● 図書館の日本語版パンフレット
ゴールドコーストには12ヶ所の図書館がある(上の図から局所研究と移動図書館を除く)。
そこにはコミニテイ・ランゲージというコーナーがあって、いわゆる英語以外の主要な外国語図書が開架されている。
その中でもっとも多いのはやはり中国語である。
イタリア語やドイツ語など英語以外の他のヨーロッパ系言語を押しのけてナンバーワンの量を誇っている。
なにしろ居住者の数がハンパではない。
モスバーガーが最初に進出したのはブリスベンのサニーバンク。
ここは東洋系といっても中国系が非常に多いところ。
モスバーガーの狙いはまず中国系をつかまえて、というマーケテイングだったのだろう。
このサニーバンクの近くの交通の要になるのが、ガーデンシテイ。
ここの図書館にいくと、書物の半分が英語、そして残りの半分が中国語という、びっくりするような構成になっている。
入って左側が中国語、右が英語になっていて、声の大きい中国人に押されて、英語系の来館者はなんだか片隅でひっそりと寂しく時を過ごしているようにすら感じられることがある。
ゴールドコーストでもやはり中国系の勢力は強い。
図書館案内は英語の他に中国語が作られている。
つれションではないが、あわせて日本語案内と韓国語(ハングル)案内も作られている。
ちなみに英語以外の他のヨーロッパ系言語の案内はない。
ヨローッパ系言語はロシア語とギリシャ語を除けは、アルファベット系言語なのでいらないということなのかもしれない。
圧倒的な中国語図書であるが、なら日本語はというと、少しはある。
上記の12カ所の図書館のうち4カ所にある。
ということは、残る8カ所にはないということになる。
日本人がチラホラのところに日本語本をおいても無意味というわけである。
ではこの4カ所の図書館に置かれている日本語本とは、ということになるが内容は主として娯楽本。
大人向きのものはすべて文庫本、若干の教養向きに新書版本。
単行本は一冊としてない。
よってハードカバー本は幼児向きの本のみ。
この文庫本だかここ2,3年に発行された新しいものばかり。
その数、以前に聞いたところでは2,500冊という。
4カ所にあるから1万冊ということになるが、内容的には2,500冊である。
4冊とりよせて1冊づつ各図書館に配っている。
よって、4カ所のどこへいっても同じ本が読めるということになる。
2,500冊というのはすごい。
スペース的には中国本と肩を並べるほどの広さをもっている。
場所によっては王者中国本を凌駕することさえある。
ひとは毎日1冊読めるだろうか。
無理。
さらりと読めるものもあれば、3日4日かかるものもある。
だいたい1週間に3冊から4冊とみたほうがいいだろう。
4冊とすると1年52週で210冊少々。
2,500冊とすると、約10年かかることになる。
10年間、ここの図書館で本を借りて読んでいるだけでも、ゴールドコーストでヒマつぶしができるというわけである。
もちろん、文庫本の限界というものもあってどうしても、単行本でしか読めないモノもあるが。
すべて文庫本、新書版本ということであるが、これ実にすばらしい発明。
英語本をはじめとする他の書籍と比べると一目瞭然だが、まるで書籍の革命ともいえる。
日本人にとってあたりまえのことでさほど感じないだろうが、海外でこの本の作りというか、存在というか、システムというか、そんなことを考えると、日本人というのはよほどの本好きで、エライやっちゃとおもうことしきり。
まあ、この話は後日のことする。
今回は、図書館に置かれている案内のパンフレットについて。
日本語版、英語版、中国語版、ハングル版をそれぞれあげてみる。
横長の異型版なので写真にとってみた。
● 日本語版
● 英語版
● 中国語版
● ハングル(韓国語)版
(註).韓国語の本も日本語と同じように4カ所に置かれているが、残念ながらその量は僅かである。
このパンフレットの中から、図書館の所在地の部分を拡大してみよう。
● 中国語
● ハングル
一般地名は固有名詞なのでアルファベット表記になっている。
まあ、あたりまえのことなのだが。
では、日本語ではどうなっているかというと。
● 日本語
「モスバーガー」なのである。
つまり、カタカナ。
住所それ自体は郵便アドレスなのでアルファベットであるが、地域名称はカタカナで記載されているのである。
なんと日本語というのは外国語を日本語表記できるのである。
アメリカのことを日本語では米国と書く。
もうひとつ「アメリカ」と書く。
Americaの発音をカタカナで表示している。
中国語なら「美国」でそれ以外はない(と思う)。
読みの当て字なら Coca Cola コカコーラの中国語「可口可楽」がある。
中国語の発音は知らないので想像になるがおそらく「コカコーラ」に近い発音なのだろう。
もちろん、カタカナですべての音が表記できるわけではない。
同じ音に中国では四声(あるいは六声)という高低があるというから、カタカナではとても無理。
でも、英語のような音の大小しかないなら、そこそこちかい発音を表現できる。
昔の英語辞書には発音記号が載っていた。
これが難しい。
はっきりいって、異常。
英語の単語綴りのほかに、発音綴りも書かされて英語嫌いになった人はわんさかいる。
でも昨今の辞書は発音部分はカタカナになっている。
もし正しい発音を知りたければ、インターネットを開けば、英語の先生なまった英語ではなく、ネイテイブな発音がじかに聞ける。
ろくでもない発音記号を覚えるより、はるかに正常。
発音、つまり音は耳で聴くもので、字面で覚えるものではない。
発音記号はインターネットのような利器のない時代に、なんとか正しい発音を知ろうとした苦肉の代替策。
いまは代替策をとらねばならぬほど遅れてはいない。
よって、代替策としての発音記号は不要。
カタカナで十分。
パンフレットはカタカナである。
中国語やハングルが英文でかかざるをえないときに。
日本語というのは、なんとも不思議なコトバである。
ありとあらゆるものがカタカナに置き換えられる。
それが出来るという不思議さ。
不思議というより不可解に近い。
最後に、ライブラリーのスタッフから。
<まぐろの目玉>
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