。

 19日から約1週間、35,000人の新高卒者がゴールド・コーストで連日大騒ぎする。
 そのため、サーファーズ・パラダイス都心部には新しく防犯カメラが設置され、ゴールド・コースト警察には、迷惑行為ゼロ・トレランス取締りの一環として新型のヘリコプターが配備された。
 警察は、スクーリーズに対して行儀良くするよう希望すると警告している。
 ゴールド・コースト警察のポール・ジーバース警視正は、「我々は群衆の動きを逐一モニターすることができるし、万が一騒ぎになりそうな気配があれば、直ちに騒ぎが大きくなる前に鎮圧することができる」と述べている。

 また、未成年のアルコール所持だけでなく、未成年にアルコールを供給する大人も厳しく取り締まる。
 未成年者にアルコール飲料を提供した者は、最高$8,000の罰金が科せられる。(AAP)


 19日からスクリーズが始まるという。
 知らなかった。
 ということは、ゴールドコースト映画祭はピッタンコそれにあわせて行われるということか。
 やばいのは金曜日の夜の2本だろう。
 終わるのは真夜中になる。
 会場のサウスポートはサーファーズパラダイスから2キロほどは離れているが。
 注意しないといけない。
 車、だいじょうぶかな。

 「スクーリーズ(SCHOOLIES)」とは高校新卒者のパーテイ、そのパーテイ期間、参加者を指す言葉。
 他に「ツーリーズ(TOOLIES」というのがあり、すでに高校卒業しているが、紛れてパーテイに入り込む連中。
 中学卒業で就職してしまったとか、高校を中退してしまったとかで、いまだスクーリーズをやっていない連中を「フーリーズ(Foolies)」、または「プリschoolies」と呼ぶ。
 フーリーズとは「愚か者」という意味だが。

 Wikipediaによれば、スクーリーズは1970年にゴールドコーストではじまったとある。
 その後、スクーリーズ・ウイークのイベントが組織されて、オーストラリア全土からゴールドコーストのスクーリーズを目指して新卒者がやってくるようになり、ゴールドコーストの伝統行事の一つになったらしい。
 この行事はオーストラリア全土でも行われており、観光的にはクリスマスまでの間、どうしても客足が遠のくので、その穴埋めに全国の観光地にひろまったようである。
 サーファーズパラダイスにとってはこの期間に数万人をスクリーズを集めるというから観光的にやめられない行事のひとつ。
 2003年の統計では、5,900万ドル(だいたい50億円)の経済効果があったという。

 毎年、ここのハイスクールでは、スクーリーズの間は危険だからサーファーズに近寄るなというお達しがでる。
 とはいえ、そのハイスクールの卒業予定者はスクーリーズに参加するのだからどうも矛盾している。
 ちなみに、学校は新卒者は卒業したものとみなし、責任は一切ない。



 日本総領事館は「この期間、危険につき」安全情報を出しています。


在ブリスベン総領事館
Consulate-General of Japan in Brisbane
http://www.brisbane.au.emb-japan.go.jp/Japanese/safety.htm

安全情報

QLD治安情報 (平成 23年11月10日)

● 「スクーリーズ」期間中における留意事項

1.「スクーリーズ」とは
  スクーリーズ(Schoolies)は、本来、高校を卒業した直後の若者(School Leavers)が、卒業を記念して同級生とともに卒業パーティーを行うものです。
  しかし最近では、卒業生以外の若者も多数集まるようになり、一部の者が過度の飲酒や薬物を乱用するなどして公衆に迷惑をかける行為を起こすなど社会問題化しています。
  特に、ゴールドコースト市サーファーズパラダイス地区及びその周辺には、毎年多くの若者が集まり、器物損壊や暴行傷害事件、強姦を含む性犯罪等が多数発生しています(警察の発表によると、昨年サーファーズパラダイスで開催されたパーティーには34,500人もの若者が参加しています。)。

2.スクーリーズの期間
QLD州 :11月19日(土)から11月26日(土)
NSW州 :11月26日(土)から12月11日(日)
VIC州  :12月03日(土)から12月11日(日)

3.期間中の留意事項
  スクーリーズに参加する若者の一部は、法定年齢を守らないで飲酒したり、薬物を乱用して騒いだり、酒に酔って自動車を運転するなどの問題を起こしています。
  昨年のスクーリーズ期間中、QLD州内においてスクーリーズ参加者の関係する事件・事故が多数発生し、875人が警察に逮捕されています。
  事件の多くは、飲酒酩酊の上公共の場所で他人に迷惑をかける粗暴な言動をしたり、乱闘騒ぎを起こしたというものでしたが、若者相手に薬物を密売したり、強盗、強姦及び強制わいせつ事件等の重大事件も発生しています。

  上記期間中、同地区周辺に滞在や旅行を予定している方は、以下の事項に注意し、被害に遭わないよう十分にご注意ください
(1).スクーリーズ期間中は、日没から翌朝未明にかけての不要・不急な外出は控える。
(2).スクーリーズ参加者の宿泊場所となる料金が安いモーテル等への宿泊は避ける。
(3).交通渋滞の発生や飲酒運転のドライバーが出ることも予想されるので、自動車で外出する場合は、防衛運転を心掛るとともに、若者によるいたずらや損壊のおそれもあるので路上駐車は避ける。
(4).18歳未満の青少年にアルコール類を提供した場合、6,000豪ドルの罰金が科せられます。

(QLD治安情報の問い合わせ先)
在ブリスベン日本国総領事館
電話番号:(07)3221-5188
FAX番号:(07)3229-0878
メールアドレス: security@tokyonet.com.au

 



 <まぐろの目玉> 



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