2011年12月22日木曜日

不景気のオーストラリア:1ドル50円台へ


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● NICHIGO PRESS 2011年1月号



昨日、車の定期点検が終わったというので取りにいった。
いわゆる工業団地区画にある修理工場である。
ここにはたくさんの小さな工場があるのだが、
その半分以上がシャッターを下ろして
いる。
クリスマスを控えたこの時期はかき入れでないといけないはずであるのだが。
聞いてみた。
「閉っている工場がたくさんあるけど、この場所取り払いになるの」
答えて曰く。
「ビジネスがひどく悪くなっているようですよ」



NICHIGO PRESS 2011年12月21日
http://nichigopress.jp/ausnews/economy/32410/

経済成長、トレンドを下回る鈍足状態 
ただし、経済活動は依然として好調

12月21日付発表のウェストパック/メルボルン・インスティチュート先行指数は、3か月ないし9か月先の経済活動ペース予測値を示すものだが、9月には、長期トレンドの3.0%を下回る2.6%止まりだった。

これに対して、現在の経済活動ペースを年成長率で示す一致指数では、3.5%と大きく、長期トレンドの3.2%を上回っている。
経済活動指数のレベルも10月には0.4ポイント(0.1%上昇)拡大している。
ウェストパックのビル・エバンズ主任エコノミストは、
「この数字は、2012年にはトレンドをわずかに下回る成長率になるという当銀行の予想と一致している。
7月8月にトレンドを上回る成長率が現れたが、それもすぐに消えてしまった。
2011年初め以来、一般的には『トレンド前後』だったというのが妥当なところだと思われる」
と語っている。

また、調査回答者は、ある種の二速経済が進み、企業収益や生産性が経済成長に占める割合が大きくなるが、一方で製造部門製品価格や住宅認可件数などは低空飛行が続くと予想している。
エバンズ氏は、
「中銀は、オーストラリア経済が2つの経済状態の性格を併せ持っていること、ヨーロッパ財政問題が波及する危険が常にあることなどを考慮し、12月6日の理事会で利下げを決めた」
と分析している。
12月6日の中銀理事会は、11月に続いて25ベーシス・ポイント利下げし、政策金利は4.25%になった。
また、20日に利下げの根拠を示す議事録を発表している。
エバンズ氏は、
「ヨーロッパ財政は徐々に悪化していくと見られており、オーストラリア経済も利率に敏感な部門は依然として弱気が続く。
次の中銀理事会が開かれる2月7日にもさらに利下げする余地がかなりある」
としている。(AAP)


何度も繰り返すが、オーストラリアは不景気である。
ただ中国への資源輸出があるので、ヨーロッパのような経済危機が訪れてこないだけ。
この現実に目をつぶって数字だけをこねくり回していると、ドカーンとくる可能性がある。
賃金と物価の高さは異常、と言っていい。
こんなことで経営が成り立つはずがない。
儲かっているのは、保険会社と銀行だけ

いくら利下げしてもだめだろう。
賃金と物価を抑えることがまず先決である。
それがなければ、成長は上向かない。
のんびり資源の背中に揺られて過ごせるという幸運は何時まで続くだろう。
大丈夫、なにせたった3千万の人口しかないのだから。
羊は約8千万頭というから、潰れたらマトンで食いつなぐこともできる。
ペットフードでお馴染みのカンガルーは約6千万頭という。
マトンがあきたらペットフードもある。
(ちなみに牛は2,700万頭である)
「慌てず、騒がず、時計は持たない」
というのがオーストラリア国民の心情である。
幸せの青いろのフラッグ」である。



NICHIGO ONLINE 2011年12月22日
http://nichigopress.jp/ausnews/economy/32474/

ムーディーズ、豪のトリプルAを保証  
「これは豪経済運営の国際的評価」と財相

12月22日、オーストラリア連邦政府のウエイン・スワン連邦首相代理は、
「国際格付け会社ムーディーズがオーストラリア経済の格付けを最高のトリプルAと評価した」
と発表している。

現在、連邦首相代理を務めるウエイン・スワン財相は、
「これは、オーストラリアの国家財政と経済ファンダメンタルズの手堅さを国際格付け会社が認めたことを示している。
他の先進経済国が軒並み格付けを下げられるか、引き下げを検討されている時に、オーストラリアの経済は金箔付きのAAA格付けだ。
ムーディーズは、我が国の財政力と小さな負債に注目し、政府の財政政策に折り紙を付けた」
と述べている。
一方、ムーディーズは、
「オーストラリアのトリプルAは、豪経済の持久力の強さ、政府の財政能力の高さ、リスクに対する高い耐久力などを根拠にしており、同国の経済的持久力は、国民一人当たりの所得の高さ、規模の大きさ、経済的多角性などで証明されている。
同国は世界の最先進経済国の一つとして、鉱物、炭化水素、農業など、巨大な資源部門を抱えるだけでなく、高度な製造部門やサービス部門も擁しており、ガバナンスでもその指標の高さは明らかにされている」
と述べている。
スワン財相は、
「11月にも、オーストラリア経済はフィッチ信用度格付けでトリプルAを受けている。
今年、オーストラリアは、スタンダード&プアを加え、国際格付け会社3社からトリプルAの格付けを与えられた。
これはジョン・ハワード保守連合政権時代にもなし得なかった快挙だ。
これまで、野党保守連合のトニー・アボット氏や、財務スポークスマンのジョー・ホッキー氏は、オーストラリア経済の状況を常に暗く、悪く言ってきたが、彼らがどれほど間違っていたかを示すものだ」
と語っている。(AAP)


豊かな農業と飼育が残っている。
羊とカンガルーがいるぜよ !


日本食品店へいったら NICHIGO PRESS の来年1月号がおいてあった。
その記事の中で目についたのが、「今年、豪ドルは50円台へ」という薄ら寒い内容のもの。
コピーしようと思って探したがONLINEには載っていないようなのでタイプしてみる。


今年、豪 ドルは50円台へ

 

欧州危機は収まりがつかなくなってきました。
イタリア国債の利回りは7%を超え、支援を余儀なくされる水準を超えてきました。
今年(2012年)2,3月には国債の大量償還も控えています。
仮に、イタリア危機を収束させることができたとしても、次はフランスが控えています。
ユーロの安定にはまだまだ時間がかかりそうです。

こうした欧州債務問題が世界の株式市場まで悪影響を与えています。
問題が起きる度に株価が急落するということが繰り返されています。
ユーロ圏は緊縮財政を余儀なくされる中、来年には欧州景気はマイナス成長に陥る可能性が高まっています。
昨年(2011年)11月10日に 欧州委員会が発表した、2012年ユーロ圏17カ国の実質GDPは0.5%成長とのことですが、見通しが甘いと思います。
頼みの中国も、欧州への輸出減少から悪影響を受けるでしょう。
アメリカ景気も第3i四半期 は+2.5%と成長を見せましたが、再び成長が鈍化し、リセッションへ向かう可能性が高まっています。
欧米株価もまだ高値圏にありますが、景気後退 とともに下落相場へ移っていくことになるでしょう。

豪ドルは、世界景気が悪化し、投資家の態度がリスクオフになると急落する通貨です。
直近では、リーマンショック時に54円台まで売られました。
豪ドルは1983年に変動相場制に移行して以来、対米ドルで0.9から0.5ドル台を往来しています。
この20年の豪ドル安値を拾っていきますと
1995年05月に「58.76円」
2000年10月の「55.52円」
2001年09月の「55,99円」
2008年10月の「54,96円」
2009年02月の「55,52円」
と50円台をつけています。

1995年は日本にとって超円高時で、ドル円が80円を割った時であり、2000年、2001年はシドニー・オリンピック終了後の不況によるものです。
2012年は世界景気がかなり落ち込むことが予想され、豪ドルも60円を割る事態となる可能性が高まっています。
その時こそ、円を持っている人は、豪ドルを一気に買い込みましょう。

読者の皆さんは豪ドルを保有していると思いますが、豪州で暮らしている以上、円に替える必要はありません !
それよりも今後の金利 低下に備えて、今のうちに長期の預金で運用することが大事です。
長くても数年で再び強い豪ドルに戻ります。




さて、この方の薦めている長期預金とはいかなるものか。
ANZ銀行の定期預金金利を見てみる。



見難いですので、タイプしてみます。

3ケ月     5.5%
4ケ月     5.0%
5ケ月     5.6%
1年      5.0%
2-4年    5.3%
5年      5.8%

3ケ月ものが4ケ月ものより一割ほど利息がいい。
そして5年ものを除けば「5ケ月」ものが最も高金利である。
1年ものより一割以上レートがいいのである。
こうなるともはや言いようがないアホさ加減。
5ケ月の短期勝負で未来をまったく考えていない発想にして行動。
これでは誰も貯蓄に精出すなんてことはまったく考えなくなる。

そんなことはさておいて、5%は保証されるのがここの銀行預金。
しかし、変動金利なのであっと言う間に3%に落ちることがある。
長く寝かせると物価のほうが大きくなってしまうので、これも要注意。
でも筆者の言でいけば強い豪ドルになるまで5年レートで預金しておいたほうが賢いということでしょう。
でもね、それはお金持ちの話ですよね。

世界が不景気あろうとなかろうと、なにしろ安定しているのが「円」
あまりに固すぎるのでその分、 人気がない。
人気がないから、「日本の没落」などという人がいる。
こういう連中は井の中のカワズ。
外からみる日本は恐るべき国。
何があろうと「不動のジャパン」といった風情。
日本は常に世界のトップにある。
一歩先んじた先進国として
常に新たな課題に遭遇する運命を担っている。
世のオシャベリ連中はそれをはやしたてるが、とんでもないこと。
かくもすごい国は他には見当たらない。



NICHIGO ONLINE 2011年12月30日
http://nichigopress.jp/ausnews/economy/32649/

世界経済不安で国内企業倒産失業も  
豪商工会議所が2012年の国内経済予想

12月29日、国内大手経営者団体が、
「このまま世界経済不安が続けば、国内にも波及し、さらに企業の倒産が続き、失業者も増える」
と警告している。
豪商工会議所のピーター・アンダーソン会頭は、
「2012年、国内経済が成長を続け、連邦政府の財政黒字回復を確保するためには、もっと富の創出と事業利益に頼らなければならない。
残念ながら、2012年も、世界経済成長の低下が予想され、7月からは事業コストが増えることが予想されるため、企業倒産と失業率の増大の危険が続く。
連邦銀行が2か月続けて政策金利引き下げを決めたことは前途の多難さを物語っている」
と警告している。
年末も、消費者は、海外の経済の状況が悪いことを告げるニュースが続いていることから依然として消費には慎重で、小売業界も四苦八苦している。
アンダーソン会頭は、
「事業利益性を考え直す必要がある。一般国民が公共料金や住宅ローン返済に悪戦苦闘している一方で、銀行など大手企業の10億ドル単位の利益が厳しく批判された。
2012年こそ、事業が利益を挙げれば、汚い言葉を浴びせられる代わりに、安堵のため息が漏れるようにならなければならない。
2012年こそ、企業が利益を挙げることをかけ声にしなければならない」
と語っている。
会議所のかけ声に先立って、連邦政府のウエイン・スワン首相代理は、
「2012年度の会計予算案を作成しているが、最新の世論調査でも、労働党は有権者から厳しい批判を浴びている」
と語っている。(AAP)






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