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● イクシスガス田
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NICHIGO ONLINE 2011年12月7日
http://nichigopress.jp/ausnews/world/31911/
日本の電力・ガス企業5社LNG開発調印
5社が国内最大の沖合ガス田を契約
12月6日、日本の大手電力・ガス企業、東京電力、東京ガス、関西電力、大阪ガス、九州電力の5社が、現在開発準備が進められているWA州北西部大陸棚ガス田の一つ、
イクシス・ガス田から生産される液化ガス(LNG)の需給契約を700億ドルで締結した。
ただし最終投資決定はまだ済んでいない。
連邦政府のマーチン・ファーガソン資源相が発表したもので、日本の国際石油開発社(インペックス)とフランスのトタル社は、2社が進めているイクシス沖合ガス田開発の
LNGの15年間にわたる売買契約
を上記5社と締結したもの。
イクシス・ガス田開発計画は、オーストラリアでも最大級のガス田開発計画で、今回の大規模な契約は、プロジェクトの最終投資決定が間近に迫っていることを示すものとなる。
このプロジェクトでは、陸上の海底天然ガス液化プラント建設に5年間をかけ、2,000人以上の雇用、さらに液化設備が完全稼働するようになれば300人の社員雇用が見込める。
また、沖合ガス田のリグでは、建設段階で1,000人、稼働開始後は400人の雇用が見込める。
ファーガソン大臣は、
「この契約でイクシス・プロジェクトとオーストラリアのLNG産業が大幅に前進することになる。
イクシス・プロジェクトではLNG年産840万トンが予想されており、オーストラリアが世界でも大手のエネルギー産出国としてゆるぎない地位を獲得するだ けでなく、北部準州(NT)での雇用を創出し、輸出外貨を稼ぎ、かつ、我が国にとってLNG貿易相手国としてもっとも古くから付き合いがあり、またエネル ギー貿易で最大最高の国、日本のエネルギー需要をまかなうことができるという意義も大きい」
と語っている。
さらに、
「日本は、世界最大のLNG輸入国で、2010年には世界のLNG貿易の3分の1が日本仕向けだった。
とくに、現在は2011年3月に起きた福島原発事故のため、火力発電が緊急に求められており、燃料となるLNGの需要も成長している。
オーストラリアは、その日本へのLNG最大供給国として、このような緊急時に信頼できる安定供給を行っている。
このLNG売買協定は、日本のエネルギー確保のために両国が協力を固めていくものだ」
と語っている。
イクシスが稼働を開始すれば、オーストラリアの単一事業への日本からの投資としては最大のものになると同時に、オーストラリア国内で日本企業が初めて操業するLNGプロジェクトとなる。
また、LNGの他、年間160万トンの液化石油ガス(LPG)や日産10万バレルのコンデンセート・オイルも産出する見込み。
2010年度、オーストラリアは2,000万トンのLNGを輸出し、額は105億ドルに相当する。
また、現在LNGプロジェクトとして建設段階にあるものだけでも1,400億ドルに達し、イクシス・プロジェクトも合わせれば、現行の輸出能力を4倍する規模になる。(AAP)
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● オーストラリアのエネルギー開発計画
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NICHIGO ONLINE 2011年12月13日
http://nichigopress.jp/ausnews/economy/32167/
鉱業部門の輸出額減少する
それでも空前の記録的な規模
オーストラリアの地下資源・エネルギーは輸出商品価格がやや下がり始めたため、輸出予測総額も下方修正されているが、今年度も依然として記録上昇を続けていると見られる。
Bureau of Resources and Energy Economics (BREE、資源エネルギー経済局)の四半期報告書は、2011年度には、鉱物・エネルギー輸出収入が、前年度の15%増の2,060億ドルに達すると予測している。
同局は、前四半期には輸出収入が2,150億ドルに達すると予測していたが、その後に輸出低下リスクが広がり、結局予測値を4%引き下げる結果になった。
同局の主任エコノミストを務めるクエンティン・グラフトン局長は、
「ヨーロッパ経済の一部には見通しの不確定が強まっているが、オーストラリアの輸出商品のほとんどは、2011年後半に入っても輸出量で依然勢いを伸ばしており、また価格も大部分が過去最高水準を維持している」
と述べている。
15%増という輸出成長予測修正値は、鉄鉱石、石炭の輸出量の強力な伸びに加えて金価格の高騰に支えられている。
鉄鉱石輸出総額は11%増加で600億ドル、
原料炭は13%増加で340億ドル、
液化天然ガスは15%増で120億ドル
となっている。
また、オーストラリアの金地金輸出収入は45%増加で190億ドル、一般炭は34%増で190億ドル、また原油・コンデンセートは21%増加で140億ドルとなっている。
また、鉱山拡張計画が進められており、鉄鉱石や一般炭の産出量が増加、また、QLD州の原料炭炭鉱が水害から復旧し、操業改善が進んでいるため、輸出量は今後とも増加すると見込まれている。(AAP)
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● NICHIGO PRESS 2011年1月号
『
NICHIGO PRESS 2012年1月13日
http://nichigopress.jp/ausnews/world/33170/
イクシス・ガス田開発とダーウィンLNGハブ
日本INPEX社と仏Total社が開発決定
WA州北西部のイクシス海底ガス田から北部準州(NT)ダーウィン北方まで889kmの海底パイプラインを敷設し、陸上に液化天然ガス(LNG)施設を建設するという巨大な天然ガス開発計画は、1月13日、ようやく日本のINPEX(国際石油開発帝石株式会社)社とフランスのTotal社の合弁が出発進行を発表した。
この開発計画には、LNG施設立地をめぐってWA州とNTとが誘致競争を繰り広げたこともある。
この海底天然ガス開発には330億ドルという膨大な建設費が見積もられており、建設期間には何千人分もの雇用が予想され、生産開始後も何百人分という雇用が見込めることや輸出港湾整備なども必要になるため、NTの経済を大きく変化させると言われている。
この日、ダーウィンで行われた調印式は、今後、オーストラリアが日本のエネルギー確保のカギを握ることを示すものとなった。
日本政府からは松下忠洋経済産業副大臣が出席、
「イクシスのガスは今後日本のLNG需要の10%をまかなうものとなる。
日本企業はオーストラリアの資源なしでは生存できないというのは決して誇張ではない」
と語った。
この開発計画は、イクシスと同じWA州北西部大陸棚に総工費417億ドルで計画が進められているゴーゴン開発につぐ2番目の規模となる。
また、イクシス海底ガス田の開発で豪経済には年間35億ドルが注入され、建設期間中は2,700人、稼働開始後は300人の雇用を生む。
インペックス社の黒田直樹代表取締役社長は、
「この開発は長年にわたりNTに経済的利益をもたらし、NT経済を発展させることで商業と社会の発展を支えていくだろう」
と語った。
また、NT自治政府のポール・ヘンダーソン主席大臣は、
「長年LNG施設誘致で働きかけてきた甲斐があった。
努力が実って本当に喜ばしい」
と語っている。
豪政府のマーチン・ファーガソン資源大臣は、
「世界は今やガスの黄金時代にさしかかっており、オーストラリアのLNG生産量は今後10年で4倍にも成長する可能性がある。
2017年度までには、オーストラリアはカタールを追い越して世界最大のLNG輸出国になる可能性もある」
と語っている。
しかし、この計画も万人から歓迎されているわけではない。「Environment Centre NT」のスチュアート・ブランシュ博士は、
「ガスはクリーンなエネルギーではなく、イクシスはオーストラリアの温室化ガス排出量の1%程度になる。
NT史上最大の大気汚染プロジェクトだ」
と語っている。
また、松下副大臣は、ダーウィン爆撃について謝罪し、
「深い悔恨の念を表明するとともに、心からの謝罪をここに述べたい。日本は今は平和憲法を持つ国となった」
と語っている。(AAP)
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<まぐろの目玉>
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