● 上欄に「COOL JAPAN」とれいれいしくある。
それをクリックすると専用のサイトが出てくる。
● 2011 GOLD COSAT FILM FESTIVAL
http://www.gcfilmfestival.com
今この地で圧倒的なパワーをもち、賞賛を受けているのが日本文化。
いわゆる「クールジャパン」ってヤツ。
マルチカルチャルなんていったって、まともに「おのが国の文化」を伝えようなんて殊勝なことをするのは正直者の日本人くらい。
損なことをしないのが、ごく当たり前の国家民族のやりかた。
他の国は、わざわざお金にもならないことに大枚の出費をして文化発信するほどアホではない。
後ろ指を刺されない程度の付き合いをすれば十分。
口ではきれいごとを言うが腹の中ではそっぽを向いている。
文化なんてものは発信するものではない、欲しいならそっちから来ればいい。
それがごくノーマルな行動と言っていい。
日本人の卑屈さのほうがよほどおかしい。
そのバカバカしいほどの生一本さが受けているのか、至極オーストラリアンには評判がいい。
なにしろ、なんでもかんでもジャパンである。
斜前の家の娘はコスプレ。
このくそ暑い土地で、まあよくやっているよ。
ビキニの方が楽でいいだろうに。
隣の庭では提灯を飾っている。
生活の隅々まで日本文化が浸透しているのではないかと思うほどに執拗にして華やか。
それなのに我が家は、何もなし。
先日までやっていたのが「イノベーション」というテレビ日曜大工風の番組。
そのテーマに「ローマ風呂 VS ジャパニーズ風呂」の対戦があったりした。
何かと日本風にしつらえるというのは、もう当たり前のことになりつつある。
日本風といっても、彼らの理解する日本風だが。
つまり、「ワールドタイプ・ジャパン」である。
寿司だってこちらでは世界sushi・地球sushiであって、日本寿司ではない。
いかに日本のものをアレンジして生活に取り入れるかは、この国に生きる人の行動目標の一部にもなっているのではないかと思うほど。
その風潮を一言で言えば「クールジャパン」となるわけである。
日本文化を評価していただいてありがとう
と感謝しないといけないのだが、私はオーストラリアの悪口ばかりを言っている。
きっと何時か、バチがあたるだろう。
ブリスベン日本映画祭に続いて、ゴールドコーストのフイルムフェステイバルをみてみる。
名付けて「2011GCFF:2011年ゴールドコースト映画祭」
このイベントの日本映画部門はいわく、
「クールジャパン ゴールドコースト: Cool Japan Gold Coast」
なんと大仰な名称、脇の下から汗が滲んでくる。
ちゃんとウェブの案内までついている。
上の画面を日本語で表示すると下にのようになる。
クールジャパンの訳をわかりやすくしてコピーしてみる。
『
クールジャパン
-----------------------------
クールジャパンは、アニメ、映画、ファッション、音楽、アートやデザインなど日本のポップカルチャー産業を探求体験するためにデザインされたGCFF(ゴールドコースト・フイルムフェステイバル)の文化プログラムの一つです。
それは、多文化コミュニティ協議会ゴールドコーストやゴールドコーストの日本社会と文化のパートナーシップによってサポートされています。
2011プログラムは、日本文化の三大エレメント、すなわち芸術、映画そして創知を提供しています。
■芸術
11月15日〜11月28日 - ロビーナコミュニティーセンターアートギャラリー
2週間にわたって、新海誠美術展を開催します。
タイトルは仮称「新海の世界」で、彼の映画からアニメ作品を公開します。
-彼らの立つポイント(1999)
-ほしのこえ(2003)
-笑顔(2003)
-雲のむこう、約束の場所(2004)
- 秒速5センチメートル(2005)
-星を追う子ども(2011)
』
『
クールジャパン - 美術展
----------------------------------
11月16日〜11月28日 - ロビーナコミュニティーセンターアートギャラリー
アニメにおける著名な作家の美術展覧会が、ゴールドコーストの映画祭クールジャパンのプログラムの一環として、ロビーナコミュニティーセンターで11月16日から27日まで行われます。
新海誠、粟津順、森良一と山本蒼美の作品を選び、展示は古いファンと新しい見学者がおなじように息を飲むような形で行われ、ユニークな日本のアニメに畏敬の念を起こさせることと思います。
新海誠:
アニメの世界全体で"新宮崎"と称せられている彼の作品の背景とは宮崎風であり、新海誠は、間違いなくその分野のチャンピオンです。
彼のキャリアの始まりである「彼女と彼女の猫」は DOGA CGアニメコンテストで最優秀賞を含め、いくつかの賞を受賞した短編映画です。
新海は2001年に彼の出発点となったのは、Mangazooから助成金のおかげで与えられたことです。
その結果が、彼のデビュー作、「ほしの声」だった。
さらに続いて初期の頃では「約束の地」 2004年でAPSA賞諸受賞する。
彼は最新映画、「星を追う子ども」を今年のフェスティバルに出展。
その美しさで視聴者を包んでいく見事な映画のスタイルを確立しています。
新海誠、彼の映画は必見です。
粟津順:
アニメーションの天才です。
彼は日本の伝統的な画家としてスタートしたが、アニメーションへの情熱を発見する。
最初の冒険は、キャストを含め11人で、単一のPCで28ヶ月の間にわずかな予算での作成されています。
その結果、短編賞を受賞した火星からモンスター「ネガドン」で息を呑むような場面を製作した。
このネガドンはいくつかの賞を受賞し、並外れた能力を持つアーティストとして彼の名声を固めることになった。
彼の待望の初長編「プランゼット」もまた、卓越した成功を収めている。
森良一:
森良一のスケッチコメディの人気漫才の創作者/監督
誰にでも見いだせるしばしば厄介な状況を陽気な画像に表現した良一さんの作品は、その決定的なスタイルのおかげで際立っている。
山本蒼美:
彼女はわずか21歳ですが、山本蒼美はすでにジャンルを席巻するアニメシリーズを製作しています。
エイリアン戦うことができる一人の少年:宇宙人の侵略に耐える能力を持っているのだが、...彼は記憶を失っている。
シャープにして印象的なスタイルを特徴とする、蒼美作品のすべては、またたく間に見るものの心を虜にするでしょう。
』
[注].日付がいろいろありますが「16日から27日まで」というのが安全だと思います。
新海誠の作品が今回映画祭に出品された『星を追う子ども』('11)ですが、その製作にCGと撮影で参加しているのが粟津順です。
昨今はあの東日本大震災で打ちのめされたかわいそうな民族ということになっている。
なにしろリアルタイムであんな映像をみせられたら、誰でも「元気にしてください」のひとこともかけたくなる。
そのせいか、さらにクールジャパンが進展している。
加えて中国の進出がこれを後押ししている。
オーストラリアは移住者を大量に受け入れている(毎年全人口の1%ほどに当たる員数)ため、アメリカ風な危険な犯罪社会にはなりたくないという根底願望が頑としてある。
中国とは経済的関わりが密度を増しているなら、中国文化を、と思うのだがそうもいかない。
なにしろ独裁国家というのが気にいらない。
中国人は非常に多くなっているが、人間としては騒々しく、トラブルが多い。
中国の古い伝統文化、例えば論語的精神といったところはさっぱり理解不能。
江戸幕府の開府から遅れること40年後に中国支配をはじめたのが「清国」。
出は満州女真族で非中華。
江戸時代は現在の日本の文化の基礎を生み出した260年間と言われるが、ほぼ時代の重なる清国時代は同じ260年でもまるで中華文化の花を咲かせなかった時代。
600万の女真族が4億人の中国人を支配していた時代である。
共産党現政権が清の非中華性をいやがり消しているのかもしれないが。
この間の時代文化を中国文化として認めていないのかもしれない。
正史スタイルをとる中国人にとっては屈辱の歴史というわけである。
そのためか、この時の中国文化は現代への影響力がすぽっと欠落しているという特徴を持ってしまう。
清のあとの現代なら毛沢東思想。
それなら中国文化はいらない、ということになる。
経済関係だけで十分。
中国文化といえばなんといっても中華料理。
世界の主要な料理の一画を占める。
食べたいのだが、でも食材が危ない。
テレビに出てくる日本料理講座と中華料理講座では圧倒的な差がある。
あの中国高速列車で提供されるランチがなんと半年も持つなんて聞いたら、どうしても構えてしまう。
ペットフードもラベルを見てオーストラリア産なら買うが「プロダクト・オブ・チャイナ」は手を出さない。
「私の可愛いワンチャンが死んだらどうするのよ !」
中国が経済的勢力を増しているうちは、クールジャパンは廃れない。
逆にどんどんと勢力を増す。
中国の経済的な支配という至酷から、
文化的精神的清涼を求めるとしたらクールジャパン
がいい、ということになる。
一種の息抜き現象だろう。
もしかしたら「アンチ・チャイナ現象」かもしれない。
アメリカ風潮と中国風潮の狭間で政治的社会的影響力を抑えて賢く咲いている花がクールジャパンとなる。
キャッチコピーはこうだ、「この文化、安全につき」
「安全」とはホットではない、つまりクールだということである。
クールには安全という意味が含まれている、ということだ。
つまり、クールジャパンの浸透は中国の経済的支配に比例しているということでもある。
まあこんなことはどうでもいいのである。
さて、お目当ては映画。
ちょっとわかりにくいので、日本語に直して整理してみます。
7作品になります。
『
映画
今年のフェステイバルでは、1つのドキュメンタリーと6つの作品が公開されます。
●.アトムの足音が聞こえる :オーストラリア初公開のドキュメンタリー
①.ガンツ :SFアクション
②.ガンツ パーフェクトアンサー :SFアクション
③.十三人の刺客 :時代劇アクション
④.星を追う子ども :オーストラリア初公開のアニメーション
⑤.緑子 :オーストラリア初公開のアニメーション
⑥.ノルウェーの森 :現代ロマンスドラマ
』
7本なら1週間としてちょうどいいなと思った。
スケジュールをめくってみた。
が、がーん。
一本立てでみられるのは最初の「ノルウェーの森」と最後にあたるドキメンタリー「アトムの足音が聞こえる」の二作品のみ。
『
2011 Gold Coast Film Festival Schedule
-----------------------------------------------------
11月20日(日曜日)
●千と千尋の神隠し(PG)(無料屋外映画館): 18:30
11月21日(月曜日)
11月22日(火曜日)
●ノルウェーの森(133min):20:30
11月23日(水曜日)
11月24日(木曜日)
11月25日(金曜日)
●星を追う子ども(116min):19:00
●十三人の刺客(141min):21:15
11月26日(土曜日)
●緑子(55min):13:00
●ガンツ(130min):14:00
●ガンツ:パーフェクトアンサー(141min):16:15
11月27日(日曜日)
●アトムの足音が聞こえる(82min):14:00
』
昔はみな二本立てであった。
中村錦之助と大川橋蔵、あるいは片岡千恵蔵と市川右太衛門。
家の近くの映画館は3本立てであったが、出てくるときは空気の悪さで頭が痛くなっていた。
25日はガンバッテ2本続けてみると「19:00---23:36」、つまり終るのが11時半過ぎになる。
時間的には4時間半ほでであるが、どうしようかな。
両方みたいな。
26日は3本立てで、「13:00---18:36」、時間的には5時間半。
これは無理で、「緑子」か「ガンツ:パーフェクトアンサー」のどちらかをカットするしかないだろう。
なかなか思ったように全部はみられないものである。
<まぐろの目玉>