● 2010年の定刻帰宅運動キャンペーン
今年は「November 30」である
『
NICHIGO PRESS 2011年11月20日
http://nichigopress.jp/ausnews/news/30655/
ラップトップと携帯はトロイの木馬
仕事が家庭での余暇の時間を侵食
11月19日、オーストラリア・インスティチュートは、
「週平均労働時間では、オーストラリアは先進国でも最も長いグループに入っている。
また、会社から携帯電話やラップトップ・コンピュータを支給されると勤務時間外にも持ち帰り残業をしなければならない気持ちになっている」
と分析している。
仕事がますます家庭での余暇の時間を侵食しており、左派系シンクタンク、オーストラリア・インスティチュートの調査報告書は、このような持ち帰り残業を「時間汚染」と呼んでいる。
報告書の中で、インスティチュートのジョッシュ・フェア副所長は、
「過去一週間に持ち帰り残業したかという質問では、調査対象の回答者のうち、
会社から仕事道具を支給されている人は8人に7人が『持ち帰り残業した』
と答えている。
これに対して、仕事道具を支給されていない人では持ち帰り残業したと答えた人は半数に留まっている。
ラップトップやスマートフォンを仕事上の役得と考えている労働者は多いが、その仕事道具が家庭での自由時間に食い込んでいる。
オーストラリア労働者の労働時間は先進国中でも最長グループだが、テクノロジーの発達は労働者を仕事から解放するどころか、労働者を常にスタンバイの状態に置く結果になっている」
と分析している。
同シンクタンクは、11月30日を第3回
「Go Home On Time Day:定刻帰宅運動」
の日として、同日には終業時刻になればさっさと家に帰ろうと呼びかけている。
この運動は、オーストラリアの職場の超過勤務の長さと超過勤務が職場、健康、社会に及ぼす影響に注意を喚起することを目的としている。
調査は2011年7月に実施され、国民1,384人(うち845人が有給労働者)に職場慣行を質問した。
23%が持ち帰り残業が当然になっていると答え、15%がしばしば持ち帰り残業が必要と答えている。
また、高所得者ほど仕事が家庭に侵入する傾向がある。
会社が持ち帰り残業を禁じているのはわずか8%だった。
また、持ち帰り残業していると答えた人のうち半数以上が、
「持ち帰り残業には賃金が支払われない」
と答えている。
また、回答者の24%が、会社側が携帯電話やラップトップを支給しており、
「勤務時間外にも仕事ができるようにしている」
と答えている。
しかし、64%が
「家庭での余暇を楽しむことが難しくなった」
と答え、「問題なし」としているのはわずか10%だった。(AAP)
』
「オーストラリア労働者の労働時間は先進国中でも最長グループ」だそうである。
つまるところ、オーストラリア人は働かない、ということでもある。
若き日に小さな事務所に勤めていたが、「打ち切り残業30時間」というのがあって、給与にはじめから30時間分の残業手当がついていた。
ただし打ち切りであるため50時間の残業をやっても30時間しか支払われなかった。
大学同級生の職場は内装関係で夜間作業が多く、なんと「100時間打ち切り残業」であった。
今、友人の娘は東京でレストラン関係の営業をやっているが、出ていくのは朝の10時頃だが帰ってくるのは深夜という。
飲食店は夜の仕事。
そこを回って帰ってくると、終電になることもあるらしい。
仕事柄、土日は出勤。
パソコン携帯支給でただひたすら働いているらしい。
なにしろ日本はワーキングプアが溢れている社会。
その職場に就職できたのも十倍という難関を突破してのことだというから、
日本で働くというのはとてつもなく厳しい
ということである。
それがいやなら、引きこもるしかない。
引き篭もれるならそれにこしたことはないが、それを可能にしてくれるのは親の財力。
家がなく、親の収入が少ないなら、嫌が応うでも働かねばならない。
「働く」ということが貴重にして過酷になりつつあるのが昨今の日本ということになる。
モノがあふれ、そして人口があふれているのが日本。
モノを減らすか、人口を減らすか、どちらかしか選択の道はない。
日本人も結構モノを減らしているようだが、やはり文明の利器ってやつは、ちょっとしたスキ間からも忍び込んでくる。
とすれば、人を減らすしかない。
あと40年、2050年ころは1憶人くらいになるという。
それまでは、ワーキングプアの時代は続くようだ。
実際には今の社会システムを維持していくとすると、
8千万人から9千万人の間が「日本列島の人口キャパシテイ」
だという。
とすると、今の若者が老人ホームに入るころに日本はやっと適正化するということになる。
道のりは遠い、はるかに先。
それに対して、オーストラリアはいいよな。
人口はすくないし、まったく、ラッキーカントリーだ。