2011年11月6日日曜日

午前12時15分は午前か、それとも午後か

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● デジタルウオッチ

● 24時間制



 朝起きて最初に見るニュースは、日豪プレスのウエブサイトである「25today」である。
 今日、目についたのはこの記事。


NICHIGO PRESS 2011年11月5日
http://nichigopress.jp/ausnews/politics/30161/

カンタス機エンジン不調でドバイに臨時着陸
「整備の海外移転が原因」と航空整備士

 11月4日、国際線カンタス機がまたもやエンジン不調で途中の空港に臨時着陸した。
 航空整備士組合では、不調のエンジンはしばしば故障を起こしているが、カンタス社が整備工場を縮小したため抜本的な修理ができなくなったと述べている。
 同社のQF31便A380型機は、
 午前零時32分(大陸東部時間帯午前3時32分。原文には12.32amとあり、英語圏の慣習とはいえ不明確な表現。25todayでは誤解を避けた記述を選ぶ)、
ロンドンに向けてシンガポールを離陸したが、所要飛行時間14時間の4時間ほど過ぎた頃、第4エンジンの油圧に問題が起きたことを知らせる警報灯が点灯したため、パイロットが第4エンジンを停止、ドバイ空港に臨時着陸することが必要と判断した。

 記事の内容ではなく、太線をした時間表示の部分である。


 これ結構面倒な問題である。
 以前、家族のなかでも問題になったことがある。
 このときはケンケンガクガクであった。
 例えば昼間の12時は午前か午後か、という問である。
 午前11時は間違いなく「午前」。
 とすれば午前12時も「午前」になる。
 ではその15分後の午前12時15分は午前か? 
 通常、12時を過ぎると「午後」になると考えられている。
 とすると、午前12時15分は午後になる。
 表示が午前で、時間域が午後では矛盾するではないかというわけである。
 もし、12時を過ぎると午後にならうなら12時15分は
 「午後零時15分(午後0時15分)」でないといけなくなるが、そういう表現はほとんどしない
 どうしても12時15分になってしまう。
 一般的に
 「零時」という表現が入ると、「夜中」というイメージが先行
しており、真昼の「零時」というものは習慣的には許容されていない。
 
 これについては多くの人が疑問を持ち意見を寄せている。
 それに対する回答を載せてみる。


平成元年2月15日   周波数標準課
http://jjy.nict.go.jp/QandA/12am-or-0pm-J.html

午前12時? 午後0時?
                      
 最近外部から
 「お昼の12時は『午前12時』、『午後12時』、それとも『午後0時』どれが正しいのですか?
という主旨の質問が度々寄せられる。
 この質問に対する見解を課内で統一しておく必要がある。

①.法的な根拠

 午前と午後を定義している法律は、明治五年に出された 太政官布告三百三十七号(資料1)以外に は見当たらない。
 また、この法律が改廃された記録も残っていないところから、現在も生きているものと考える。
 したがって、「午前12時」と呼ぶのが正しいことになる。
 しかし、この法律にも問題があり、
 夜の12時については午後12時、午前零 時のどちらでも良いように解釈できるが、
 昼の12時については午前12時のみで、午後零時は表に載っていない。
 また、午前は正子から正午までで、正午から正子までが午後だと解釈すると正午を1秒でも過ぎればそれは午後である。
 この法律はもともと改歴が目的で、午前・午後の定義については十分な審議が なされなかったものと思われる。

②.社会一般での用法

 鉄道、空港、バス等の交通機関は24時間制を採用しているので問題がないが、法律を重んじる損害保険業界は12時間制を採用し、「午前12時」と表示している。(資料2 <略>)
 テレビ、ラジオ、新聞、電話の時報サービス等は「午後零時」を採用している。
 また、小学校の低学年向けの教科書では、『1日は24時間で、午前と午後に分け、それぞれ零時から12時まで』と説明されている。

 これに対して、市販されているデジタル時計はほとんど“PM 12:00” と表示し、上記の表し方とは異なる。
 これは、アナログ式の文字盤には“0” の数字がなく、1~12までであり、これをそのままデジタル表示したためと 考えられる。

 この件に関し時計協会に問い合わせたところ、昭和51年に一小学生からの疑問がだされ、担任から校長→町の教育長→県の教育長と順次その指導を仰いだ が、結論が得られずとうとう文部省まで行ってしまった。
 文部省でも持てあましたらしく業界の代表機関である日本時計協会に文書で問い合わせがあった。
 時計協会では、この文書を日本時計学会と協力して、諸外国での表示例やアン ケート調査を実施し、次のような見解を発表している。

 「家庭用デジタル時計の表示は、国の内外を問わずすべて12時間方式を採用し、"11”時の次に来る数字は、例外なく“12”時を採用している。
 しかし、午前・午後の表示を伴うデジタル時計については、明かに“12”時は不適当であり、“0”時を用いるのが妥当である
 また、デジタル時計の究極の形としては24時間表示が至当であろう。
 しかし、この問題は従来からの慣習と深く関連するので早急に表示方式の規正統一をはかることは時期尚早である。」

③.基本的な考え方

 以上見てきたように法律的には「午前12時」と表示するのが正しい。
 しかし、正午を1秒でも過ぎればそれは午後であり、
 午後零時XX分と表示するのが混乱を生じない表し方
であろう。
 これを午後12時と表示するとこれは明かに夜の12時のことで資料3のような誤解の原因となる。
 このような誤解を避けるためには、標準電波のように24時間制を採用するの が望ましいが、古くからの慣習もあり、表示方式の統一をはかることは困難であろう。
 したがって、午前・午後の表示を伴う場合は小学校の教科書のように 午前、午後とも「00時00分00秒」に始まり、「12時00分00秒」に終る。

 つまり、
 午前12時00分00秒 = 午後00時00分00秒
 午後12時00分00秒 = 午前00時00分00秒
との考え方で統一するのが良いのではなかろうか。
                               以上

【資料1】
明治五年太政官布告三百三十七号(改歴ノ布告)
明治5年11月9日(注:1872年)
太政官布告第337号
今般改歴ノ儀別紙 詔書ノ通被 仰出候条此旨相達候事
(別 紙)
朕惟フニ我邦通行ノ暦タル太陰ノ朔望ヲ以テ月ヲ立テ太陽ノ躔度ニ合ス故ニ二 三年間必ス閏月ヲ置カサルヲ得ス置閏ノ前後時ニ季侯ノ早晩アリ終ニ推歩ノ差 ヲ生スルニ至ル殊ニ中下段ニ掲ル所ノ如キハ率子妄誕無稽ニ属シ人知ノ開達ヲ 妨ルモノ少シトセス蓋シ太陽暦は太陽の躔度ニ従テ月ヲ立ツ日子多少ノ異アル ト雖モ季侯早晩ノ変ナク四歳毎ニ一日ノ閏ヲ置キ七千年ノ後僅ニ一日ノ差ヲ生 スルニ過キス之ヲ太陰暦ニ比スルハ最モ精密ニシテ其便不便モ固リ論ヲ俟タサ ルナリ依テ自今旧暦ヲ廃シ太陽暦ヲ用ヒ天下永世之ヲ遵行セシメン百官有司其 レ斯旨ヲ体セヨ
明治五年壬申十一月九日
一 今般太陰暦ヲ廃シ太陽暦御頒行相成候ニ付来ル十二月三日
  ヲ以テ明治六年一月一日ト被定候事
    但新暦鏤板出来次第頒布候事
一 一ケ年三百六十五日十二ケ月ニ分チ四年毎ニ一日ノ閏ヲ置
  候事
一 時刻ノ儀是迄昼夜長短ニ随ヒ十二時ニ相分チ候処今後改テ
  時辰儀時刻昼夜平分二十四時ニ定メ子刻ヨリ午刻迄ヲ十二
  時ニ分チ午前幾時ト称シ午刻ヨリ子刻迄ヲ十二時ニ分チ午
  後幾時ト称候事
一 時鐘ノ儀来ル一月一日ヨリ右時刻ニ可改事
   但是迄時辰義時刻ヲ何字ト唱来候処以後何時ト可称事
一 諸祭典等旧暦月日ヲ新暦月日ニ相当シ施行可致事

  太陽暦一年三百六十五日 閏三百六十六日 四年毎に置之
一月 大 三十一日 其一日 即旧暦 壬申十二月十三日
二月 小 二十八日 其一日 即旧暦 癸酉正月四日
    閏年二十九日
三月 大 三十一日 其一日 即旧暦   二月三日
四月 小 三十日  其一日 即旧暦   三月五日
五月 大 三十一日 其一日 即旧暦   四月五日
六月 小 三十日  其一日 即旧暦   五月七日
七月 大 三十一日 其一日 即旧暦   六月七日
八月 大 三十一日 其一日 即旧暦  閏六月九日
九月 小 三十日  其一日 即旧暦   七月十日
十月 大 三十一日 其一日 即旧暦   八月十日
十一月小 三十日  其一日 即旧暦  九月十二日
十二月大 三十一日 其一日 即旧暦  十月十二日
  大小毎年替ル事ナシ

  時刻表
─┬──────────┬───────┬───────┬───────┐
 │ 零時 即午後 子刻│ 一時 子半刻│ 二時  丑刻│ 三時 丑半刻│
 │    十二時   │       │       │       │
午├──────────┼───────┼───────┼───────┤
 │ 四時   寅刻  │ 五時 寅半刻│ 六時  卯刻│ 七時 卯半刻│
前├──────────┼───────┼───────┼───────┤
 │ 八時   辰刻  │ 九時 辰半刻│ 十時  巳刻│十一時 巳半刻│
 ├──────────┼───────┼───────┼───────┤
 │十二時   午刻  │       │       │       │
─┼──────────┼───────┼───────┼───────┤
 │ 一時  午半刻  │ 二時  未刻│ 三時 未半刻│ 四時  申刻│
午├──────────┼───────┼───────┼───────┤
 │ 五時  申半刻  │ 六時  酉刻│ 七時 酉半刻│ 八時  戊刻│
後├──────────┼───────┼───────┼───────┤
 │ 九時  戊半刻  │ 十時  亥刻│十一時 亥半刻│十二時  子刻│
─┴──────────┴───────┴───────┴───────┘
      右之通被定候事

 
 この記事では、私が疑問としている問の答えはない。
 「正午は午前12時で、正午を1秒でもすぎれば午後で、午後零時**分と表示するのが混乱を生じない表し方であろう」とあるのみである。
 正しい表現方法はそれでいいが、それと通常の使い方とのギャップが知りたいのだが。

 Wikipediaでみてみた。


午前と午後
--------------
 午前(ごぜん)と午後(ごご)は、正午(昼の12時)の前と後。
 午前は午前中(ごぜんちゅう)ともいう。
 午後は午后(ごご)とも書くが、この「后」は「後」の意味で用いられている。

 午前・午後の「午」は、時刻を十二支で表した7つ目(0時から2時間ごとに数える)の「午の刻(うまのこく)」のことである。
 単に「午の刻」と言った場合は幅(前後1時間、全幅2時間)のある時間帯を指すこともあるが、この場合は午の刻ちょうど(午の正刻、正午)を意味する。

 1日は、真夜中(0時)から正午(12時)までの午前と、正午から真夜中(24時、翌日0時)までの午後とに2分される。
 午前・午後は単に1日の部分を示すだけでなく、12時間制での0時から12時(あるいは12時59分)までの時刻と組合せ「午前10時」のように表し、1日の中での時刻を示す。

 午前と午後はそれぞれラテン語で ante meridiem / post meridiem といい、a.m. / p.m.と略す。A.M. / P.M.、am / pm、AM / PM、am / pm などとも書く。
 文法的には、これらは「10:00 a.m.」や「10 a.m.」のように数字の後に付けるのが正しく、「a.m. 10:00」、「a.m. 10」あるいは単に「a.m.」などは誤りである。
 数字との間にはスペースを空けることも空けないこともある。
 なお後述するが、12時台については午前・午後と a.m. / p.m. は単純に置き換えられないこともある。

 日本では「午前 10:00」や「AM10時」といった書き方はあまり日常的に使われず、この場合「午前10時」や「AM 10:00」と書かれることが普通である。

 また特に、日の出ごろから12時までを午前、12時から日没ごろまでを午後ということもある。
 英語ではこの意味での午後を、(after noon ではなく)afternoon と呼び区別する。

■日本における午前・午後

 明治5年太政官布告第337号(改暦ノ布告) に、定時法[2]と午前・午後の概念を採用する趣旨の記述がある。
 これが初導入だったとは限らないが [3]、「午前」「午後」という語を明示している。
 この太政官布告は現在も法令として有効であるとされる。 [4][5]

時刻ノ儀是迄昼夜長短ニ随ヒ十二時ニ相分チ候処今後改テ時辰儀時刻昼夜平分二十四時ニ定メ子刻ヨリ午刻迄ニ十二時ニ分チ午前幾時ト称シ午刻ヨリ子刻迄ヲ十二時ニ分チ午後幾時ト称候事

 口語訳(要旨): 一日をこれまで昼と夜の長さにしたがって十二時に分けていたところ、今後は改め、時計の時刻、昼夜を通し二十四時に等分して、子(ね)の刻から午(うま)の刻までを午前幾時、午の刻から子の刻までを午後幾時と称すること。[6]

 また、次のような表<前掲>が付されていた。
 なぜか、子刻(真夜中)は午前と午後に掲載されながら、
 午刻(正午)は午前にのみ掲載されている。

■午前12時と午後12時

 真夜中と正午は、午前と午後の境界をなしているため、
午前12時と午後12時のどちらが真夜中でどちらか正午か
についてはさまざまな論争がある。

 12時以外では、午前×時は真夜中の×時間後、午後×時は正午の×時間後であることから、12時も同様に、午前12時は正午(真夜中の12時間後)、午後12時は真夜中(正午の12時間後)であると考えるのが連続性がある。
 こうすれば、24時間制との換算、時間差の計算、時刻の前後の判断なども簡単である。
 太政官布告第337号の表はこの方式をとっており、国立天文台広報普及室[7]や独立行政法人情報通信研究機構周波数標準課<先に記載したもの>も同様のアナウンスをしている。

 しかしこの考えを12時以降の12時×分に推し進めると、問題が起こる。
 午前12時**分は午前12時(正午)の**分後なので、午前と言いつつ実際は午後である。
 国立天文台広報普及室は、このような場合は午後0時×分と言うほうがいいとしている。

 一方英米では、正午の前なら必ず午前 (a.m.)、正午の後なら必ず午後 (p.m.) と表現するのでその問題はない。
 つまり、午前12時×分(12:xx a.m.)は真夜中の×分後、午後12時×分(12:xx p.m.)は正午の×分後である。
 12時ちょうどについては多少の論争があるが、午前12時(12:00 a.m.)は真夜中、午後12時(12:00 p.m.)は正午とするのが普通である[9]。
 しかしこの表現は12時台以外と連続性がなく、そのため24時間制との換算、時間差の計算、時刻の前後の判断なども複雑になる。

 たとえば24時間制に換算するには
 日本式では「(表現が)午後なら12時間を足す」となるが、
 英米式なら「午後で11時59分までなら12時間を足し、午前で12時以降なら12時間を引く」あるいは「12時以降なら12時間を引き、午後なら12時間を足す」などとなる。

 デジタル時計の表示は、(12時間制では)日本も含め国際的に英米式が主流である。
 もし日本式で表示したなら正午を過ぎてもa.m.と表示されていることになり都合が悪い。
 時計メーカーの業界団体である社団法人日本時計協会は社団法人日本時計学会と共同で、
(12時間制の)デジタル時計では12時は不適当であり0時を使うのが妥当であると発表したが、実際に(12時間制で)0時と表示するデジタル時計は少ない。

 12時ちょうどについては英米でも完全に統一されているわけではない。
 U.S. Government Printing Office Style Manual では一時日本と同じ方式を採用していた(現在は英米式になっている)。
 アメリカ国立標準技術研究所 (NIST) は、12時ちょうどについてはそもそも午前・午後を使わず、midnight / noon もしくは 12:00 Midnight / 12:00 Noon とすべきとしている。
 英語圏では他に 12:00 m.n. / 12:00 m.(m.n.はmidnight、m.はmeridianの略)、12:00m / 12:00n(mはmidnight、nはnoonの略)などの記法もある。
 ただし、これらの表現は0時と24時を区別できない、つまり、×日のmidnightと言っただけでは×日の始まりか終わりかわからない。
 また、「m」がmidnightかmeridianか紛らわしい。

 午前・午後を使わず24時間制にすれば、これらの問題は完全に解決する。


 つまりだな、つまり明確な答えはない、ということのようである。



日本広報協会
http://www.koho.or.jp/useful/qa/hyouki/hyouki07.html

 広報Q&A 表記について知りたい

 時刻の表記の仕方を教えてください。
 例えば「12時」はどのように表記するのが正しいのですか。
 また、12時間制と24時間制はどちらがいいのでしょうか。

 時刻の表記は、原則として「時刻制度」に準拠することになっています。
 時刻制度は、1872(明治5)年の旧暦11月9日に太政官達第337号として発令されました。
 これによると、午前は「零時」から「12時」まで、午後は「1時」から「12時」までとする12時間制になっています。
 よって、この達の通りに表記すると、昼の12時は「午前12時」、夜中の12時は「午前零時」または「午後12時」になります。
 また、達の中では「午後零時」という時間は存在しないことになります。

 しかし、「午前12時」「午後12時」が昼を指すのか夜を指すのか分かりにくく、特に「午後12時」は、昼の12時と解釈してしまう可能性があります。
 そこで、こうした誤解や混乱を避けるため、「12時」の表記については達を厳密に適用せずに、独自のルールを定めている例が多くあります。

 例えば、天文台では「零時」「12時」には午前、午後をつけないで「午後6時~零(0)時」「午前10時~12時」といった表記を勧めています。
 新聞社などでは、昼の12時ちょうどは「正午」、夜の12時ちょうどは「午前零時」とし、「正午」は「午後零時」としないと決めているところもあります。

 また、12時間制そのものを採用せずに、24時間制で時刻の表記をしているケースもあります。
 誤解を与えてはならない鉄道や飛行機の時刻表などが、その代表例として挙げられます。

 ですから、お知らせコーナーなどのイベントや受付などの時刻は24時間制に統一するのも一つの方法です。
 読者に分かりやすくすることが一番の目的であって、必ずしも「時刻制度」に準拠する必要はありません。

 どうしても12時間制度で表記したい場合は、以下のように表記するのも一つの方法です。

00:00 午前零時
00:10 午前零時10分
01:00 午前1時
01:10 午前1時10分
11:00 午前11時
11:50 午前11時50分
11:59 午前11時59分
12:00 午後零時あるいは正午 ※準拠すれば午前12時ですが
12:01 午後零時1分
12:30 午後零時30分
13:00 午後1時
13:30 午後1時30分
23:30 午後11時30分
23:59 午後11時59分

 つまり、12時間表記だけれど、12時という表記を使わないということです。

 上記のような例を参考に、読者層や利用者層を考慮した上で、時刻表記をルール化しておくといいでしょう。
 通常の文章の中では「昼の12時」「夜の○○」「正午」など、誤解のないよう言葉を補足するのも一つの方法です。
 ようは、読者や利用者に配慮した分かりやすい表記を心がけるということですね。



 日本風の表現では

●「零時」は真夜中の12時を指す。
 日本人の時間感覚もそうなっている。
 表示的には「12:15」というのもありえるが、これは間違いで「0:15」とすべきだろう。
 というのは、24時間制にしてもそこからスタートするわけだから、スタートの15分後が「12:15」で、1時間たったら「1:00」というのは矛盾してしまう。
 この部分は時間制度の根本に関わる部分であるから、
 時刻開始時間は「0時00分」でないとまずい。

●ここから午前中がはじまり、午前12:00で午前が終了し、午後に入る。
 ここでいろいろ厄介な解釈が出てくるようだ。

①.まず、数字表現だが、午後に入るから「0:00」となる。
 が、先にも述べたように「零時」という表現はそれだけでイメージ的に真夜中を連想してしまう度合いがすこぶる大きいため、「午後零時」という表現は一般的ではない。
 「零時」が優先してしまい、「午後」がとってつけたような説明となり、結果として無視されがちで「零時」がひとり歩きして、真夜中を示してしまうことが多い。
 『太政官達第337号には「午後零時」という時間は存在しないことになります』としているのは、正解だろう。

②.とすると、「12時」が慣用として使用されてくることになる。
 11時、12時とくれはここでは午前を示している。
 「午後12時」というのはそのままだと「午後」が優先解釈されるから真夜中の12時、すなわち零時になる。
 そこをグーとこらえてみる。
 昼の12時を過ぎると時間域(午刻域)では「午後」に入る。
 でも12時15分なら午前12時過ぎということになるから、そこを強制的に午後の昼の12時15分だと解釈させるということで12時の前に午後をつけてみる。
 なにかむりやりこじつけた屁理屈のようになってしまう。
 午後12時15分はやはり午前12時15分にはかなわない。

③.午前12時59分の次は「午後1時00分」
 1時になると、いやがおうでも「午後」がついてくる。
 これを否定できる人はいない。
 とすると、やはり「0時**分」の領域が見事に落ちこぼれてしまっていることになる。

  12時になると「12時ですよ、御飯ですよ」となる。
 「ごはんですよ時間」は12時から12時59分までであって、0時から1時までではないのである。
 「午後一番でお伺いいたします」というのは、午後0時過ぎに伺う、つまり昼時に伺うということではなく、「1時過ぎたらすぐに」というニアンスがある。
 心理的には午後は「午後1時」からで、12時台は「午前12時台」なのである。
 物理的データ表示と心理的ニアンスには若干の違いがある。


● 12時間制デジタルウオッチ(押し続けると進んでしまう)

 こちらで買ったデジタル時計をテストしてみる。
 「SONY」製である。
 電源を入れると「12:00」が点滅する。
 時間ボタンを押していく。
 12-1-2-3-4-5-6-7-8-9-10-11-12-1-2-
 「0時」がない。
 「12時」になってしまう。
 手元にないのでわからないが日本のものはどうだろうか。
 「0]はあるのだろうか。
 12時間制、24時間制の切り替えができる時計は「0時」がついているはずである。
 その時計で12時間制をやったら、「0時」になるのだろうか、それとも「0時」はスルーして「12時」表示になるのだろうか。
 上記の「NICHIGO PRESS」の記事では

 午前零時32分
 (大陸東部時間帯午前3時32分。
 原文には12.32amとあり、英語圏の慣習とはいえ不明確な表現。
 25todayでは誤解を避けた記述を選ぶ)、

 とある。
 と、すれば日本で販売されているデジタル時計には「0時」があってしかるべきであろう。
 12時間制として真夜中の12時以降は「12:**」と表示されるのか、「0:**」と表示されるのか。
 また、昼間の12時以降は「12:**」と表示されるのか、「0:**」と表示されるのか。

 個人的な解釈でいけば、
 真夜中の12時以降は「0:**」で、 
 真昼の12時以降は「12:**」と表示されたほうがわかりやすいと思えるが。
 そして「午後12:15」は「午前0:15」の表示の方がよく、「午前12:15」は「午後」になる。
 矛盾しているが、それが時間読みの日本人の慣習に近いのではないだろうか。

 なを、周波数標準課の説明に

 市販されているデジタル時計はほとんど“PM 12:00” と表示し、上記の表し方とは異なる。
 これは、アナログ式の文字盤には“0” の数字がなく、1~12までであり、これをそのままデジタル表示したためと 考えられる。

 とあるが、「アナログ式の文字盤には「0」がない」というのは解せない。
 アナログ式でも「分」の部分では「0」が表示されるわけだから、表示ができないということではなく、表示させていない、ということであろう。
 なぜ、表示させなかったかというと NICHIGO PRESS が述べるように「英語圏の慣習とはいえ不明確な表現」という習慣的なものが反映されているとみたほうが適切だろうと思う。

 どうでもいいことをダラダラと書いてしまった。
 ちょっと気になっていたことなので、とりあえずの自己流の解釈をしてみたかったのである。


【まとめ】
 夜の午後12時は午前零時で「12:00」または「0:00」のどちらでもよいが、1分後は「0:01」であって「12:01」としてはならない。
 24時間制を始めとする時間開始の大前提が崩れてしまうから。
 昼の午前12時は午後零時であるが、表示ならびに呼び名は「12:00」であって「0:00」を使うと慣習的混乱が発生する。
 よって、その15分後はデータでは「午後0:15」で午後あるが、時計表示ならびに呼び名は生活習慣から「午前12:15」とする。

 つまり、午前12:00から午前12:59の間だけのみ、例外的に午後ではあるが、午前の表示呼称を容認する。
 といったところだろうか。
 これが妥当だろう。




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