● 壁絵に描かれたホールデン?
オーストラリアの車といえば「ホールデン・コモドア」
唯一のオーストラリア設計生産車種。
昔は国産愛用の思い入れがあり、非常な人気があった。
いっときは海外輸出までしたのだが。
近年、それが見事に急落した。
そして、もしかしたらオーストラリア設計の最後の車になるかもしれないという記事が出ていた。
『
NICHIGO PRESS 2011年11月3日
http://nichigopress.jp/ausnews/businessnews/30069/
「次のコモドアが最後のオーストラリア車」
技術者の発言にホールデン社長反論
11月3日のABCラジオに出演した、ホールデン社のコモドア設計エンジニアが、
「2014年に発売される次のモデルが、オーストラリア独自設計の最後の車になるかも知れない」
と語った。
Association of Professional Engineers, Scientists and Managers (APESMA、技術者科学者管理職組合。
協会を名乗っているが、労働争議権を持つ登録団体で事実上の労働組合)のクリス・ワトソン会長は、
「ホールデン社の管理職が、ファミリー・カー、コモドアの次のモデル発表後は、オーストラリアでは創らなくなるかも知れないと示唆した」
と語っている。
オーストラリアのホールデン社は、アメリカの大手自動車会社ゼネラル・モーターズ社の子会社で、1948年以来、オーストラリアで設計された自動車を製造してきた。
ワトソン氏は、
「会社のかなり上の幹部が、コモドア2014年型がオーストラリア最後のモデルになる可能性が強いと言っていた」
と語っており、それが事実とすると、ポート・メルボルンのホールデン社工場で働いている250人から300人ほどのエンジニアが失業することになる。
キム・カー産業大臣も、
「政府は、自動車メーカー各社と、将来的な投資計画について話し合っている。
この業界は資本集約型であり、決定は長期ベースで行われる。
しかし、ホールデン社が今後ともオーストラリア国内で自動車設計をするとは保証できない。
2014年のモデルはオーストラリアで製造されると期待している。
これらの問題については、自動車会社と協議を続けている」
と語っている。
技術者組合では、
「ホールデン社が、コモドアの設計作業を海外に移すことになった場合、車の設計にはしばらくの準備期間が必要なため、同社は2か月以内に技術者を減らしていくことができる。
私達としては、ホールデン社が、2014年以降もコモドアのオーストラリア設計を続けていくと言ってくれればありがたいが、今後2,3か月の間にそのような話にならない限り、
ホールデン社の技術者は、2012年第1四半期から徐々に失業していくだろう」
と予想している。
しかし、ホールデン社は声明で、まだ、コモドアの将来について何の決定も出していないとしており、
「今日、メディアで取り上げられた問題は、オーストラリア製の新車種は、2010年代末になるまで未定だということで、最終的な決定は出ていない」
と述べている。
また、ゼネラル・モーターズ・ホールデン・オーストラリア社のマイク・デベリュー代表取締役は、
「APESMAがなぜそういうまったく根拠のない発言をするのか理解できない。
ホールデン社の車、たとえばコモドアだが、現在100%オーストラリア設計、開発、製造だし、今後何年も何年も100%オーストラリア設計、開発、製造のままだということを言明する。
APESMAのクリス・ワトソンの不適切な発言でメディアが大騒ぎするのが不思議でならない。
次世代コモドアは、ポート・メルボルンで設計・開発されたし、これからアデレードで量産化する。
実際のところ、我が社の緊密なパートナーが、通常の交渉の過程で根も葉もない話を公開するというのはわけが分からない」
と語っているが、それ以上は明かさなかった。(AAP)
』
● 州警察のコモドア・パトカー
なぜ、こういうことになったのか。
それはビッグスリーの没落と同じパターンを踏んでしまったから。
以前はタクシーの車種は「ホールデン・コモドア」と「フォード・ファルコン」の2種しかなかった。
室内はひろびろとし、タクシーに乗っているという感じがした。
遙か昔、日本でタクシーが出始めたころ、たしか小さなルノーは60円で、中型ヒルマンが80円だったと思ったが。
その後国産車に替わって、クラウンとコロナが走り始めたが、値段に差があった。
大きさで値段がかわったのである。
そういえば、軽自動車はタクシーには採用されなかった。
安全上の問題があったのかもしれない。
でも、沖縄では軽四輪のトラックを改造したタクシーが走っていた。
非常に安く、交通機関のあまり発達していなかった沖縄ではこれが足になった。
今、コモドアの、あるいはファルコンのタクシーは全く見かけない。
乗りたくても乗れない。
では、今のタクシーとはなんなのか。
トヨタの「プリウス」と「カムリ」の2車種のみ。
どちらもハイブリッドである。
コモドアとファルコンは大型車、カムリは中型車、そのカムリよりさらに小さいのがプリウス。
タクシーから大型車が消えてしまった。
図体のデカイ、オーストラリアンがよくままあんな小さなプリウスなんかに乗るよ、と見ているのだが。
昔ならスーと乗れたのに、今では体のあちこちをカクンカクンとおらないと車内に入れないほど。
タクシーに乗るためには、まずダイエットしないといけなくなっている。
そういう外圧でもないと、ここの肥満は収まらないからいいことかもしれないが。
と、また悪口を言ってしまう。
● プリウスのタクシー
少し古い記事。
『
NICHIGO PRESS 2007年6月17日
http://nichigopress.jp/ausnews/economy/5753/
乗用車維持費が40%上昇
温室ガス排出問題でますます厳しくなる眼
6月14日、NSW州のドライバー団体NRMAが、2007年の年次報告書を発表した。
報告書によると、国内でもっとも一般的なファミリー・セダンの維持費が、この5年間で40%近くも上昇している。
報告書は、燃料価格、保険料、償却費という目に見えないコストなどが維持費を押し上げている。
週平均コストを見ると、ホールデン・コモドア、フォード・ファルコン、三菱380、トヨタ・オウリオンが週$265.97で、同等の車種を2002年比較で調べると、週$73の維持費上昇となった。
維持費がもっとも安いのはヒュンダイ・ゲッツで、
もっとも高いのはトヨタ・ランドクルーザー・サハラ
となった。
平均的に見ると、乗用車の維持費はこの5年間で
小型車なら33%、
中型車で41%、
ピープル・ムーバーと呼ばれる7人掛け乗用車は39%の上昇になった。
NRMAのモータリング・サービスのアラン・エバンス会長は
「オーストラリア国民平均は、週給の4分の1近くを自家用車の維持費に注ぎ込んでいる。
これだけの支出を占めている。
家族にはこたえる額だし、車を買う時にも燃費や車両の種類を慎重に検討することが求められるようになった。
ハイブリッドなどの環境に優しい車の売れ行きは過去12か月で倍になっているが、維持費は安くない。
パーセンテージで見ると、ハイブリッドやその他の燃費のいい車種は自動車購入価格が高い傾向があり、価値下落も早い。
そのため、燃料費で節約してもその分だけ他の支出で相殺されてしまう」
と語っている。(AAP)
』
1990年代のこと、ガソリンはリッター40セント台であった。
あるときツーウンバへいったが、ここで52セントというのを見て、「タケーな」と思い、入れるのをやめた。
ツーウンバは盆地で高台になる。
坂を下ったら、48セントと落ちた。
坂の上下でこれだけガソリンの値段が変わっていたのである。
50セント以下というのはそのころ標準だった。
1ドル90セントくらいのときであったから、日本円なら45円くらいであろうか。
それから原油価格の高騰で上がるわ上がるわ。
エッツと思ったら70セント、瞬く間に1ドルをオーバーし、今では1ドル40セントから1ドル50セントの間。
ガソリン価格は十数年でなんと3倍の値段になった。
今は変則的な円高に触れて比較の対象になりませんが、数年前は1ドル100円だった。
その時で比較すると日本もオーストラリアも同じほどのガソリン値段ともいえる。
値段が1ドルをオーバーした時から、4WDが中古市場に出回った。
いっとき流行った4WDブームで誰もが手を出した。
が、何しろリッター数キロしか走らないシロモノ。
ガソリン価格の上昇にもちこたえられなくなった消費者が一斉に売りに出したのである。
この時を境に、タクシーはプリウスとカムリに、あっという間に変わった。
日本なら都市部のタクシーはすべてプロパンである。
でもここはガソリン。
よってタクシー会社にとって、ガソリンの高騰は利益を直撃する。
購入価格が高くても、ガソリン消費が売り上げに直結する業種にとってはいかほどのこともない。
十分採算がとれるし、利益もはるかに出る。
トヨタはメジャーな車になり、ホールデンは一部消費者の好みの車になってしまったのである。
ファルコンはどうなったか。
巷から姿を消した。
よほどじゃないとお目にかからなくなった。
『
オーストラリア生活情報WEB 2008年7月20日
http://news.jams.tv/jlog/view/id-4291
人気車、ホールデンのコモドア、燃費の悪い車1位
【キャンベラ20日AAP】
ドライバーが高騰するガソリン価格の対応方法に悩む中、オーストラリアで販売台数が多い人気車の中で
ホールデンのコモドアが最も燃費が悪い
ことが分かった。
連邦政府は消費者に対し、ガソリンを最も消費する車のランキングを公表した。
燃費の悪い車の1位はコモドアで、年間ガソリン代は2430ドルで、二酸化炭素の排出量は3.8トン。
2位はフォードのファルコンで、年間ガソリン代 は2272ドルで、二酸化炭素の排出量は3.6トン。
3位はマツダのスリーで年間ガソリン代は1845ドル、
続いて4位はトヨタのカローラが1672ドルだっ た。
最も燃費が良い車種はトヨタのヤリスで、年間ガソリン代が1350ドル。
また、ハイブリッド車の中では
トヨタのプリウスが最もガソンリン代がかからず、
年間ガソリン代は990ドルで、二酸化炭素の排出量は1.6トンだった。
このランキングは政府のグリーン車両ガイド、www.greenvehicleguide.gov.auで閲覧できる。
アンソニー・アルバネーゼ連邦交通相は、同ウェブサイトは消費者がより環境に優しいライフスタイルを選択するこを支援するものとした。
』
これでみると、コモドアはプリウスの約2.5倍のガソリンを消費する。
ファルコンは2.3倍である。
タクシー会社がハイブリッドに切り替えるのもうなずける。
● プリウス・タクシーとアクアダック
日本が省エネ車に精力を注ぎ込んでいたとき、ホールデンはカッコいい車に力点をおいて開発していた。
そして、ビッグスリーと一蓮托生の運命をたどることになった。
もう、オーストラリアでは自動車設計はできないという。
例えばヒュンダイ(現代自動車)はハイブリッドと電気自動車からの撤退を宣言した。
なぜなら、この2つの車、周りが特許の山で囲まれてしまっていて、手出しできない状態にあるからである。
とりあえず作って発表したハイブリッドはただ電池を積んでいるエンジン車で、十数キロしか走らない。
普通のガソリン車より、3,4キロ余計に走るだけ。
これでは購入費、維持費のほうが高くついてしまう。
ハイブリッドの根幹部分に手を出すと特許に触れてしまうのだ。
ハイブリッドの根幹部分に手を出すと特許に触れてしまうのだ。
よって見た目だけのハイブリッドであった。
ヨーロッパとアメリカの規制は年を追うごとにシビアになっていく。
とするとヒュンダイはこれからどうするのか。
少々ガソリン消費のいい車を何とか作って、規制のゆるいアジア・ロシア・アフリカ・南アメリカをターゲットにするしかなくなってきている。
ガソリン値段は決して下がることはない。
エンジン自体の技術はすでに完成品となっている。
もうこれ以上の改良はないほどに、完成されてしまっていると言われている。
この概念に真っ向挑戦したのがマツダ。
それを可能にしたのがスーパーコンピュータだという。
開発するとは、すなわちスパーコンピュータを使ってのシュミレーションの実行
だった、という。
人力の限界壁を打ち砕くのはコンピュータの仕事というわけである。
そして生まれたのが、「スカイアクテイブ」。
ヒュンダイの生きる道が既存エンジンなら、この方向へ向かわざるをえないが、これもすでに特許の砦となってしまっている。
ニッサンはエンジンではなくターボチャージャーで挑戦しようとしている。
おそらく、そこも特許の壁ができているだろう。
ヨーロッパとアメリカの規制は年を追うごとにシビアになっていく。
とするとヒュンダイはこれからどうするのか。
少々ガソリン消費のいい車を何とか作って、規制のゆるいアジア・ロシア・アフリカ・南アメリカをターゲットにするしかなくなってきている。
ガソリン値段は決して下がることはない。
エンジン自体の技術はすでに完成品となっている。
もうこれ以上の改良はないほどに、完成されてしまっていると言われている。
この概念に真っ向挑戦したのがマツダ。
それを可能にしたのがスーパーコンピュータだという。
開発するとは、すなわちスパーコンピュータを使ってのシュミレーションの実行
だった、という。
人力の限界壁を打ち砕くのはコンピュータの仕事というわけである。
そして生まれたのが、「スカイアクテイブ」。
ヒュンダイの生きる道が既存エンジンなら、この方向へ向かわざるをえないが、これもすでに特許の砦となってしまっている。
ニッサンはエンジンではなくターボチャージャーで挑戦しようとしている。
おそらく、そこも特許の壁ができているだろう。
エンジンも周辺増強装置も手の出せる状態にはない。
ヒュンダイはどうするか。
そして欧州車は。
生き残れるのはどこか。
こんな状況ではとても
古いタイプのホールデン技術では最先端の設計は物理的に無理
といった環境になってしまっている。
ガソリンがぶ飲みの車は、ステイタスかあるいは趣味でないともてなくなっている。
ホールデンは嗜好レベルでのマイナーな車の生産会社として生きていくしかなくなってきている、ということなのだろう。
ちなみに私がのっているのはヤリス(日本名ビッツ)。
親戚の娘がこういう、「腐れビッツ」
なるほどね。
確かにガソリンは食わないが、ひでえ車。
でもね、車なんてものは今はステイタスではないんだよ。
ママチャリの高級版に過ぎないのだよ。
だれが、ママチャリに等級をつける。
走ればいいだけの足なんだよ。
と、慰めながら乗っている。
ときどき、カムリを運転するとほっとする。
「そうだよな、少なくとも車はこうでなくちゃ」
● カムリのタクシー
オーストラリア設計の車は早晩消えていく。
技術が追いつかない。
趣味レベルの特殊ビークルで生き残れるかもしれないが。
もしかして、替わって中国の車が入ってくるかも。
少々故障が多いが、燃料を食わず、そしてなにしろ安いってヤツ。
まずそれは無理か。
しばらくは、プリウスとカムリの天下がつづきそうである。
========
その後
========
オー、ホールデンは新技術車を開発したのか、と心はずませ読んだが、出てきた名前が「Volt」
これ、GMのボルトではないか。
そしてこの車、韓国製のリチュウム電池が発火するといういわくつきのシロモノ。
『
NICHIGO ONLINE 2011年12月9日
http://nichigopress.jp/ausnews/businessnews/32002/
ホールデン社、新型電気自動車発表
世界初の長距離走行可能なモデル
12月9日、自動車メーカーのホールデン社は、世界初の無充電で長距離を走れる電気自動車を発表した。
同社は、「これで自動車産業の流れが大きく変わる」としている。
これまでの電気自動車は1回の充電での走行距離が短く、しかも都市部を離れると充電器を備えた給油所がないため、使える地域が限られていた。
シドニーで開かれた発表会で披露された
「新型電気自動車 Volt」
は、電動機だけなら状況により60kmから80kmほどと従来と変わらないが、ペトロール内燃機関も備えている。
これだけなら従来のハイブリッド・カーと同じだが、Voltは内燃機関が発電機と直結しているところが異なる。
この発電機の電力を電動機に送れば、無充電で500km以上走れる。
充電時間は約4時間、フル充電料金はコーヒー1杯程度で、オーストラリア国内発売は2012年後半を予定しており、価格は5万ドルから7万ドル程度となる見込み。
同社のマイク・デベルー代表取締役は、
「これまで、長距離を走れないということで電気自動車購入をためらっていた人もこれでためらう理由がなくなった。
Voltは、ホールデン社にとっても、自動車産業全体にとっても、流れを変える製品だ」
と語っている。(AAP)
』
何も変えやせん。
『
NICHIGO PRESS 2012年1月11日
http://nichigopress.jp/ausnews/politics/33074/
政府、フォード、ホールデンと交渉継続
国内生産と雇用の継続を求めて 連邦政府は、ホールデン社、フォード社と、国内生産継続をめぐって交渉を続けている。
1月10日、連邦とSA州政府は、ホールデン社の豪国内での設計、開発、製造の継続を求めて同社と交渉を続けてきた結果、妥結に近づいていると報道されている。
同社の親会社ゼネラル・モーターズ(GM)社にとっては、依然として国内生産停止も選択肢の一つとして残っている。
連邦、州両政府は、ホールデン社の生産継続で雇用と地元部品産業の維持を確保したいとしている。ジェイ・ウェザリルSA州首相や連邦のキム・カー製造業担当大臣をデトロイトに迎えたホールデン社会長兼専務取締役のマイク・デベリュー氏は、「話し合いは前向きだった」と語っている。
デベリュー氏は、
「現在、自動車業界は各社とも将来性のある車種生産に向けて膨大な金を投資しており、GM社にとっても他の企業に取っても、オーストラリアでの生産に投資するに足るような一貫した競争力のある長期的方針があるかどうかが問題になる」
と語っている。
また、会談の一環として、豪国内自動車部品産業が世界市場に参加できる手だてを考えるということで合意があった。
ホールデン社は、国内では4,800人を雇用しており、アデレードの組み立て工場では2,500人が働いている。
また、連邦や州の政府からホールデン社に助成金が出る場合も、車両、製造部門の効率と競争力を引き上げることに充てられる。
フォード社との交渉も進み、VIC州の同社では、総額1億300万ドルの生産設備改善投資が決まり、同社代表車種ファルコンを少なくとも2016年までは生産継続することで合意した。
これで3,500人の雇用の継続も確保された。
2011年には同社の売上が3分の1以上も落ち込んでおり、連邦、州両政府の出資でファルコン生産設備の改善を行っている。
ピーター・ライアン州首相代理は、
「同社の発表で、ジーロングとブロードメドウズの同社工場の雇用が確保された。
特にフォード社では、生産部門だけでなく、真っ先にカットされるのは300人を擁しているデザイン関連部門だという不安があった。
しかし、それも確保された」
と語っている。
オーストラリアでは、自動車産業の長期的な見通しに以前から否定的な見方があったが、ジュリア・ギラード連邦首相は、
「オーストラリア政府は、今後も国内自動車製造産業を維持することで決意を固めている。
世界金融危機の際にも、オーストラリアの自動車産業には将来性がないと言われたが、政府は、ホールデン、フォード、トヨタと協力して生産継続を獲得してきた。自動車業界が設計から生産までを行っている国はそれほどないが、オーストラリアはその数少ない一つだ」
と語っている。
同社では昨年ファルコンの販売高が36.5%低下したが、今後タイヤ、トランスミッション、車体の航空力学的設計を変更し、二酸化炭素フットプリントを5.3%引き下げることを目指し、2014年には新型車を発表する。(AAP)
』
今のところバケツをひっくり返しても暗い見通し。
援助金目当てなら別だが。
「豪国内自動車部品産業が世界市場に参加できる手だて」など見当たらない。
賃金、物価が高く、技術的に低すぎるオーストラリアには部品産業は育たない。
世界に出たいなら、賃金を抑え、物価を抑えることがまずなにより大切。
そして、いまのオーストラリアではまったくもって希望のないことでもある。
<まぐろの目玉>
_
そして欧州車は。
生き残れるのはどこか。
こんな状況ではとても
古いタイプのホールデン技術では最先端の設計は物理的に無理
といった環境になってしまっている。
ガソリンがぶ飲みの車は、ステイタスかあるいは趣味でないともてなくなっている。
ホールデンは嗜好レベルでのマイナーな車の生産会社として生きていくしかなくなってきている、ということなのだろう。
ちなみに私がのっているのはヤリス(日本名ビッツ)。
親戚の娘がこういう、「腐れビッツ」
なるほどね。
確かにガソリンは食わないが、ひでえ車。
でもね、車なんてものは今はステイタスではないんだよ。
ママチャリの高級版に過ぎないのだよ。
だれが、ママチャリに等級をつける。
走ればいいだけの足なんだよ。
と、慰めながら乗っている。
ときどき、カムリを運転するとほっとする。
「そうだよな、少なくとも車はこうでなくちゃ」
● カムリのタクシー
オーストラリア設計の車は早晩消えていく。
技術が追いつかない。
趣味レベルの特殊ビークルで生き残れるかもしれないが。
もしかして、替わって中国の車が入ってくるかも。
少々故障が多いが、燃料を食わず、そしてなにしろ安いってヤツ。
まずそれは無理か。
しばらくは、プリウスとカムリの天下がつづきそうである。
========
その後
========
オー、ホールデンは新技術車を開発したのか、と心はずませ読んだが、出てきた名前が「Volt」
これ、GMのボルトではないか。
そしてこの車、韓国製のリチュウム電池が発火するといういわくつきのシロモノ。
『
NICHIGO ONLINE 2011年12月9日
http://nichigopress.jp/ausnews/businessnews/32002/
ホールデン社、新型電気自動車発表
世界初の長距離走行可能なモデル
12月9日、自動車メーカーのホールデン社は、世界初の無充電で長距離を走れる電気自動車を発表した。
同社は、「これで自動車産業の流れが大きく変わる」としている。
これまでの電気自動車は1回の充電での走行距離が短く、しかも都市部を離れると充電器を備えた給油所がないため、使える地域が限られていた。
シドニーで開かれた発表会で披露された
「新型電気自動車 Volt」
は、電動機だけなら状況により60kmから80kmほどと従来と変わらないが、ペトロール内燃機関も備えている。
これだけなら従来のハイブリッド・カーと同じだが、Voltは内燃機関が発電機と直結しているところが異なる。
この発電機の電力を電動機に送れば、無充電で500km以上走れる。
充電時間は約4時間、フル充電料金はコーヒー1杯程度で、オーストラリア国内発売は2012年後半を予定しており、価格は5万ドルから7万ドル程度となる見込み。
同社のマイク・デベルー代表取締役は、
「これまで、長距離を走れないということで電気自動車購入をためらっていた人もこれでためらう理由がなくなった。
Voltは、ホールデン社にとっても、自動車産業全体にとっても、流れを変える製品だ」
と語っている。(AAP)
』
何も変えやせん。
『
NICHIGO PRESS 2012年1月11日
http://nichigopress.jp/ausnews/politics/33074/
政府、フォード、ホールデンと交渉継続
国内生産と雇用の継続を求めて 連邦政府は、ホールデン社、フォード社と、国内生産継続をめぐって交渉を続けている。
1月10日、連邦とSA州政府は、ホールデン社の豪国内での設計、開発、製造の継続を求めて同社と交渉を続けてきた結果、妥結に近づいていると報道されている。
同社の親会社ゼネラル・モーターズ(GM)社にとっては、依然として国内生産停止も選択肢の一つとして残っている。
連邦、州両政府は、ホールデン社の生産継続で雇用と地元部品産業の維持を確保したいとしている。ジェイ・ウェザリルSA州首相や連邦のキム・カー製造業担当大臣をデトロイトに迎えたホールデン社会長兼専務取締役のマイク・デベリュー氏は、「話し合いは前向きだった」と語っている。
デベリュー氏は、
「現在、自動車業界は各社とも将来性のある車種生産に向けて膨大な金を投資しており、GM社にとっても他の企業に取っても、オーストラリアでの生産に投資するに足るような一貫した競争力のある長期的方針があるかどうかが問題になる」
と語っている。
また、会談の一環として、豪国内自動車部品産業が世界市場に参加できる手だてを考えるということで合意があった。
ホールデン社は、国内では4,800人を雇用しており、アデレードの組み立て工場では2,500人が働いている。
また、連邦や州の政府からホールデン社に助成金が出る場合も、車両、製造部門の効率と競争力を引き上げることに充てられる。
フォード社との交渉も進み、VIC州の同社では、総額1億300万ドルの生産設備改善投資が決まり、同社代表車種ファルコンを少なくとも2016年までは生産継続することで合意した。
これで3,500人の雇用の継続も確保された。
2011年には同社の売上が3分の1以上も落ち込んでおり、連邦、州両政府の出資でファルコン生産設備の改善を行っている。
ピーター・ライアン州首相代理は、
「同社の発表で、ジーロングとブロードメドウズの同社工場の雇用が確保された。
特にフォード社では、生産部門だけでなく、真っ先にカットされるのは300人を擁しているデザイン関連部門だという不安があった。
しかし、それも確保された」
と語っている。
オーストラリアでは、自動車産業の長期的な見通しに以前から否定的な見方があったが、ジュリア・ギラード連邦首相は、
「オーストラリア政府は、今後も国内自動車製造産業を維持することで決意を固めている。
世界金融危機の際にも、オーストラリアの自動車産業には将来性がないと言われたが、政府は、ホールデン、フォード、トヨタと協力して生産継続を獲得してきた。自動車業界が設計から生産までを行っている国はそれほどないが、オーストラリアはその数少ない一つだ」
と語っている。
同社では昨年ファルコンの販売高が36.5%低下したが、今後タイヤ、トランスミッション、車体の航空力学的設計を変更し、二酸化炭素フットプリントを5.3%引き下げることを目指し、2014年には新型車を発表する。(AAP)
』
今のところバケツをひっくり返しても暗い見通し。
援助金目当てなら別だが。
「豪国内自動車部品産業が世界市場に参加できる手だて」など見当たらない。
賃金、物価が高く、技術的に低すぎるオーストラリアには部品産業は育たない。
世界に出たいなら、賃金を抑え、物価を抑えることがまずなにより大切。
そして、いまのオーストラリアではまったくもって希望のないことでもある。
<まぐろの目玉>