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今朝の夢の話である。
食事会に出ている。
難しいものではなく、普段着のまあ田舎の花見みたいな野外パーテーである。
誰でも自由に参加できるお気楽なもの。
テーブルと椅子があって、至極簡単な料理が載っている。
しかし、はす前にはアメリカ大統領がいて、
「それください」
というと、切り分けてお皿に持って渡してくれる。
夢とはありがたいものでアメリカ大統領といってもびびることもなく、そういう感情も沸かない。
どこにでもいるフツウのおっさんで、誰も気にかけていない。
目の前には大柄の女が座っている。
顔中、シミそばかすだらけで、まあ、よくこのご面相で人前に出てこれたものだと思って見ている。
いったいこのオンナ、どんな神経をして何を考えているのだろうと、どうでもいいことをおもいやっている。
もし、このツラからシミとそばかすがなくなったら、どんな顔が出てくるのだろうと、何気なく想像してみた。
ひとつひとつ顔から消していった。
「あれ、まさか」
でもやっぱりそうなってしまう。
そうだろうか。
下手に声をかけて、もし間違っていたらヤバイかも。
声をかけてくれたのをこれ幸いと、このソバカス女が思い込んでつきまとわれたのでは、たまったものではない。
などと考えながら、どうしようかと迷っている。
おそるおそる、声を出してみた。
「あの、綾瀬さん?」
このオンナ、いっとき考えて言った。
「わかりました」
ブスなんでちょっと、とは言えない。
逡巡しながらも
「もちろんです」
心にもないことを口に出してしまう。
左右に居た男どもが、会話を聞いて「綾瀬」なる言葉に思いめぐらしている。
「オー」
矢継ぎ早に、女への質問が飛んだ。
あっという間に、私は会話の外へ押し出されてしまったのである。
「綾瀬はるか」である。
このサイトでは「鎖骨のコブ」で彼女主演の映画を紹介している。
この面相が彼女のスッピンだろうか。
それとも、こういう場所にでるために、化粧でシミ・そばかすを描いたのだろうか。
たくさんの映画に出ているだろうが、印象が深いのは女座頭市『ICHI』である。
メクラであるから、あまり表情の演技はない。
だが、能面のような顔から、背筋がゾクッとするような色気というか、スゴミというか、そんなものが伝わってくる。
表情の少ない顔となると、どうも輪郭が心に残るようだ。
この輪郭にシミそばかすを貼り付けると、目の前の女が現れる、ということのようである。
それを逆にやってみただけのことである。
つまり、『ICHI』という映画が印象に残っていたので、前にいるソバカスが綾瀬はるかだと気がついた、ということである。
なんだか、とても変な解釈だが。
でも、そうなのである。
この夢、明け方に見た一瞬の夢である。
ちなみにいうと、ここに出てくるアメリカ大統領はオバマさんではない。
夢というのはよく見ているものだが、ほとんど忘れてしまうので、たいがいの場合、
「夢はみません」
という人が多い。
夢というのは上書きされる。
はじめに見た上に次の夢が書き込まれていく。
よって、通常は夢は1本しか記憶に残らない。
古いものはどんどん消されていく。
ときどき印象が強い夢を見ると、その夢だけ特別に残って、2本見たということにもなるが、それは珍しいことの部類に入る。
最後に残った夢がたった一本の夢としてつかまえられることになるのだが、多くは時の経過とともに忘れてしまうので、夢はみません、ということになる場合が多い。
一番記憶に残るのは、明け方の夢、特にもうひと眠りのとき見た夢は時間的経過が短いので、憶えていることが多い。
この綾瀬はるかの夢もそんな明け方の夢である。
綾瀬はるかのスッピンを見てみたいものである。
そばかす女、なのだろうか。
その映画を。
『ICHI』
http://www.youtube.com/watch?v=N-2w_PrblJQ&feature=player_embedded
<まぐろの目玉 2012>
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