● クイーンズランド州首相よりのメッセージ
今日、郵便箱に入っていたパンフレット。
いわく、「クイーンズランド首相よりの重要なメッセージ」。
ここの州は共和国であり、共和国政府がある。
政府とはガーバメントということである。
よって、トップは首相。
州、すなわち共和国が集まって「共和国連邦」を作っている。
そのトップはオーストラリア共和国連邦首相(単純にオーストラリア首相)。
連邦首相は「プライムミニスター」
共和国首相は「プレミアー」
ちなみに現在の首相は「Anna Bligh:アナ・ブライ」という方で女性です。
そう、連邦首相はジュリア・ギラード女史ですから、クイーンズランドではトップの二人が共に女性ということになります。
● アナ・ブライ首相
ではその首相が直接、州民(すなわち共和国民)に呼びかける内容とは。
今年のはじめ、クイーンズランドは大洪水に見舞われた。
そのシーズンがまたやってきました、州民の皆様、もしものときの対応はできていますか、という警報案内である。
「Fellow Queenslandesrs」クイーンズランダーの皆様へ、
「get ready」用意をしよう。
トップの写真が首相のメッセージ。
これ見てわかるように、首相のレターペーパー仕様である。
● 州首相のレターペーパー仕様
一緒に入っていたチェックリストをコピーしてみます。
カレンダーめくりになっています。
● 表紙
● Step1 非常時に備えて
● Step2 非常キットの用意を
● Step3 家屋の対策
● Step4 警報注意報にダイアルをあわせておく
● 津波について
通常こちらで「TUNAMI」と言うと鉄砲水を言います。
先のブリスベン大洪水のときも、上流で降った大雨が一気に下流に押し寄せ一瞬にオーバーフローして川岸の駐車場に止めてあった車を押し流しました。
そのときの情景をアナウンサーは「TUNAMI」と表現しています。
でもこのパンフレットでいう「TUNAMI」は津波で、おそらく東日本大震災における津波の恐ろしさを実感して、TUNAMIの解釈を変えたのではないかと思われます。
● 大嵐
● 洪水
● サイクロン
● 災害時のメモ(避難先等)
● 災害時連絡先
最後のコピーで上部に黒い四角があります。
これはマジックペーパーです。
冷蔵庫の壁に貼れるようになっています。
政府の出版物にこの手のマジックがついていたのは過去にみたことがありません。
だいたい政府刊行物は発行するだけ、それで責務終了といった感じはどこでも同じだと思います。
今回はこの発行物がそのままゴミ箱へいかないようにと、その保持にも気を配っているということのようです。
おそらく、そういう配慮がなされたものは、これは初めてではないでしょうか。
それだけ、政府も昨今の自然災害の頻発について気を引き締めているということなのでしょう。
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11月13日
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ブリスベン郊外にあるのがウィベンホー・ダム(Wivenhoe Dam)。
今年1月の洪水はこのダムがオーバーフローしたことによって起こった。
よって、その教訓を生かして、水を貯めこまず早めに放流してしまおうという処置である。
ちなみにこのダムの貯水量は十和田湖の60%に当たるという膨大なもの。
『
NICHIGO PRESS 2011年11月13日
http://nichigopress.jp/ausnews/news/30517/
QLD、雨季に備えウィベンホー・ダム放流
今年初めの洪水の教訓を活かし
11月13日、アンドリュー・フレーザー州首相代理は、「年末の雨季に備え、ウィベンホー・ダム(Wivenhoe Dam))の水位を80%から75%に引き下げる」と発表した。
ブリスベンで報道陣に語ったところによれば、この決定は、気象庁(BoM)が、今年の夏の気象は再び厳しい風雨を伴う見通しが強いと発表したことを受けて出されたもので、
「例年平均を超える降水量が予想される時期もあるが、この数か月の降水量は例年平均を下回っており、今後、降水量が平均を上回っても総合すれば昨年ほどひどくはないと思われる。
しかし、昨年のような天候が続けば、ブリスベンはまた浸水するだろう」
と述べている。
「9月には、ダムの水位を下げないと決定したが、13日の決定で、今年初めの洪水被害者には安心してもらえることと思う。
水害以来厳しい生活を送っている人達にとって、同じ災害を繰り返すと考えるだけでもつらいことのはず。
ダムの水位を下げ、大雨に備えることで住民に安心してもらえると思う」
と述べている。
天然資源担当大臣のレイチェル・ノーラン議員は、
「ダム放水はまず下流の地権者に通告し、今週半ばから放水を開始、2012年3月31日まで水位を下げたままにする。
放水では、下流のツイン・ブリッジやサベジーズ・クロッシングが10日から12日閉鎖されることになるが、カレッジーズ・クロッシングは閉鎖されない。
放水は毎秒400立米の速さで12日間放流する」
と語っている。
さらに、
「私のアドバイスとしては、水位を100%に戻さず、水位を75%に保ったまま、次の雨季に入れば、昨年の水害の場合にたとえれば、ブリスベン都心のポート・オフィスでも、水位は0.3m低かったことだろう」
と述べている。
また、この決定は、ノース・パイン・ダムの水を放流しないという決定に基づいて行われた。(AAP)
』
下の写真はウィベンホー・ダムの放水前と放水時の写真。
<まぐろの目玉>